いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ文庫NF)
- 早川書房 (2017年1月7日発売)
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感想 : 85件
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150504830
作品紹介・あらすじ
いつも時間に追われていて、思うとおりに物事が片付けられない。それなりの収入はあるのに、目の前の出費のために、借金を重ねてしまう。ダイエットをしようとたびたび取り組むけれど、長続きしない。人の気を引こうと熱をもって話しかけるが、いつも相手はつまらなそうなだけ。薬を処方通りキチンと飲まないから、いつまでも治らない。こうした、同じ状態から抜け出せない人は多いですが、じつはこれらはすべて、必ずしもその人の資質によらない、ある共通の要因がもとで起こっていたのです。さまざまのめざましい実験・研究成果を応用し、期待の行動経済学者コンビが初めて世に贈る一冊。
みんなの感想まとめ
欠乏が人間の認知能力に与える影響と、余裕を持つことの重要性を深く掘り下げた一冊です。著者たちは、時間や資源が不足しているときに私たちがどのように近視眼的な行動をとるのか、またその結果として生じる問題を...
感想・レビュー・書評
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冒頭は、余裕がない箇所を事例交えて解説。
無いから近視的な行動を行う。その日暮らし。
なので、スラック(スペース)を用意勝利という内容。
やり方としてスケジュールを以下に実施するか。が学びになりました。
ライトなビジネス書ではないので、流し読みしながら見返しが必要かもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は「欠乏感」がもたらす多大な影響と余裕「スラッグ」の大切さについて、多面的な角度から検証した本です。
めちゃくちゃ面白く、ためになりました!
ぜひぜひ読んでみて下さい。 -
ハーバード大の経済学教授(ノーベル経済学賞の受賞も噂されてるそうですが、今年は残念ながら…だったようで)とプリンストン大の心理学教授の共著による、「欠乏」をテーマとした1冊。
原著を直訳すると「欠乏:なぜ足りないことがそれだけ意味を持つのか」でしょうか。
人間は、欠乏しているモノ/コトに意識を奪われてしまう。ただ、それだけではなくて、その分野に強い能力を発揮することもできる、と。
読了して感じたのは、「本当の問題」を探すことの重要さと大変さ。
貧困に悩む人々に補助金を支給しても、結局貧困から抜け出せないという事例が出てきます。それを「貧困者たちのマインドが欠如している」みたいに言い訳を連ねるのは簡単ですが、結局それじゃ世の中はいつまで経っても良くならない。
彼らを貧困に繋ぎとめているのは経済的な欠乏だけでなく、様々な悩みに気を取られる「処理能力の欠乏」もあって…という話。
ではどうすれば良いのか。著者が例に出したのが、米軍の爆撃機でパイロットが着陸後に(なぜか)車輪を引き上げる事故が多発していた事例への対処。パイロットの訓練や資質の問題ではなく、コクピットの設計が紛らわしくて事故が起きてしまっていた。
制度の設計も同じで、支給の仕方を上手く考えないといけない、という話でした。
本著の内容とは少し外れますが、個人的に感じたのは、今後の世の中において、潤沢なリソースを活用できるのは贅沢な一部のプロジェクトに限られると思うので、常に「欠乏」と付き合う必要があるということ。
そう思った時、本著のように現場に目を張り付けて事例を分析して解決策を見つけ出して、みたいなアプローチができるかしら…とちょいと暗い気持ちになりました(^^;
ちょっとした工夫で乗り切れそうなものもありましたが、それも現場へ落とし込むのは大変だよなぁ。。と。
ちなみに、本著、なぜか読むのにすっごい時間がかかりました。とにかくモチベーションが湧かず、図書館の返却期限に追われて(本著にある「集中ボーナス」そのまんま…)なんとか読了した次第です。
「時間がない」とか「欠乏」とか表紙に書かれて、中身もそんな事例ばっかだからでしょうか…。行動経済学者の皆さまには、この事象の解明をぜひお願いしたいです!(笑 -
「時間管理術」のビジネス書のようなタイトルだが、そうではない。副題の「欠乏の行動経済学」のほうが、内容を正確に要約している(こちらをメインタイトルにしたら本が売れないと判断したのだろう)。
著者は、ハーバード大の経済学教授(センディル)とプリンストン大の心理学教授。2人とも、経済学と心理学を融合させた「行動経済学」の研究者で、貧困問題などの解決を目指すNPOの共同創設者でもある。
本書も、タイトルからは想像もつかないが、じつは貧困問題を考えるための書でもある。というのも、「時間がない」「お金がない」などのさまざまな「欠乏」が、我々にどのような心理的影響を与えるかを研究した書だから。
時間の欠乏についての章もあるから、タイトルは偽りではないが、じつはお金の欠乏=貧困に重点が置かれている。
貧困問題を行動経済学の視点から考察した、類のない書である。
とくに目からウロコが落ちたのは、貧困がさまざまな「処理能力」を大幅に減退させることを論証している点。
「欠乏」は、人間の処理能力に大きな負荷をかける。
時間がなくてバタバタしているときは、仕事でミスが生じがちだ。同様に、貧困層はお金の工面のことでつねに頭が一杯になっているから、生活の中で要求されるさまざまな処理能力が大幅に減退してしまっている。
たとえば、貧困層は医者にもらった薬の飲み忘れが多い。また、子どもに対する気配りに欠ける「悪い親」は貧困層に多く、富裕な農民より貧しい農民のほうが農地の適切な除草を怠りがちだという。
それは、「貧困層のほうが怠け者で愛情が薄いから」ではない。貧困という欠乏がもたらす処理能力の減退のせいなのだ。
《ほぼあらゆる仕事には作業記憶が必要である。これは、いくつかの情報を使うまで頭のなかで生かしておく能力だ。貧困によって作業記憶に負荷がかけられると、人はあまりうまく仕事ができなくなる。
(中略)
処理能力に過剰な負荷がかかるということは、新しい情報を処理する能力が下がるということだ。たとえばあなたがつねに心ここにあらずだとして、大学の講義はどれだけ頭に入るだろう? ここで、家賃の工面についてたえず考えてしまう低所得の大学生について考えてみよう。彼女の頭にどれだけ入るだろう?》
《処理能力は人の行動のほぼあらゆる面を支えている。ポーカーで勝つ確率を計算するのにも、人の表情を読み取るにも、自分の感情をコントロールするのにも、衝動を抑えるのにも、本を読むのにも、独創的な発想をするのにも使われる。高度な認知機能のほぼすべてが、処理能力に依存している。しかし処理能力への負荷は見逃されやすい》
処理能力の減退は、仕事や勉強、人間関係などに広範な悪影響を与える。ゆえに、貧困層は人生において、心理的にも大きな不利にさらされている。それこそが「貧困が貧困を生む」要因の一つなのだ。
いわゆる「貧困の連鎖」をこのような視点から解き明かした本は、これまでになかった。 -
手軽なビジネス書だと思って手を伸ばしたのに、しっかりとした研究内容の発表だった、それもそうか・・欠乏の行動経済学という副題がある・・。
様々な検証に対して条件設定がめちゃくちゃ細かく丁寧にされていて「正しいデータ」にこだわっているのがよくわかる。
まずは時間が足りない人とお金がない人の類似性を思考・行動パターンから探っていく。
そうすると両者は驚くほど似ていることがわかる。
さらに「欠乏」を抱える様々な人をみていく、いつもカロリーに飢えているダイエット中の人、緊急の出動が仕事の消防士。
そしても欠乏によってもたらされる集中力はすさまじく、それは有益でもあるが時には大切なものを無視することにも繋がっていた。
そしてその欠乏を大きな負荷とする、そうすると処理能力が一気に下がり控えたいケーキを食べることを選択したり、言うつもりがない言葉を口走るったりして衝動を抑えるのは難しいということがわかる。
つまり、時間がない人も、お金がない人も、常にそのことで頭がいっぱいで、正しい選択をすることができていない。
問題は人ではなく重くのしかかっている負荷にある、努力だけでミスを減らすことはできない。
悪徳業者や貧困層の甘えを論じる必要はない、ワーカーホリックに理解不足九や時間管理スキルの欠如を述べる必要はない、全ては欠乏が引き起こしているだけ。欠乏が人をさらなる欠乏の深みへと突き落としているだけなのだと。
そして、どうしたら人は欠乏せずにすむかというのはスラック(余裕)によって解決される、そしてそのスラックをどのように作り出すかという後半の話は、これは完全に政策の話だなと思いながら読んだ、これから貧困まっしぐらの日本でこれから大活躍しそうなことばかりだった。
・火をけすだけの少額なローン
・お金がある時に申し込むと安くなる肥料
・お金を使いたい衝動で貯金ができるカード
・リマインダー
・失敗や欠席を許容する教育システム
・給料の分割払い
・奨学金申し込み用紙の記入の手伝い
この中でも面白かったのはリマインダーで、忙しすぎて家族のことを思い出せない人に帰宅時刻になると家族との写真を送りつけるシステム。
これは家族が大事なら、の前提だけど笑えちゃったな。
まぁ、自分が欲しかったような内容ではなかったけど、自分が根底でもっている貧困をなんとかできないかなぁという問いかけを深掘りできた面白い本でした。 -
あらゆる欠乏について、謎を解き明かす本。
行動経済学の本は数冊読んでいるが、それら本とは異質、かつ有用。
欠乏は時に、特定のことへ強い注意をもたらし、有用な時もあるが、その他の事象に不注意をもたらす。 -
いまいち、内容が入ってこなかった。欠乏はトネリングを引き起こすということぐらいしか理解ができなかった。
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最後の解説が良いまとめ。良くまとまっていて、あのボリューム読まなくても解説だけでも良いかもしれない。
集中ボーナス
トンネリング
スラック
間違えない仕組み作り
解説通りに、「時間がない」ことの解決方法を示してくれるかと思いきや、「時間がない」のは欠乏のせいであることの分析。フィールドワークや例、過去の調査結果をエビデンスに論拠をはっている。
なんか違和感があったのは…欠乏による人の反応が帰納法で見解を示していて、なんかこう医学的というか科学的に理由付けがほしい。あまりにも人間の行動が単純過ぎるように思えてならない。 -
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いつも時間が無い、借金を重ねてしまう、ダイエットが続かない・・
これらはバラバラに見えて、実は原因は同じではないか?という話。その原因は、「欠乏」(自分の持っているものが、必要だと思う量よりも少ないこと。心に余裕がないこと。)。欠乏が起こると、脳の処理は欠乏に対して大きく使われてしまう。これをトンネリングという。トンネリングには、「集中ボーナス」がつくことがある(締切効果)。とはいえマイナスの方が大きいので、欠乏が起こらないようにすることが大切。
自分は、夏休みの宿題を初日に全部終わらせるタイプだし、プロジェクトは二週間は余裕がないと不安。欠乏をひたすら避けてきたと思う。他要因で切羽詰まったプロジェクトは全部失敗してきた。
・適切な期限を設ける
・適切なバッファを設ける。
色々書いてあったものの、結局はこれだけなんじゃないか。 -
欠乏は集中力を増し処理能力を上げる一方トンネリング(視野狭窄)を起こして処理能力を下げる。ちなみに処理能力の高低は能力そのものの高低ではなく欠乏が生み出した状況である。後者は負の連鎖を起こすためネガティブな影響が大きいが、この状況に陥るのを防ぐためにはスラック(余剰、ゆとり)を持つことが有効である。聞けば当たり前に聞こえるが、世界の貧困問題からタスクに追われる家庭人、ビジネスパーソンにも広く影響するこの欠乏問題は省みられていないことが多い。日本語タイトルがミスリードな所が惜しいが大変貴重な名著。
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わたしの会社にいる、借金ばかりの一家の話が、まさにこれで。
めっちゃ納得いった。
なんでそんなことするんだろう。
なんでわからないんだろう。
なんで、そんなふうになるんだろう。
と、わからないことだらけだったけども。
ノーベル賞も受賞する頭のいい人たちが、貧乏、借金で首が回らない人たちを研究した結果。
全く同じ状況で。
お金を渡しても。仕事を紹介しても、結局にっちもさっちも行かない状態に逆戻りする。
どうしたら、このど貧民たちを普通の暮らしに戻せるか。と、ありとあらゆる研究をしてるこの2人に感服です。
どうにかして助けたい。という思いがすごい。
そして、なんでそんなんになっちゃうか。っていう研究内容もこれまたすごいわ。
貧民思考。貧乏の思考回路。
これは、お金だけじゃなくて、時間貧乏も同じ考え方ですよ。と。
あぁ、わかる。わかりすぎるほどに、わかる。
兎にも角にも、欠乏感を感じると、処理能力が大幅に低下する。
時間がない、お金がない。この欠乏感で、知力そのものに負担をかける。
そして、視野狭窄におちいり、トンネルから出て来られなくなる。
将来の計画は目の前の出来事より、どうにかなりそうに見えてしまい、欠乏感によって重い負荷がかかって、とりあえず今。と、なってしまい。未来が現在になったときに、また、あとに回す悪循環。
うわぁ。
もう、考えるだけでドン底だけど。
わかる。
わかります。
もう答えは一択。
優先度をはっきりつける。
あとはぶん投げる。
そして、最優先事項に全てを捧げ、欠乏感を補え!!!!!!!
わかりました!!!!!!
っていう本でした。
これ、泥沼思考の解説なんかもあって、うわぁ、わかるわぁ。っていうか、これを研究してみようとした、2人は本当に天才だわ。
と。感服した一冊。
非常に読みづらいけど。
読むと、うわぁ、なるほどなぁ。と、ぐわっとくる一冊。 -
欠乏という概念を元に理論を展開。
脳のリソースが無くなるのが根本の原因である。
貧乏な人が補助金を受け取れないのも、パフォーマンスが下がるのも脳のリソースを取っているのが問題。
リソース不足にならない様に欠乏をコントロールするのが成功、パフォーマンス向上に必要。
お金を貯める、自分のパフォーマンスを下げる要因を考える。
時間と、処理能力両方考えよう。
知力のリズムは季節や1日にどうなっている。 -
ありとあらゆるところで欠乏は起こっていて
欠乏が欠乏を生んでいると分かった
締切に追われている時
周りが何も見えなくなるように
仕事に追われていると
家族など大切な人を大事にできなくなる。
知らないうちに起きているトンネリング。
トンネリングが起きていることを
知るっていうことも大切だと思った -
読了後時間が経ってしまったが感想メモ。
時間やお金の欠乏を感じると人は判断力が下がってしまう。これは、脳が太古の昔狩猟をしていた際に空腹を感じている時と同じ働きをしてしまうからだそう。
貧すれば鈍するという言葉通りで、負のループに入らない様にする事・欠乏を認識した時は自身の判断力が下がっている事をメタ認知する事が重要と感じた。また、欠乏を感じている人がその様な状態になっている事を理解し対応する事が同じく重要と感じた。 -
欠乏が引き起こす弊害について、述べられた本。お金、時間の欠乏が引き起こす負のループは誰もが分かりやすいが、何故そのループを先手を打って止めようとしないのか。
それは欠乏が人間の処理能力を低下させ、視野狭窄に陥ってしまうことにあると。
自分も仕事で時間の欠乏に陥った経験が多かったため、非常に腑に落ちる内容だった。
自分なりに極端な結論をに言ってしまうと、効率を求めてリソースを切り詰めてギリギリを狙うと、小さな割込みが発生すると破綻してしまう。効率を求めず、何時も余裕しろ(スラック)を持っておくことが、欠乏の負のループに陥らない為に重要だ。
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