アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール (ハヤカワ文庫NF 数理を愉しむ)
- 早川書房 (2019年4月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784150505387
作品紹介・あらすじ
問題解決の最強ツール「超」整理法もこれだった! ビジネスから日常生活まで、私たちがぶつかる問題を最適化して処理する秘訣は、IT科学に学べる。
〈数理を愉しむ〉シリーズ
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
問題解決のためのアルゴリズム思考は、日常生活やビジネスにおいても非常に有用であることを示しています。本書では、プログラミングや統計学の視点から、効率的な選択肢を導くための考え方が紹介されており、特に最...
感想・レビュー・書評
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<数理を愉しむ>シリーズ
アルゴリズム思考術
問題解決の最強ツール
著:ブライアン・クリスチャン
著:トム・グリフィス
訳:田沢 恭子
紙版
ハヤカワ文庫 NF538
アルゴリズムなる言葉が巷にあふれている
アルゴリズムとは何ぞ
それは、算法のことである、加減乗除と同じように、きまったやり方で処理すれば同じ答えが得られる
本書は、算法を一般化、解釈を拡大して社会で役立つように解説したもの、かと思います
つまり、何かを入力して、それを決まった方法で処理するために決まりごと、がアルゴリズムです
気になったのは 以下です。
■最適停止
嫁候補が100人いたら、37人まではふってふり続けよ、38人めからは、37人目の中で一番よかった娘以上の娘がいれば即、求婚せよ というアルゴリズムである
家探しも、秘書やエンジニアの面接も、37%までは見極めるために見送り、38%以降はそれまでよかったものがあれば、そこできめよというものです
■カジノのスロットの選び方 「勝てばキープ、負ければスイッチ」
マシンをランダムにえれば、勝ちが続ければ、そのスロットで遊び続け、、負ければ、別のスロットに乗り換える これが、カジノで勝つためのもっとも有効なアルゴリズムである
■ソート:並べ替え:コンピュータである数列を小さい順、もしくは大きい順にならべかえる方法
そのやり方によっては、遅くもあり、早くもあり、その紹介をしています。マージソートこそが最適のソート
ソートのやり方が、算法、つまりアルゴリズムです
①バブルソート
②挿入ソート
③マージソート
■キャッシュ コンピュータのメモリと、CPUのあいだにある極めて高速ではあるが、小さな容量の記憶装置
キャッシュとメモリとをどうやったら最も早く計算ができるかというのが、アルゴリズムです
①先入先出 FIFO
②ランダム
③最長未使用時間法 最も使っていない利用域を追い出して新しい領域を入れる これが最適です
■スケジューリング
たくさんのタスクを並べかえて、処理をする方法、目的によってアルゴリズムが変わる
①最早納期優先
②ムーアのアルゴリズム 遅延するタスクを最小とする
③処理時間順 できるだけ最短でおわるタスクを先に処理する
■その他
通信手段:Ethernet と Internet の世界では
アナログ:回線交換;ある帯域を占有する
デジタル:パケット交換:インターネット、小包にしてばらばらに送る
エラー制御:どういうタイミングで相手と交信し、エラーの送り直しや、パケットの放棄をきめるか
バックオフ:パケットがぶつかったらどういうタイミングで再送するか
フロー制御、JAM回避
DBMSの2フェーズコミットやデッドロック回避なども
ゲーム理論
ナッシュの均衡
囚人のジレンマ
■結論
空間と時間の制約を受けるあらゆるダイナミクスなシステムは、根本的で不可避ないくつもの問題に直面する
①コンピュータサイエンスや数学が見出したすぐれたアルゴリズム的アプローチを人間の問題にそのまま応用できるケースがある
②自分の使っているのが、最適アルゴリズムだとわかってれば、求めていた結果が得られなくても慰めとなる
③単純な解を許す問題と許さない問題との間に明確な線を引くことができる
目次
はじめに 人の暮らしのアルゴリズム
1 最適停止―「見る」のをやめるタイミング
2 探索と活用―最も新しいものと最もすばらしいもの
3 ソート―秩序を生み出す
4 キャッシュ―さっさと忘れよう
5 スケジューリング―最初のものを最初に
6 ベイズの法則―未来を予想する
7 オーバーフィッティング―過ぎたるは及ばざるがごとし
8 緩和法―大目に見よう
9 ランダム性―偶然に任せるべきとき
10 ネットワーキング―どうつながるか
11 ゲーム理論―他者の心
結論―計算の負担を軽くする
謝辞
訳者あとがき
解説/小島寛之
ISBN:9784150505387
出版社:早川書房
判型:文庫
ページ数:496ページ
定価:1100円(本体)
2019年04月15日発行
2019年07月15日2刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エンジニアの考え方は人生のあらゆる選択肢において活用できる。統計学の面白さが分かる。
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コンピューターのプログラミングにおいて、なるべく少ない計算量で目的の結果にたどり着くプロセスを組み立てるというアルゴリズムの考え方が、我々の日常生活やビジネスの判断においても役に立つ知見を与えてくれるということが、この本を読んでよく分かった。
最適停止問題、検索、ソート、タスクのスケジューリングなど、プログラムの実行だけでなく我々の日常生活においても直面することの多いいろいろな事例を提示しながら、最適なアルゴリズムは何かということを、説明してくれる。
個々のアルゴリズムの内容も非常に興味深かったが、本書ではアルゴリズムの考え方が持っている、現実的な方法で課題を処理するという視点にも触れられており、その点が非常に印象深かった。
例えば線形回帰分析において、変数の値を増やしていけばいくほどデータへの適合度は上がる。しかし、それはあくまで手元のデータに対する適合度であり、統計的推論の分野ではオーバーフィッティングと呼ばれている状態が徐々に生じてくる。オーバーフィッティングを避けるためには、複雑さ(例えば推計式の変数の数)に対してペナルティを与えるような評価方式をとることで、複雑さと適合度の間のバランスを取ることが必要である。
この他にも、ネットワーク上のデータ伝送において確実性と遅延の間のバランスをどうとるか(遅れるよりやらない方がまし)、メモリーに保存されるデータ量と処理のスピード(忘れることにも意味がある)といったことが、本書を読むとわかる。
また、全ての可能性をしらみつぶしに調べることが難しい場合には、プロセスにある程度のランダム性を含めることで、最適な答えにたどり着く可能性を高めることができ、完璧ではないまでも十分に適切な答えにたどり着くことができる。
このような発想は、コンピューターの限られた計算能力の中で答えを導き出したりシステムを動かしたりしていくために考えられた、アルゴリズムの知恵と言えるものである。このようなアルゴリズムの考え方を知ることで、問題の解き方だけではなく、問題への向き合い方についても新しい視野を持つことができる。
数学的な内容を通じて柔らかい発想や多面的な視点を与えてくれる、面白い本だった。 -
2025.12.19 社内読書部で紹介を受ける。
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●2025年11月24日、メルカリで見つけた。メルカリでファスト&スローとの併売で「リスク・リテラシーが身につく統計的思考法」を知って、メルカリで単品出品されてないか?タイトルで検索かけたら、この本と2冊セットで売ってるのを見つけた。
「リスク・リテラシーが身につく統計的思考法」「アルゴリズム思考術問題解決の最強ツール」の2冊セットで999円。 -
感想
- 計算機工学的なアルゴリズムを主軸に、学際的で多様なテーマを扱っていてとても良かった
- テーマに沿った引用がたくさん盛り込まれていてだんだんとクセになる
- 手持ちのアルゴリズムを増やし、現実の問題を手持ちのアルゴリズムがうまく当てはめられるようにモデル化すること、そして緩和や乱択などの妥協も加えてうまく折り合いをつけていくのが大事だと思った
- 深掘りしたいテーマが多くて積読が増えそうなのが欠点
章別
1. はじめに
* アルゴリズムもコンピュータも情報数学も認知科学も行動経済学も心理学も興味がありながらこの本をずっと積んでいた理由がわからない
2. 最適停止
* 1/e = 0.368
* ちゃんと動的計画を組んで確かめておきたい
* 秘書問題を広めたとされるメリル・フラッド、どうやら重要人物らしい
* 結婚相手探しに適用するに際し、断られる可能性や不安と後戻り可否によってバリエーションが生まれる
* 典型的な無情報ゲームと比べ、候補者の相対位置を把握できるような完全情報ゲームでは閾値設定により勝率を上げられる
* 相手の収入のパーセント順位を評価軸に設定すれば結婚相手探しに勝ちやすい、ロマンの欠片もない
* 待機コストを考慮に入れた不動産売却問題
* このシチュエーションにおいては探索にコストを払っているので後ろを振り返る意味がない
* 駐車は最適停止問題の中でもとくに難しく、重要度も高い
* 泥棒問題で引き際を見極める
* サンクトペテルブルクのパラドックスみたいな話にもつながる
* 「時間の流れがすべての意思決定を最適停止へと変える」、美しい結論だ
* 様々なケースの最適化問題を考えながら、現実問題をモデル化することの難しさに触れ、その難しさの主要因たる時間コストこそがあらゆる決定を最適停止問題に仕立てていることに気づく
* 時間の不可逆性、エントロピー増大方向に時間の矢が進むことが最適停止問題を面白くしているのである
3. 探索と活用
* カジノで勝てそうなスロットマシンを探す多腕バンディット問題
* あまりの難しさゆえ、WW2の間にこれを解決しようとするも、代わりに「究極の知的妨害行為」としてドイツに投下することさえ検討された
* 時間の経過とともに、探索の価値は低減し、活用の価値は増大する
* 引っ越す前には馴染みの店に通い、引っ越した先では新しい店を開拓しがち
* 逆に、シリーズものが増え完全新作が減ってきた映画産業は、活用を重視する守りの戦略を取っていることから終わりが近いと考えることもできる
* 引き際が重要だったり情報が得られる場合に結果から逆算できたりする点に最適停止との類似が見られる
* ユニリーバの臨床試験問題
* 複数の選択肢でそれぞれ利得の生じる確率が異なり、探索に費用/時間や労力といったコストが生じる
* 時間による「割引」は超重要概念
* ギッティンズは幾何級数的割引を想定
* 毎日1%の確率で死ぬ可能性のある人にとって、明日の食事は今日の食事の99%の価値しかない
* 多腕バンディット問題とギッティンズの定理、どうやらめちゃくちゃAIへの応用がある
* 「探索で得た成果を活用する機会がある場合、ギッティンズ指数は未知のものを選ぶべきとする厳密で明確な根拠となる」
* 割引率10%の仮定において、9勝6敗のマシンよりも1勝1敗のマシンを選ぶべきであり、0勝0敗のマシンは勝率70%とわかっているマシンよりも魅力的である
* 序盤の探索ボーナスは凄まじい
* しかしながら、割引が幾何級数に則り、選択肢切り替えのコストを考慮しなくても良い問題は現実にそう多くない
* 後悔を最小化するUCBアルゴリズム
* ギッティンズ指数よりも計算が軽く、割引のフィッティングも考慮しなくて良い
* 悪名高きA/Bテスト
* 医学が統計学を受け入れるまでの苦難についてもう少し深掘りしたくなった
* 最適停止は早まりがち、探索はやりすぎがち
* 探索段階では利得が得られないが、利得を気にせず初期の探索に集中するために幼児期があるという考え方、ちょっと面白い
* 人は自分の余命を考慮して探索期と活用期を判断している
4. ソート
* 圧倒的花形テーマ
* IBMはホレリスのソーティングマシンにルーツをもつ
* 最良、平均、最悪の評価
* ランダウの記号、Ordnungの頭文字をとったビッグO記法
* 好きな時間は定数時間
* バブルソートにはオバマも苦笑い
* Divide and Conquer
* ソートと検索のトレードオフ、挿入もそう
* スポーツとソートの話面白い
* そもそもエンタメに効率性を求めていない説
* ノイズの存在を考慮すると、冗長性が頑健性になるという
* リーグ戦とは、ノイズに対して最も高いロバストネスを誇る比較数え上げソートそのものである
* 線形対数時間の戦いではなく定数時間の競争を
5. キャッシュ
* FIFO, LRU, LFU
* 結局Command+Tabだよなと考えていたら出てきた
* 最強のキャッシングであるLRUを図書館に導入すべきという主張
* 今日のコンピュータプロセッサの動作クロックは光ですらも数センチしか動けないような周期を持っている、改めて考えるとすごい
* Amazonは配送システムにおいても物理的CDNを実装している
* 書類のファイリングは、使ったものを一番上に積んで戻す野口式ファイリングが数学的に見て最良のアルゴリズムである
* エビングハウスの記憶データもニューヨーク・タイムズの見出し語観測結果も同じ統計的曲線に従っているように見える
* 加齢に伴う認知機能の低下は、処理能力の低下ではなくストレージがパンパンになり検索が難しくなっているだけ、という仮説
6. スケジューリング
* 世に溢れるスケジューリング関連書籍がどれもこれも好き勝手な主張をしているの面白い
* 洗濯と乾燥のスケジューリングに関するジョンソン法はシンプルな貪欲法が最適解となる良い事例
* 評価基準が違えば最適なスケジューリング戦略も変わってくる
* スマートフォンの通知バッジは重みを無視した件数だけを表示することでユーザーに誤ったスケジューリング戦略を取らせている
* 完璧な予知ができても完璧なスケジューリングができるとは限らず、先行き不透明な状況で柔軟な対応を行う方がその条件下での最善手を簡単に求められる場合がある
* 「スケジューリングを行なっている機械とスケジューリングされている機械が同一」という問題、工数を見積もるための工数を積みたかったりリマインダーの登録や整理にかえって時間がかかったり、心当たりがありすぎる
* 割り込み軽減のためのラウンドロビン
* メモアプリを開いたまま読書に集中していたかと思えば、急にカーソル操作や文字入力が始まる、気まぐれなユーザーに振り回されるコンピュータの苦労を感じた
* 許容される限界ギリギリまで応答性を下げることでスループットを最大化するの、よくやっている気がする
* ドナルド・クヌースの低コンテキストスイッチライフスタイル、面白い
* iPhoneの集中モードを活用しよう
7. ベイズの法則
* 標本調査による後ろ向きの推論から、ベイズによる尤度を用いた前向きの推論が生まれ、期待値によって体系化したラプラス、という流れを理解した
* ベイズもラプラスも聖職の道にありながら数学へ目覚めたということ、そして二つを両立したベイズと完全に神学を捨てたラプラスの対比も面白い
* ラプラスの法則, p=(w+1)/(n+2)
* よっぽど日はまた昇る
* ゴットのコペルニクス原理、一見ジョークのようだがたしかに確率分布によってはそこそこ適用できそう
* 単に「無情報事前確率にベイズの定理を適用した」だけだった
* 正規分布と冪分布、あるいはアーラン分布を見極めるゲーム
* 冪、正規、アーランのそれぞれに対してベイズを適用した最適な予想は乗法、平均、加法となる
* 結局、多くのケースにおいては演繹的な論理ではなく帰納的な観測結果でしか分布モデルを判断できなそうなのが辛い
* スモールデータによる直感とは、ビッグデータによる学習を済ませた予測モデルである
* マシュマロテストとその後のSAT点数の追跡調査についてのよく聞く話について、誘惑に抗う力とは意志の強さだけでなく期待の問題でもあるという視点に立つことで、大人に裏切られる経験をした子どもは期待しなくなることでマシュマロも我慢せずに食べてしまうし将来的に成功しにくくなるという残酷な示唆が得られる
* ヒトも他の動物も、自然に起きる事象から事前確率の情報を蓄積していくが、情報の記録技術が発展した現代においてはセンセーショナルな事象に関して見聞きする頻度と実際に発生する確率との間にズレが生じることで、現代人の予測モデルは性能が低下しているという仮説
8. オーバーフィッティング
* ダーウィンが自らの日記に残した結婚のプロコン表に象徴される道徳的代数学は、機械学習研究の時代にはマッチしない
* グラフのフィッティングは単に多項式の次数を上げれば良いというものではない、全ての理工系学生が実験科目で経験している説
* 高次数はノイズに弱い
* オーバーフィッティングが生じないようにインセンティブやKPIを設定することの難しさについて
* 訓練の瘢痕、「亡くなった警官が手に空薬莢を持っていた」、「警察官が何も考えずに襲撃者の手から銃を奪い取ると、やはり何も考えずにそれを襲撃者にすぐさま返した」という例
* クロス確認が重要、機械学習の初級すぎる
* 複雑さにペナルティを与える、宇宙科学に続き再びオッカムの剃刀が登場
* 複雑さに対するペナルティの実装として、最小二乗法によるLassoアルゴリズムがある
* ヒューリスティックに従うことも有効
* 生物の身体構造の変化が時間に対してゆっくり起きることが、急激な環境変化に対するオーバーフィッティングを防ぎ、未知の変化に対する頑健性を担っている
* 脊椎動物に見られる神経系の交差、どうやら高校生物でも習うらしい
* 急激に変わりゆく社会で生き残るのは保守主義かもしれない、という示唆
* 早期打ち切りによりオーバーフィッティングを回避する
* ダーウィンの日記に残されたプロコン表は、ページの中に収めるという制約を設けることで正則化ができている
9. 緩和性
* タンパク鎖へのアミノ酸挿入問題から着想を得て結婚式ゲストの席順について局所最適を得る冒頭の話、SFとしての完成度が高い
* 巡回セールスマン問題について制約緩和により得られる最小全域木
* 離散最適化問題を緩和して連続最適化問題として考える手法
* 制約違反を許容する代わりにペナルティを加味するラグランジュ緩和
* 妥協は大事
10. ランダム性
* 決定論的アルゴリズムが見つからなくても諦めなくて良い、乱択アルゴリズムがある
* ミラー=ラビン素数判定法とブルームフィルタ
* 山登り法とか焼きなまし法とか、ヒューリスティックとか数理最適化ちょっと分かるようになりたさある
* 物理学からのアナロジーとして焼きなまし法が数理最適化に用いられるようになる流れ、良い
* 機械工学徒アナロジー好きがち
* セレンディピティはスリランカのかつての呼称であるセレンディップに由来
11. ネットワーキング
* 電話の回線交換と比べて、はるかに短時間で行われるパケット交換
* パケット交換の目的は帯域幅の有効活用だけでなく核攻撃にも耐えうる頑健性の実現でもあった
* 回線交換とパケット交換の信頼性は、いずれもネットワークサイズの拡大に伴って指数関数的に変化する—ただし、回線交換では減少、パケット交換では増加する
* 大抵の場合TCPを使うインターネット通信において、リアルタイム音声通信では例外的にこれを使わない、なぜなら人間の会話の中で自然に確認応答とパケットロスの再送信が行われるためである
* Exponential Backoffは日常の中でも使えるシーンが多そう
* 加法的増加・乗法的減少によるTCPのノコギリ波形をUp or Outに代わって人事システムに導入すべきという話
* 相槌のもつ言語学的な意味と情報通信における確認応答パケットのアナロジー、面白そうだし会話の0.2秒を言語学したくなった
12. ゲーム理論
* ゲーム理論は語用論だ
* 俺はお前が俺を見たのを見たぞ
* 二人ゲームでは必ずナッシュ均衡が存在する
* アルゴリズム的ゲーム理論では均衡に至るまでの過程とその計算量を扱う
* 囚人のジレンマや交通渋滞における無秩序状態
* 「途上国がせっせと化石燃料を燃やす裏で先進国がGXに必死になっても無駄」という主張、共有地の悲劇
* 安全保障のジレンマの話でもあるな
* 抜け駆けに重いペナルティを課すことで不満足な均衡をなくす、逆ゲーム理論/メカニカルデザイン
* 逆に利得を増やすのでは均衡が変わらない
* セコイア林の飽くなき軍拡競争
* 情報カスケードで簡単に世の中が悪くなる例を見ると、自由市場経済なんて碌なものじゃないように思えてくる
* ヴィックリー・オークション、本当にうまくいくのか実例を見たい
* 顕示原理、代理人にゲームを任せるという仮定で証明することも含めて面白い
* 正直戦略による美しい設計の実例を調べたくなった
13. 結論
* 現実の問題に対する適切なモデリングとアルゴリズム選定が大事 -
人は探索と実行を行っており、若い時は新しいことを探索することを躊躇わないが、歳をとるとこれまで探索してきた経験や残りの時間を考えて、今までで1番良かったことをもう一度実行するようになるらしい。
引越し直後は新しい店を探索して入ることに躊躇しないがが、次の引越しをする直前は新しい店を探して入るよりは、今まで食べて美味しかった店にもう一度行こうとするのと同じことだと書いてて納得。-
キャッシュの話。
サイズと速度は等価交換である。例えば図書館の大きさが大きくなれば、本を探す速度は遅くなる。クローゼット等も同じ。
整理整頓...キャッシュの話。
サイズと速度は等価交換である。例えば図書館の大きさが大きくなれば、本を探す速度は遅くなる。クローゼット等も同じ。
整理整頓できていれば、早くすることもできる。
最速は最長未使用法を使うべき。
使ったものを近くに置いておくことが、整理できていないように見えるが、効率は良いらしい。
また、人間の記憶に関しても、忘れるのはサイズと速度を守るためなのではないかと言われている。無限に溜め込むことができる知識では、サイズが大きくなりすぎて必要な言葉を選ぶ時間がかかりすぎてしまうようになる。
また、老いていくごとに言葉が出づらくなるのは記憶の量が増えて知識を選ぶ時間がかかっtいるから。早い人は整理整頓が上手いからと解釈する。2024/03/25
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数理最適化やアルゴリズム本をいくつか読んできた中での位置付けとしては、数式をあまり用いず広く浅くアルゴリズムの話題を扱った本という印象。
最適停止問題と37%ルール、探索、ソート、キャッシュ、スケジューリング、ベイズの法則、オーバーフィッティング、緩和法、ランダム性、ネットワーキング、ゲーム理論。キャッシュのところでハンガーラックは結婚生活にも役立つというのは面白かった。スケジューリングからマルチタスク、マルチスレッド、スラッシングへの話の展開など興味深かった。ベイズの法則、アーラン分布。オーバーフィッティングと正則化での対応は機械学習・深層学習の文脈ではよく登場するので馴染み深かった。ラグランジュ緩和法。ネットワーキングのALOHAネットからの指数バックオフや加法的増加・乗法的減少の話が知れて良かった。 -
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・部屋探しの最適停止は、かける時間の37%は基準作りに時間をかけ(決して契約しない)、その後、基準をこえる部屋が現れたら契約する。これは、「証明」されている。
・その他、目次を見たら面白そう。英書ならではのうわすべった言い回しはあるけど。
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●読むこと
読書をしてきた人なら知っている岐路に私も到達した。この世で与えられた時間に限りがあるなかで、新しい本をもっと読むべきか、あるいはあのむなしい消費 ーむなしいというのは終わりがないからだー をやめて、かつて最も強烈な楽しみを与えてくれた本を読み返すべきか。
リディア・デイヴィス
●最適停止
秘書問題
37パーセントルール
37パーセント以降は、それまでに面接したどの応募者よりも優秀な人材が現れたところですかさず跳ぶべきなのだ。
応募者からランダムに一人を選ぶとすると、100人なら1%、100万人なら0.1%
秘書問題では確率が変わらない。最適な時点で「見る」のをやめれば、100人の応募者から最適な人材を選び出せる確率は37%、100万人の場合もかわらない。
最良の人材を見つけられない可能性のほうが高いのは確かだが、膨大な選択肢を前にしたときには、その数がどれほど多くても、最適停止が最良の防御策となる。
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まだ読み始めなんですが、単純に訳文が読みにくくないですか?内容が入ってこない。
原版を買って辞書を適宜引いて読んだ方がよほど良かったなと既に後悔。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/765432 -
コンピュータ技術を使って物事を解決するための仕組み(アルゴリズム)を解説している。すぐに実践できるライフハックを紹介しているのではなく、各種ライフハックの根底にある仕組みを一般向けに解説している。最適停止問題や多腕バンディット問題、ソート、スケジューリング、オーバーフィッティング、ネットワーキング、ゲーム理論など、問題解決のためのアルゴリズムについて概要を説明している。幅広い範囲を紹介したかったのだろうが、個人的には、範囲が広すぎて、書籍としてまとまっていないような気がした。著者の主張が見えてこなかったのが少し残念なところである。
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難解でした
思考に一役かいそう? -
文庫本で約500頁の大著である。飛び飛びに読んだので読了に時間がかかった。「アルゴリズム」と言えば、一般にはコンピューター関連用語として認識され、文系には敬遠されやすいが、広い意味では「問題解決の手順」ということなので、一般の生活に関連する問題にも適用され得ることだ。本書にはその解決策が事例とともに何十と掲出されていて、それぞれに興味深い。ただ、あまりにも数が多いので、まず通読し、その後何かの問題に突き当たった時に、この本の該当項目を参照するのが有効な使い方ではないかと思う。この分野は行動経済学とも関連し、まだまだ発展途上にある。更なる研究成果を期待したい。
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様々な分野の理論などを使い、身の回りの問題への学術的な解決策を紹介している。
単なるハックではなく、理論に裏打ちされており、かつ、解けない問題というものがあるということも示してくれる。
この本をきっかけに、興味ある分野は実際の専門書を読んでいくのがよいと思う。 -
「楽天」という根拠のない性質が、アルゴリズム的に根拠を与えられたことが、小気味よい。
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一つ得た確かな教訓。あるアルゴリズムを深く追求すればするほどに、現実からは遠ざかっていく。
これって、AIと人間との本質的な違いを如実に表していて、とても面白いと思った。
シンギュラリティとか言われているけれど、今のところ、軍配は完全に人間に上がる。シンギュラリティがいつか来るという前提を、まずは完全廃棄すべき。
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ゲーム理論の章において、終わりのない忖度よりも、けっきょく自身の感覚に重きをおく、あるいは正直であることが、最適解を導き出すという締め括り。おおいに満足。
著者プロフィール
ブライアン・クリスチャンの作品
