- 早川書房 (2024年1月22日発売)
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感想 : 16件
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784150506070
作品紹介・あらすじ
クリストファー・ノーラン監督最新作『Oppenheimer』原作
「オッペンハイマーという誰よりもドラマティックな人生を歩んだ男の脳内に入り、彼の物語を描くことによって、観客のみなさんに彼の人生を追体験してもらいたかった」――クリストファー・ノーラン
2006年ピュリッツァー賞受賞作
「原爆の父」と呼ばれた一人の天才物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問う。全米で絶賛された傑作評伝、待望の文庫化。
詩や哲学にも造詣が
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
一人の天才物理学者の生涯を通じて、人類にとっての国家、科学、平和の意味を深く問いかける作品です。オッペンハイマーは原爆の開発に尽力しながらも、その後の人生では核の国際管理を提唱し、戦争のない未来を願っ...
感想・レビュー・書評
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被爆国の者として、興味深く読んだ。
原爆について、オッペンハイマーが中心ではあったものの、時代の大きな流れがあったことがよくわかる。
原作通りなのか、翻訳がやや不親切なのかわからないが、引用された言葉がどういう意味を持つのか分かりづらいところが多々あったのは残念。
引用された言葉 -
下巻はマッカーシズムの恐怖に陥るアメリカで、ついにオッペンハイマーが告発され聴聞委員会に呼ばれる。
オッペンハイマーの水爆開発の拒否や、共産主義に傾倒した女性との恋愛など、それ自体は今でこそ決して批判されるようなものではない。だが、当事のアメリカの共産主義への集団パラノイアの前では、全てが罪である。水爆開発の拒否はアメリカとソ連の核開発競争を遅らせる目的であり、たまたま共産主義に傾倒する女性と付き合ったなんてことはありえない。それは、ソ連との繋がりがあったのでは、と見られるのだ。
何年もFBIの違法盗聴にさらされていながら、共産主義との繋がりなどほとんど掴むことが出来なかったのにもかかわらず、半ば罪をでっち上げるような形で共産主義への繋がりを作られる。
そのようなオッペンハイマーへの追及は、AEC(原子力委員会)委員長のルイス・ストローズの私怨が大分混じってるように見えた。
このノンフィクションは中巻がピークなのかと思っていたのだが、下巻が一番面白かった。
オッペンハイマーを擁護する友人たちとのやり取りも美しく、こんな友人たちがいたというだけでも随分助けになっただろうな、と。
またアルコール中毒で、気分の浮き沈みが激しいが支え続けてくれた妻キティの関係も感慨深かった。読んでいると2人は傷付けあってるだけにも見えるのだが、ちゃんと愛で繋がっていたのだな、と。
ただこんな両親を持った子どもたちには同情するが……笑
第96回アカデミー賞でオッペンハイマーを演じ主演男優賞を獲得したキリアン・マーフィーが「私たちは、原爆を作った男についての映画を作りました。そして、良くも悪くも、私たちは皆、オッペンハイマーの世界に生きています。だからこの賞を、平和を築く世界中の人々にささげます」とスピーチした。
冷戦は終わり、米ソの全面核戦争の可能性は低くなった。冷戦時代には米ソだけで7万発もあった核弾頭も2023年には12520発まで減少し、今も減り続けている。
だがアメリカとロシア以外で核配備する国は増えており、核が使われるリスクは上がってるらしい。
核兵器を使わないという選択が、より危ういバランスで成り立つ世界。そんな世界に生きる我々は今一度、よく考えないといけないと、このスピーチを聞いて思った。
映画自体への楽しみももちろんあるのだが、この原作を読んで唯一の被爆国に住む日本人として、核兵器について、原子力について、もう一度よく考える必要があるよなと思った。 -
非凡という言葉では言い表せないほどの科学者でありながら、他の全ての人と何ら変わらないひとりの人間であり、かなり繊細な人で、物事を常に大局的に見ていたという印象が強く残っている。
アメリカのため原子爆弾の完成に尽力した反面、国からは共産主義者かそれに近いシンパと疑われ厳しい監視や盗聴に遭い、戦後は核の国際管理を提案し奔走するもついに公職から追放されてしまうというのはかなり心苦しい。戦争がなくなることをひとえに願った彼が変えた世界は今も続く。まずはその願いを受け継いでいくことが何より大事だと強く思う。 -
だいぶ前に映画見てからものすごく読みたい気持ち、を抑えて来て、図書館でようやく順番待って読み終えました。
これは、映画見る前に読んでおきたかったなぁ。
54歳の、疲れて、病気がちになったロバートの下りを読んだときに、この方の人生は果たして幸せだったんだろうかと考えざるをえませんでした。
海に沈んでいく壺。そして、ほどなく撒かれた奥様の骨・・
1960年に来日されていますがどんな想いで訪問に至ったのか気になります。
アメリカという国家を考える時、いま公開されている映画も気になりますが、この原爆の父を苛んだ当時の政治的な背景は、もっと多くの方に届いてほしいと思いました。
映画、また見たいな。 -
2024I055 289.3/Bi3
配架書架:C3 -
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酷い争いをする国 アメリカ
膨大な事実なのに 人物像が浮かんでこない
カイ・バードの作品
