それはあくまで偶然です 運と迷信の統計学 (ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

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  • 早川書房 (2022年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784150505929

作品紹介・あらすじ

科学視点で「運/不運」を見れば、運命的な出逢いもランダム性が生みだした偶然に過ぎない? 統計学者がユーモアたっぷりに語る

感想・レビュー・書評

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  • 生きていれば運が良かったとかついてなかったとかいう経験を何度もすることだろう。この本は、そんな運について因果関係を持たせることが可能かということを、運が良かった人の実際の話、宝くじ、占星術、運にまつわることわざといった例をたくさんあげて、一つずつ解説していく。

    人は出来事に対して物語を欲してしまうのだ。それが神を生み、救われることもあれば、争いになってしまうこともある。しかし、科学には物語など必要なくて、出来事はただ起こるだけなのだ。それでももしかしたらと神頼みをしてしまう自分がいる。

  • 人間は「魔法」「運命」といった超自然的な現象を信じたがるが、冷静に分析するとなんの変哲もないただの偶然であるということを教えてくれる。

    第6章「射撃手の運の罠」で説明される、陥りがちな偶然の運の罠が、世の中で起きる多くの奇跡や幸運を説明する手がかりとなる。

    ポイントは、自分にそれが起きればとてもラッキーだが、ランダムな誰かに起きる確率は結構高いという点。

    宝くじの高額当選を夢見たり、偶然の出来事に意味を見出すことは社会を生きる上での潤滑油になり得るが、医学の分野や、命に関わる情報に老いては統計的な視点を持ち、冷静な判断をしたい。

  • いや、率直に面白かったです。

    統計学の話と聞くと、数式とか数字が出てきてめっちゃ小難しい話と思われがちですが、この本では、そのような事よりも、実際の生活での出来事を統計学の考え方を下に説明するので、“小難しくてわからない”という事はありません。

    でもね、宝くじの期待値が、競馬よりも低いことはわかったうえで、夢を買っているんですよとは主張したいwww

  • 賭けごとの必勝法、占い、日常のささいな物事に見出す不吉な予兆…そこに「意味のある」理由は存在するのか? ランダム性にあふれた世界の諸事象を読み解き、思考の罠を回避するためのリテラシーをユーモアを込めて説く。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40296386

  • 統計学者である筆者が、カルマや宿命、運命、魔法等、偶然起きた出来事に特別な意味があると思いたい、過度な解釈を加えてしまう人間の性に対し、著書の題名通り、それはあくまで偶然ということを、サプライズな出会い、宝くじ、占星術、超感覚的知覚等様々な身近な例を挙げて、統計的な分析と、運の罠を取り上げることで明らかにしていく。人生の面白みや楽しみは半減してしまうが、ただの偶然である可能性と運の罠を理解した上で、起きた出来事や情報に対する正しい判断ができるようにする為にも、知っておくべき内容だと思う。

  • KNOCK ON WOOD: Luck, Chance, and the Meaning of Everything
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014736/

  • つまりは、宝くじに当たるのも人生真っ当に寿命を果たすのも、結局は偶然ということなんだろうな。こうすれば当たるかも、こうすれば悪いことは怒らないかも、という日常は楽しさもあるし安堵感もあるけれど、100%の保証はないわけで。
    まぁ、色々な本をこれまでもこれからも読んできたし読んでいくのだろうけれど、日々が満たされた状況は幸せだろうけれど、もう読みたい本がないという状況はやはり自分にとっては不幸なのだが、それでもやはり満たされた日々を過ごしている偶然に、恵まれたいものだな。

  • 運や迷信,運命を信じたがる人たちの事例集といったところか.事例がずらずら続き,話が深く発展しないので飽きてしまって途中で投了.

    読んでいて,思ったのは西洋の方がこういうことに囚われやすいのではないかということ.預言を成就し,運命に従って死んでいった人が広めた宗教の影響が強いのではないか.「大学教授のように小説を読む方法」を読んだときも西洋の小説において聖書の深い影響を感じざるを得なかったけれど,これが社会のいろいろなところに顔をだしているということか.

  • タイトルが本書のすべてを表している。
    宝くじなどのギャンブルや、傍から見ると運命とか奇跡としか思えないような出来事について、それらの事象は果たして「偶然」なのか、はたまた何かしらの作為(神の手を含めたもの)が介在した「必然」なのかを、確率や統計学の観点から判定し、結論からいうとほとんどの事象は「偶然」として説明できる、というのが本書の大まかな内容である。
    結論が最初から分かっているので、新鮮な驚きを得ることはあまり無く、人間がなぜ「偶然」を否定し「必然」を欲するのかの説明も44ページ目で早くも述べられている。一部の判定で使用される「統計的に有意か否か」および「P値」についても12章で軽く説明されているくらい。なので知識を得ることを目的にして本書を読むと、あれれと肩透かしを食らうかもしれない。
    では本書の読みどころはというと、400ページにわたって挙げられている様々な事象を、ユーモアと皮肉たっぷりに著者が解説するさまを味わう点にあると思う。冗長と言ってしまえばそれまでなんだけど、よくもまあこれだけのネタを手を変え品を変え、うまいこと料理したもんだなあと個人的には感心した。

  • 珍しい出来事を体験したり見聞きしたりしたとき、それはただの偶然、運不運ではなく、神の意思、悪魔の仕業、宿命、呪い、魔法などといった不思議な力が作用した結果に違いないと考える人が、世の中には大勢いるらしい。世界には何十億もの人がいるのだから、長い目で見れば、非常に稀なことがいつか誰かに偶然起きることがあっても、確率的、統計的には不思議はないと説明されても、例えばそれがよりによって自分に起きたのはなぜかと問いたくなるのは、因果関係を理解し、それを探求する能力を備えた存在としてはやむを得ないことなのかもしれない。ただの偶然に特別な意味を見出すことにつながる運の罠は、「ファクトフルネス」に書いてあった「10の思い込み」に通じるところがある。石田基広監修・解説、柴田裕之訳。二〇二二年八月十五日発行。定価(本体1360円+税)。単行本は、2021年4月25日付け読売新聞書評欄。

  • いや素晴らしい。統計学は難しいという印象しかなかったが、この本に出会えて良かった。筆者は筋金入りの無神論者で合理主義で、多才であらゆる面を統計学に昇華させて執筆した印象を受ける。読みやすいのはそのせいではないか。「私たちは、自分の不運には特別な意味がないと悟ることができれば、その不運について自分を責めることをやめられるかもしれない。」(p206) ある種の人たちの助けになる一冊だと思える。一つ気になったのは訳のせいか分からないが、女性の方が迷信を信じやすいという印象を持っているのかもしれない。

  • 偶然とランダム性についてとてもわかり易くユーモアに説明されている。面白い

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