大統領の陰謀〔新版〕 (ハヤカワ文庫NF)

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  • 早川書房 (2018年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784150505295

作品紹介・あらすじ

ニクソン大統領の企みを2人の若き記者が追う。粘り強い報道でピュリッツァー賞を受賞、映画化もされたジャーナリズムの金字塔復活

みんなの感想まとめ

真相に迫る緊張感が漂う物語は、ニクソン大統領の陰謀を追う若き記者たちの奮闘を描いています。登場人物が多く、時には混乱を招くこともありますが、その中で繰り広げられる報道の過程は非常に興味深く、読者を引き...

感想・レビュー・書評

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  • ニクソン大統領を最終的に辞任に追い込んだウォーターゲート事件を報道したジャーナリスト、ホブ・ウッドワードとバーンスタインが自らその顛末を語ったのが本書だ。ロバート・レッドフォードによって映画化もされている。

    ジャーナリズムとしては記念碑的な事件を扱った本作は、ウォーターゲート事件というものの顛末を分かりやすく読もうとすると大きく期待を裏切られる。本作はむしろ彼らがウォーターゲート事件をきっかけとして、ニクソン大統領の陰謀を明らかにするまでの苦闘を描いているのであり、とにかく登場人物も多く出てくるし、描写もかなり行ったり来たりする。

    正直に言って当時のアメリカに住んでいれば理解できたかもしれないが、その長大な量と合わせて、全体を一回で理解するのはとてもではないができない。読んでいてくじけそうになったことも何度もあったがそれでも最後まで読み通せてしまったのは、やはり本場のジャーナリズムの息遣いが聞こえてくるような描写と、扱っているテーマが非常に大きなものだからだろう。

    本書を読むとジャーナリズムというのはとにかく足で稼ぎ、人の話を聞いて物事を明らかにする職業などということがよくわかる。また驚きなのは、アメリカの(少なくとも当時は0ジャーナリストに対してそれなりのに多くの情報を与えてくれる政策当局者や行政官が多くいたということだ。それらの一部は素状が明らかにされているが本書の中でも多くの人物は、ニュースソースとしか書かれていなくてその情報源が明らかになることはない。

    決して多くの人にお勧めできるようなタイプの本ではないが、ジャーナリズムに興味があるひとは一度は目を通しておくと良いだろう。

  • ★3.5

    有名な本。

    一度読んでみようと思っていたのですが、3連休もあったので読んでみました。

    まず思ったのが、登場人物が多すぎ。中身としては、真相に迫っていく緊張感があって面白いのですが、いかんせん登場人物が多すぎて「あれ?この人なんだっけ?」という事が多く、中身が頭に入るのに一苦労でした。

    アメリカは、こういうちゃんとした報道機関があって羨ましいばかりです。

  • マスコミ、特にテレビについての不信感が個人的に強いです。バラエティは面白く見れるのですが、報道という観点からすると、ポジションテークを明示しない報道姿勢が私にはとても狡猾に感じるのです。とりわけ政治問題に対する報道はそうです。どういう立場での報道なのか、旗幟鮮明にせよ、さもなくば立場が分からない、問いたくなります。

    さらに時代は一応総つぶやき社会へ。誤字脱字にあふれたネットニュース(人の事言えないけど)、個人の伝聞(ポスト)が即確からしく語られる昨今、何が信じられるニュースソースなのかよくわからくなってきました。むしろ気概のある個人の発信情報の方が時として信頼できる可能性も増してきました。口コミやインフルエンサーなどはその一例かと思います。

    もちろん、個人という最小単位は、何かが起こると「仕組み」でカバーできないので(一人だけですから)、お金・健康・家族などが脅かされたらあっという間に信念が曲がる可能性もありますが。

    ・・・
    そんなことを考えているさなかに読んだのが本作『大統領の陰謀』です。

    本作は、ワシントン・ポスト紙の若手記者二人が、政府からの圧力に耐えつつ、真実に近づき、ニクソン政権を追い込んでいくノンフィクションであります。

    これを読みつつ改めて考えたのですが、真実を伝えること、真正なる報道というのは実に目に見えない努力に支えられていると感じた次第です。

    まずもって感じたのは、真正の報道は恐ろしく手間がかかるということです。
    本作では政府内部のタレコミ情報がワシントン・ポストに集まるものの、これをそのままスクープとして発表することができないシーンが数多く出てきます。悪さをしたニクソン政権ですが、当然記者とつながりのある内部者に意図的に虚偽情報をリークさせることも可能なのです。そのため、検証や裏取り、それが難しい場合は断定表現は避けるなど表現上の工夫を施す必要が出てきます。

    作中では、ほぼ確からしい情報をどのように確かにするかという裏取り、検証の作業に呻吟する記者二人に感嘆いたしました。

    ・・・
    また、本ワシントン・ポストでは、社主(オーナー)から編集長まで、主人公の若手記者二人の集めてきた事実をキチンと受け止め、適切なテクニカルな指示(裏取り、出稿のタイミング等)のみを下におろす形にしていました。

    政府からの攻撃(記事の内容を『でたらめ』と声明発表し、加えて記者クラブ的集まりに呼ばなくなる)を受けても、トップマネジメント以下状況に耐え、記者二人に取材をやめるよう圧力をかけなかった姿勢は立派という他ありません。

    ・・・
    また、主人公の若手記者の一人がニュースソースを外部に漏らすというあってはならないことをしてしまうシーン、大陪審の陪審員への接触を試みる(陪審員は知りえた情報を外部に漏らしてはならない)シーンなど失敗に関する場面も克明に描かれていました。作中では、記者二人が自らが作り上げる報道のもつ意味を考え呻吟し、そして表現に落とし込む様は、むしろ清々しさすらを感じた次第であります。

    解説で常盤氏がこうした自己陶冶的側面を指摘していましたが、同感であります。

    ・・・
    本作は所謂ウォーターゲート事件発覚に至る様子を克明に描くノンフィクションものであります。ただ、スポットライトは、ニクソン政権の陰謀というよりも、むしろ政府からの攻撃に耐えつつ、報道人の矜持を保ったその誠実さ・清々しさ、に当たっていたように思われます。

    昨今の違いを認める・受容する社会では、本作のワシントンポストのような全社的頑固一徹さもはや難しいかもしれません。でも、大きな風穴を作るときは、支えあい・忍耐・そして同じ方向を向くことが非常に大事である、とそう感じました。

  • ちょっと集中してストーリーを追えなかった。評価は高いので、きっと自分のせいだろう

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著者プロフィール

米国を代表するジャーナリスト。1943年生まれ、イェール大学卒。50年間にわたりワシントン・ポスト紙の記者、編集者を務め、ニクソンからバイデンまで歴代大統領を取材・報道しつづけている。
ウッドワードは同紙の社会部若手記者時代に、同僚のカール・バーンスタイン記者とともにウォーターゲート事件をスクープし、ニクソン大統領退陣のきっかけを作ったことで知られる。このときの二人の活動から「調査報道」というスタイルが確立され、また同紙はピュリツァー賞を受賞した。ウッドワードはその後も記者活動を続け、2002年には9.11テロに関する報道でピュリツァー賞を再度受賞。
『大統領の陰謀』『ブッシュの戦争』『FEAR 恐怖の男』『RAGE 怒り』など、共著を含めた20冊の著作すべてがノンフィクション書籍のベストセラーリスト入りを果たしている。そのうち14冊は全米№1ベストセラーとなった。現在はワシントン・ポスト紙アソシエイト・エディターの責にある。

「2021年 『PERIL(ペリル)危機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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