私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか (ハヤカワ文庫NF)
- 早川書房 (2025年1月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784150506148
作品紹介・あらすじ
2024年5月に98歳で亡くなり、『アッシャー家の惨劇』など数々の低予算映画を成功させてきたコーマンが撮影手法と人生哲学を語る
感想・レビュー・書評
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B級映画、そして低予算のインディペンデント映画の王であるロジャー・コーマンの伝説的自伝。
その中身は内容はタイトルが示している通り。
映画はエンターテイメントでありアートでもあるが、当然ビジネスでもある。莫大なお金が動くため、1回の失敗で映画製作会社が潰れることもままある。そんな映画の世界でロジャー・コーマンは100本以上の作品を作り上げ、そして10セントも損をしなかった。それは驚くべきことである。
低予算が故にキャストやスタッフに最低限のギャランティ。しかし、情熱とやる気がある人間にはチャンスを与える。
ジャック・ニコルソン、ピーター・ボグダノヴィッチ、ジョー・ダンテ、フランシス・フォード・コッポラ、ジョナサン・デミ、マーティン・スコセッシ、ジェームズ・キャメロン、ブルース・ダーンやピーター・フォンダ、シルヴェスター・スタローンなど錚々たるメンツがロジャー・コーマンの映画に関わってきている。
箱を開けてみたら何だそんなことかと思うかもしれないが、儲けが出るようになってもそのスタンスを崩さず大量の映画を作り上げ続けた。
何なら儲けが出てからは、外国映画の配給にも精力的に手を出していくなど、その功績は計り知れない。
本作はそんなロジャー・コーマンの驚くべき、そしてめちゃくちゃな人生が語られていく。
600ページもある本にも関わらず、語られていく出来事が面白すぎてあっという間に読んでしまった。
ロジャー・コーマンは2024年に98歳でその生涯の幕を閉じた。その生涯で作られた作品数は監督作は50本以上、製作、製作総指揮は500本に及ぶのだとか。
恐るべき数だ。恐らくこんな映画製作者は今後出てくることはないだろう。 -
映画制作の学び
- 映画がどのように作られるかを学ぶことが重要。
- 映画制作において、単に待つのではなく、積極的にチャンスを求める姿勢が強調されている。
競争と役割
- 映画業界では、メッセンジャーとしての経験から、プロデューサーや脚本家としての役割を求める競争がある。
- 映画業界に入った時から短距離走者としてのアプローチを選択。
就職と初期の経験
- フォックスでのメッセンジャーとしての仕事を通じて、映画業界への第一歩を踏み出す。
- 無報酬での実習を経て、脚本部に就職し、ストーリー・アナリストとしての役割を得る。
脚本の評価と成長
- 様々な脚本を読み、評価を行う中で、特に劣った作品が多かったことに言及。
- 優れた脚本を発見し、映画化に向けた提案を行うことで、実績を積む。
初監督と制作の挑戦
- 初監督作品『早射ち女拳銃』では、大雨による撮影の苦労を経験。
- 効率的な撮影手法を模索する中で、俳優への負担を考慮し、通常の撮影方法へ戻る。
映画のテーマとスタイル
- ゴシック・ホラーをテーマにした映画制作に取り組む。
- エドガー・アラン・ポーの作品を基にしたシリーズを制作し、心理学や恐怖の関係に触れる。
作品の商業的成功
- 低予算で制作したコメディ映画が短期間での成功を収める。
- 作品の質を向上させるための脚本や役者の選定にこだわり、長期的なビジョンを持つ。
反体制的な視点
- ベトナム戦争を背景に、反体制的な作品を制作。
- 業界の保守的な側面とカウンターカルチャーの間での葛藤を描く。
インディペンデント映画の拡大
- 映画制作の新たな形態として、インディペンデント映画へのシフトを試みる。
- ニュー・ワールド社の設立を通じて、新しい映画制作の道を切り開く。
経済的な挑戦と成長
- 会社の成長に伴う経済的な挑戦や資金調達の方法について言及。
- 大規模な制作と株式公開のリスクを避ける姿勢を示す。
