進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 (ハヤカワ文庫NF)

制作 : 吉成真由美  吉成真由美 
  • 早川書房
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本棚登録 : 185
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504823

作品紹介・あらすじ

花とハチの関係、DNAの複製機能、脳の錯覚……世界的に著名な生物学者の講義を『知の逆転』の著者が編集・翻訳。解説/吉川浩満

感想・レビュー・書評

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  • 面白いので、生命の進化に興味がある人はぜひ。
    感覚的に把握できないことを、例えで分かりやすく伝えるのが上手。
    1000年遡るのをを1歩(1m)とすると、アウストラロピテクスの時代までは3km、初期の哺乳類までは65km、魚が陸に上がってきた時代までは500km…とか!
    一歩で平安時代まで戻っちゃうのに、500km先って…途方も無さすぎる。

  • 進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義。リチャード・ドーキンス先生の著書。利己的な遺伝子で知られるリチャード・ドーキンス博士。そのリチャード・ドーキンス博士が英国王立研究所で開催した子供向けの特別講義を基にしたものだから、扱っている内容は難しいけれど視覚的にも工夫されていてとてもわかりやくなっている良書です。当時、リチャード・ドーキンス博士の講義を受けて、自分もリチャード・ドーキンス博士のような研究者になりたい、英国王立研究所の研究所の研究員になりたい、そう思った子供たちもたくさんいたのでは。

  • 英国での王立科学研究所でのクリスマス講義の議事録。元々が子供向けの講義なのでとても読みやすい。また講義は20年以上前のもので、例えばドーキンスの進化の存在証明がまだ書かれておらず、また創造論との戦いの序盤といったところだが、子供向けということでそこまで反アンチ科学的ではない。
    読めばドーキンスの言いたいことがさっとわかるし、6章にある訳者との対談もとても役者がわかっていてうまく引き出している(ちなみに知の逆転の編者、インタビューアでもある)

  •  くだらない本である、自分の主義主張を浸透させるために「生物学」を使って教祖様に成り上がりたいだけのくだらない男の弁舌である。あたかもファラデーの『ロウソクの科学』を継承しているような弁舌だが、プリミティブなことを興味深く実証して見せているファラデーとは異なり、ギャップだらけの見せかけのアナロジーを刷り込んでいる点で全く異なる、比較の俎上にあげることすら不愉快。
     はっきりいって、擬科学、似非科学として叩きたい相手がいるなら、彼らを相手に論争すればいい。魅力ある生物を引き合いに出し、子供たちをひきつけてやることではない。人の興味を引き付けて、主張を繰り返して「これが真実だ」という認識を植え付ける暇があったら、研究をしろ、「進化」を目撃するのに必要な完璧な理論を作り、実験方法を提案しろ、そして、それを示せ。話はそれからだ。

  • ドーキンスのエッセンスが凝縮されていて既書と比べて格段にとっつきやすい。一日で読み終えてしまった。

    時間スケールをわかりやすくするため、地球や進化の歴史を一年や一日に例えたりすることがよくある。しかし本書のように、距離で表すのは新鮮だった。
    1mで1000年遡るとして、紀元0年からはじめる。
    1mでダビデ王の頃、3mでピラミッド建設の少し前。
    ホモ・ハビリスまでは2㎞、初期の哺乳類は65㎞、生命の起源・最初のバクテリアまでは3500㎞、とこんな具合だ。

    また、第3章が白眉。
    実を言うと著者の『盲目の時計職人』を読みかけのまま長いこと放置してしまっているのだが、この章で全部説明しきっているのではないかと思うほどよくまとまっていた。
    「(進化途中の)半分の眼が一体何の役に立つのか」という創造論者に対する反論は実にシンプル。
    「半分の眼でもないよりマシ」と。ここの証明は鮮やかだった。

  • ドーキンスの英国王立研究所でのクリスマスレクチャーを本にしたもの。子ども向けだからわかりやすいし面白い。
    題はそれぞれ宇宙で目を覚ます、デザインされた物とデザイノイド物体、不可能な山に登る、紫外線の庭、目的の創造の5つ。

  • セミナーで話したことをまとめたもの。生きてるうちに『利己的な遺伝子』を読むことがあるかしらん。

  • 往来堂書店「D坂文庫 2017夏」からの一冊。
    1991年に英国で子供向けに行われた講義をまとめたもので、いわゆる「進化論」を分かりやすい実例を使って解説した良著。リチャード・ドーキンスの他の著書では、宗教はしばしば非常に悪質な嘘である、などの刺激的な指摘もあって、科学界のピーター・ティール?みたいな感じもあるようだけれど、本書は子供向け講義ということもあって刺激は控えめ。
    ドーキンスは、神による創造を信じる「創造論」を蹴散らし、あらゆるものは長い時間をかけて“自然選択”を繰り返して進化を遂げてきた、という「進化論」を展開している。もちろん、「進化論」の入門書として読むのに最適であるのは言うまでもないのだけれど、二次的な解釈もいろいろできるように思える。
    例えば、眼という精巧な器官に関する指摘。文字や色などの識別ができなくとも、明るい暗いがわかる眼を持っていれば、最終的に眼の機能が進化して様々な識別が可能になり、それは眼を持たない者より圧倒的に生存率が高い、という。これは、たとえ不完全であっても、ないよりははるかにマシ、ということ。これには何か救われる気がすると同時に、どこかで聞いたことがある話を連想させる。アイディアがあればそれをすぐ形にしてしまおう、形にして世に出してから修正すべきところは修正すればいいではないか…米国のスタートアップ?「修正」を「進化」という単語に置き換えれば、彼らスタートアップのやっていることは、実は生物進化学的に見れば「進化論」に極めて忠実な行動なのではないか。
    さらに、今でこそ一般名詞化した「バーチャル・リアリティー(VR)」という言葉を、なんとドーキンスは1991年の時点で既に使っている。しかも、「人間は脳内でVRを作って、それを見ているに過ぎない」と論じるという、衝撃すら覚える指摘の中で使っているのだ。
    優れた慧眼と言ってしまうとあまりに安っぽく聞こえてしまうけれど、とても四半世紀以上前に書かれた本とは思えない説得力がこの一冊には満ちている。本書を読んだ今、人間の今後の進化の可能性について触れているユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』の最終章が、俄然現実味を持って迫ってくる。これはちょっとした興奮だ。

    蛇足)
    本書を読んで、アントニオ猪木の語録がひとつ頭にうかんだ。
    「海の中で満足している魚には、陸に上がることを決めた魚の気持ちはわからない」

  • 非常にわかりやすい進化論の入門書になっている。とくにデザイン論(創造説)批判になっている第2章と第3章が秀逸。ただし、進化論から生きる意味が導けるとまでは明確に書いていないが、そのような文章が散見されるように思えたので、この点はドーキンスの他の文献にも当たって確認する必要がありそうだ。文庫版には解説で文献紹介がなされている。
    翻訳は「だ・である」と「です・ます」が混在しているので驚いたが、訳者あとがきも同じなので、訳者の方のスタイルのようだ。

  • ファラデー『ろうそくの科学』のドーキンスver。5日間のレクチャーはこれまでのドーキンスの著作のアイディアがつめこまれている。「デザイン/デザイノイド」「不可能な山」「紫外線の庭」。
    進化、それはすこしづつの積み重ねで、しかもそれは学習による積み重ねではない。ランダムに起こった幸運がわずかずつつみかさなったもの。
    ドーキンスが伝えようとするのは現実の世界の美しさ。認識を遥かに超える時間をつかった「進化」の過程に今の世界があり、私たちはまったく偶然にこの世界に存在するということ。

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著者プロフィール

【著者】 リチャード・ドーキンス (Richard Dawkins)
1941年ナイロビ生まれ。オックスフォード大学時代は、ノーベル賞を受賞した動物行動学者ニコ・ティンバーゲンに師事。その後、カリフォルニア大学バークレー校を経て、オックスフォード大学で講師を務めた。

1976年刊行の処女作『利己的な遺伝子』は世界的ベストセラーとなり、世界にその名を轟かせた。この本は、それ以前の30年間に進行していた、いわば「集団遺伝学と動物行動学の結婚」による学問成果を、数式を使わずにドーキンス流に提示したもので、それまでの生命観を180度転換した。

その後の社会生物学論争や進化論争においては、常に中心的な位置から刺激的かつ先導的な発言をしており、欧米で最も人気の高い生物学者の一人となる。

積極的な無神論者としても知られており、2006年に刊行した『神は妄想である』も全世界に衝撃を与え、大ベストセラーとなった。

王立協会は2017年に、一般投票による「英国史上最も影響力のある科学書」の第1位として『利己的な遺伝子』が選ばれたことを発表した。

「2018年 『利己的な遺伝子 40周年記念版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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