人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 早川書房 (2017年11月21日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150505110
作品紹介・あらすじ
感染症が激減した一方で「現代病」が増加しているのはなぜか? 人類の進化の歴史をたどりながら現代人の抱える問題を明らかにする
感想・レビュー・書評
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・人間の身体の進化の物語であり、人は何に適応しているのかを問う
・その問いに対して明快で単一な答えは見いだせないことが人体の神秘的な結論
・人類の身体は現代の食事や運動不足にうまく対応できるように適応できていない
・これまでの人類の生物学的進化に対して、文化的進化により私たちの身体は現代の環境に適応できず、ミスマッチとなる病気が起きる
・「食べたものが人をつくる」というが、進化の論理では、場合によっては「普通なら食べないものが人をつくる」
・チンパンジーは果実中心の食生活だが、アウストラロピテクスは果実の依存をなくし、土を掘って茎を摂取するなど食生活を多様化にした
・なぜ人類は他の動物よりも脳が大きく進化したか? 大きな脳にはそれだけ多くのエネルギーが必要となるが、人類は狩猟採取により多くのエネルギーを獲得できたことでコストを補うことができた
・遺伝的には常に自然選択により進化してきたが、加速度的に進化した文化的進化が遺伝的に適応できていないために現代のミスマッチ病(糖尿病やがん、うつ病などの現代病)がおきた
・ミスマッチ病を予防するには、昔ながらの食事や運動をし、タバコや炭酸飲料、ジャンクフードをやめること詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「人類600万年史」だと思い込んで読んでいたのだが、「人体600万年史」であった。人類とチンパンジーの分岐点(ミッシングリンク)が600万年前だというので、全く疑問を持たずに読み進めてきたが、途中からやけに「ミスマッチ病」という言葉が多くなり、読み終えてから題名が「人体」であることに気付いた
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歴史的な経緯がわかってよかったです。
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ホモ・サピエンスたった1種類だけ、なぜ生き残ったのか?
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人間の進化の過程から医学について考えていく話
面白かったけど、進化学の性質上か憶測で話が進む部分が多いように感じた
下巻は気が向いたら読む -
科学道100冊 2020 「驚異のカラダ」
【所在】3F開架
【請求記号】469.2||LI||1, 469.2||LI||2
【OPACへのリンク】
上
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452186
下
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452187 -
LD1a
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(上下巻合わせての感想です。)
地球上の生命が天文学的時間を経て進化し、ホモサピエンスという種が誕生し、それが圧倒的な食物連鎖の頂点に立って指数関数的に環境を進化させているに至るまでを、人体のメカニズムと比較する形で解説してくれている。
上巻は主に人間が何故2足歩行になったかの理由や、認知能力、火の使用、食物の摂取で進化した頭部と歯、長距離移動に長けた生物であること等を開設してくれていて、知らないことだらけでなるほどとうなずくばかりであった。
効率的な食物摂取から発生した農業革命あたりから人体の進化と環境のミスマッチが始まり今に至ることは言われれば確かにって思う。狩猟はハードだけど”人間社会”が生み出すストレスや、進化してここに至った人体機能に相反する肉体的ダメージ(筋肉痛、腰痛、肩こり、痛風など)は発生しない。農業革命は人類にとってある意味退化であるという考え方は面白いなあって思った。
下巻は長い時間をかけて進化した人体が尋常でないスピードで進化した現代社会にいかにミスマッチであるかを丁寧に紹介してくれている。
僕は典型的な肥満に苦しんでるけど、進化してここに至った人間の人体構造や分泌ホルモンまで掘り下げて、いかにそれの克服が難しいことが良くわかった...。
長い時間をかけて生活に順応する形で進化した人体、人体の進化スピードと比較にならない速度で変化して今に至る人間の現実生活、人体と現実生活のミスマッチという新しい概念を知ることができた。 -
医学部分館2階書架:469.2/LIE/1:3410163248
https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/webopac/BB50279804
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