人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
4.04
  • (7)
  • (14)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 318
感想 : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150505110

作品紹介・あらすじ

感染症が激減した一方で「現代病」が増加しているのはなぜか? 人類の進化の歴史をたどりながら現代人の抱える問題を明らかにする

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・人間の身体の進化の物語であり、人は何に適応しているのかを問う
    ・その問いに対して明快で単一な答えは見いだせないことが人体の神秘的な結論
    ・人類の身体は現代の食事や運動不足にうまく対応できるように適応できていない
    ・これまでの人類の生物学的進化に対して、文化的進化により私たちの身体は現代の環境に適応できず、ミスマッチとなる病気が起きる
    ・「食べたものが人をつくる」というが、進化の論理では、場合によっては「普通なら食べないものが人をつくる」
    ・チンパンジーは果実中心の食生活だが、アウストラロピテクスは果実の依存をなくし、土を掘って茎を摂取するなど食生活を多様化にした
    ・なぜ人類は他の動物よりも脳が大きく進化したか? 大きな脳にはそれだけ多くのエネルギーが必要となるが、人類は狩猟採取により多くのエネルギーを獲得できたことでコストを補うことができた
    ・遺伝的には常に自然選択により進化してきたが、加速度的に進化した文化的進化が遺伝的に適応できていないために現代のミスマッチ病(糖尿病やがん、うつ病などの現代病)がおきた
    ・ミスマッチ病を予防するには、昔ながらの食事や運動をし、タバコや炭酸飲料、ジャンクフードをやめること

  •  「人類600万年史」だと思い込んで読んでいたのだが、「人体600万年史」であった。人類とチンパンジーの分岐点(ミッシングリンク)が600万年前だというので、全く疑問を持たずに読み進めてきたが、途中からやけに「ミスマッチ病」という言葉が多くなり、読み終えてから題名が「人体」であることに気付いた

  • 歴史的な経緯がわかってよかったです。

  • 気候変動が二足歩行に拍車をかけた。果物が手に入らないときの手段として。
    ルーシーはアウストラロピテクスアファレンシス。
    アウストラロピテクスは男性が50%体が大きい=オスがメスを争っていた証拠。
    アウストラロピテクスは地下貯蔵器官を食べていた
    歩行コストが低い=歩くのに適したからだ。チンパンジーは二足歩行では人間の3倍カロリーを消費する。
    二足歩行は太陽放射による体温上昇が抑えられる。

    食料の分配はホモ属の特徴。オスのチンパンジーは食べ物を分けない。
    石による食料の加工は消化に有利。
    走るために進化した=持久走能力。ハゲワシの旋回を見て、腐肉漁りに行けた。
    人間は発汗によって熱を下げられる、動物は止まらないと下げられない。長時間追いかけることで、体温を上昇させて倒れたところをしとめる。
    長距離走者としての適応はホモエレクトスが発祥。
    大殿筋は、最大の筋肉で歩行中は働かないが走っているときは前のめりになることを防いでいる。大殿筋の発達は長距離走のため。
    大きな脳は、エネルギーコストが高いが、協力に有利だった。
    ホモ属は、特殊なエネルギーの使い方をする。大半の生物は成長にはエネルギーを割かず、繁殖にエネルギーを使う。人間は、遅いペースで成熟し体を大きく成長させる。産む子供は少ないが、無事に育てるほうに力を注ぐ
    ホモエレクトスはアフリカで生まれて、氷河期に対応し世界各地に出て行った。
    ネアンデルタール人は、火を使い毛皮をまとったが針はなかった。埋葬もしなかった。

    大きな脳はエネルギー消費が激しく、コストを払えない。
    成人の狩猟採集民は、男は10%、女は15%程度で落ち着く。
    BMR(基礎代謝率)は哺乳類の場合、体重の関数。人間は腸が小さい分、脳が大きい。食事を加工して良質な食事になったため。

    インドネシアのホビット=ホモフロレンシス。
    奇抜な進化は島で起きる。大型動物は生き延びられないが小さな種には競争が少ないので大きくなる。ホビットも体が小さくなった。脳もコストがかかるので小さくなった。

    現生人類は、旧人類を席捲した。
    現生人類は頭が小さい。側頭葉が大きい。
    人間は発声ができる代わりに、誤嚥の危険がある。おしゃべりをしながら飲み込むことは特殊な活動。
    人間の進化とは、筋肉に対する脳の勝利だが、脳だけで繁栄したわけではない。

    12000年前ごろから、定住、植物栽培、動物の家畜化を始めた。その結果、パンドラの箱が開けられた。
    天然痘、ポリオ、ペストなどは農業革命のあと。

    現代でも進化しているか。
    文化的進化が自然選択よりも強力な力となっている。しかし自然選択は弱まっていない。女性の初出産と閉経の年齢に自然選択が働いている。
    まだ農業が始まってから600世代しか経過していない。
    Ⅱ型糖尿病は、アジアで急速に広まっている。アジアの遺伝子のほうが悪影響がある恐れ。自然選択だけでなく遺伝子と環境の相互作用が変化を促進している。

    病気の症状は、多くはじつのところ適応である。発熱は吐き気や下痢など。進化論的にいえば、何かに適応しようとしている証拠。

    フィットネスプログラムが成功しないのは、自然選択の証拠。
    旧石器時代以来の体とのミスマッチ病。
    壊血病=ビタミンC不足、虫歯=糖を餌にして微生物が穴をあける。虫歯はカロリーを簡単に摂取する代替のようなもの。

  • ホモ・サピエンスたった1種類だけ、なぜ生き残ったのか?

  • 人間の進化の過程から医学について考えていく話
    面白かったけど、進化学の性質上か憶測で話が進む部分が多いように感じた
    下巻は気が向いたら読む

  • 科学道100冊 2020 「驚異のカラダ」
    【所在】3F開架 
    【請求記号】469.2||LI||1, 469.2||LI||2
    【OPACへのリンク】

     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452186 

    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452187

  • LD1a

  • (上下巻合わせての感想です。)

    地球上の生命が天文学的時間を経て進化し、ホモサピエンスという種が誕生し、それが圧倒的な食物連鎖の頂点に立って指数関数的に環境を進化させているに至るまでを、人体のメカニズムと比較する形で解説してくれている。

    上巻は主に人間が何故2足歩行になったかの理由や、認知能力、火の使用、食物の摂取で進化した頭部と歯、長距離移動に長けた生物であること等を開設してくれていて、知らないことだらけでなるほどとうなずくばかりであった。
    効率的な食物摂取から発生した農業革命あたりから人体の進化と環境のミスマッチが始まり今に至ることは言われれば確かにって思う。狩猟はハードだけど”人間社会”が生み出すストレスや、進化してここに至った人体機能に相反する肉体的ダメージ(筋肉痛、腰痛、肩こり、痛風など)は発生しない。農業革命は人類にとってある意味退化であるという考え方は面白いなあって思った。

    下巻は長い時間をかけて進化した人体が尋常でないスピードで進化した現代社会にいかにミスマッチであるかを丁寧に紹介してくれている。
    僕は典型的な肥満に苦しんでるけど、進化してここに至った人間の人体構造や分泌ホルモンまで掘り下げて、いかにそれの克服が難しいことが良くわかった...。

    長い時間をかけて生活に順応する形で進化した人体、人体の進化スピードと比較にならない速度で変化して今に至る人間の現実生活、人体と現実生活のミスマッチという新しい概念を知ることができた。

  • 医学部分館2階書架:469.2/LIE/1:3410163248
    https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/webopac/BB50279804

全16件中 1 - 10件を表示

ダニエル・E・リーバーマンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
劉 慈欣
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×