予告殺人 (ハヤカワミステリ文庫)

  • 早川書房 (1976年6月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150700072

みんなの感想まとめ

人間関係が希薄な田舎町で発生した殺人予告が引き起こす緊迫した状況が描かれています。冗談のような始まりから、好奇心に駆られた住民たちが集まる様子は、まるでコントのような可笑しさを醸し出しつつ、次第に本当...

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦後、人間関係が希薄になっている田舎町のローカル紙に、殺人予告の広告が?という冗談か本気か分からないオープニングにびっくり! さらに、好奇心に駆られて何気ないふりをして集まったご近所さんたちの微妙な空気のやりとりがコントのような可笑しさで、そこ全く空気を読まないバンチがやって来て、あまりにもあからさまな発言で場を凍らせます。笑った! 喜劇と思われたその場が本当に殺人の現場になるという急展開!
    ミス・マープルは序盤から探偵として登場して、名推理とまさかの特技で犯人を追い詰めます。
    真相は、悲しい。殺したくなかったと、犯人は嘆き泣き崩れますが、憐れんでなんかやらない。駄目だろ! 殺したら何を失うか、分かってたはず! 泣くくらいなら殺すなよ! 

  • #3911-156-86-332

  • ※再読後、新装版と感想を共有

    クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。
    マープルシリーズは12篇しかないという事で驚いた。もっと幾つかの作品があった様に思うが、意外にもたったの1ダースなのだ。ポアロもクリスティ財団公認で続編が発表されているが、マープルの世界観を再現できる人材があれば是非書いてみてほしいし、読み続けたいシリーズだ。
     今作、「予告殺人」はクリスティの作品の中でも好きな作品の一つだ。犯人の意外性は勿論の事、殺人を偽装する為のトリックの秀逸さ、真犯人の人生の悲しみと救い、そして今作に蔓延っているなんとも言えないドライな雰囲気。田舎で生活している登場人物達とのコントラストがとてもはっきりとしており、最後、全員で団欒の様に結末を話共有している恐ろしさは田舎特有のものだ(想像して欲しいが、三人も殺害された事件の当事者達が集まり、警察もふまえ、この時はこうだったと楽しそうに語らう様は異様な筈だが時代背景やミステリー特有のものとして誰も不思議に思わない)
    残念な事に作中でマープルが死ぬ訳がない為、彼女が失踪した部分についてはスリリングな展開ではなかったが、殺害された人物たちが第二、第三と不用意に何かを漏らしそして殺害されるのはある意味クリスティのお約束なので、受け入れてしまった。ただし、犯人からすれば証拠が増えたり自身に不利になる事は多いはずで、さらに第三の殺人についてはなんとか言い逃れできる道もあるかも知れない為、犯人も不用意だったと想像している。
     新聞の広告欄に殺人をお知らせしますとアナウンスがあり、という形で冒頭はスタートしていくが、本当にクリスティのミステリーは序盤に奇想天外に見える様な状況や環境を当ててくる事が多い(それでいて結局は単純な状況だ。)
     今作の犯人については余り犯人であって欲しくない人物だったが、巧妙に疑惑の人物を配置し、後々に登場させ、読者を混乱させた。人物の入れ替わりはクリスティ作品では当然の作用であり、驚きも無く、今作も一部人物の真相が隠されているが、一部の偽装については中盤である程度予測はできてしまった。
     僕自身の評価が高い点は序盤に述べたが、何より読みやすい事が一番だろう。古典ミステリー、しかも海外ものでは人物名、地名、設定や環境について読み慣れない部分や共感できない、そもそもわからない部分も多いが、今作はとてもすらすら読めた作品だ。

  • 端的に言うと○○○わり物。
    少し前の作品も同様だった印象。
    田舎の日常から始まり、新聞に掲載された殺人予告という異常な投書に村人が集まる展開が印象的で、なかなか衝撃的かつ読者をうならせる作品だった。

    斜め読みしているので、評価は3にしておきます。

  • 人間観察の妙  

    甘美なる死も気になるけれど、それ以上に泡立ちプディング(P.227)て何。
    他の版では訳が変わっていたりするんだろうか。

    雪山書店と嘘つきな死体から

  • 「殺人お知らせ申し上げます」…。新聞に載った広告に誘われてわリトル・パドックスに集まった人々の前に現れた男。暗闇の中で銃を撃ち、明かりがつくとその男が死んでいた。

    ミス・マープルのシリーズでも好きな作品。ドラマ版でも良かったけど、小説もヤッパリ良い。登場人物たちも個性的だし、読んでいて楽しい。

  • 訳が古くて読みにくかった。犯人は予想通り。

  • 安定のマープルさん、ドラマでみた気がしたけど結構忘れていたのでとても楽しめた。いつか原文で読んでみたい。

  • 犯人を予想しながら読むと裏切られていくのが面白い。序盤から中盤にかけてはつまらないわけではないが若干退屈な印象。

  • 新聞に殺人予告の広告を出す、という発想がすごい!誰がピップとエンマか?まさか、まさか、の楽しみがいっぱいあった。

  • 銃殺,毒殺,絞殺,(溺殺未遂)

  • ISBN無かったよこの本…

    アガサ・クリスティのマープルシリーズで、長編初出。
    いきなり別の村に出張しています。

    いやあ、面白かった。
    新聞に載った殺人予告に興味を持ってわらわら集まってきた人々は、暗転した室内で犯人と銃声を聞く。
    灯りがついて彼らが見たものは、撃たれて死んでいる犯人。うっかり転んで引き金を引いてしまったことによる自死と判断されそうなところであったが…
    集まった人々が見たものを組み上げて行くと、ちゃんと回答にたどり着く。
    無意識の中の意味のない会話に思えても、ちゃんとそこには理由がある。
    あの言葉はそういう意味だったのか、と、種明かしされてようやく気付く始末です。

  • ローカル紙《ギャゼット》の広告欄に掲載された文句に町の人々は驚いた。そこには「殺人お知らせ申し上げます。十月二十九日午後六時三十分より、リトルパドックにて、お知り合いの方のお越しをお待ちします」と書かれていたからだ。誰かの悪い冗談なのか。興味を惹かれた人々が集まる中、予告の時間を迎えると突然室内は真っ暗になり、侵入者によるホールドアップの声、そして銃声が響いた!予告通りの殺人が起きてしまい、戸惑う人々、捜査関係者。近くのホテルに滞在していたミス・マープルもこの謎解きに加わるのだが…。ショッキングなオープニングが強い印象をもたらす作品。ホールドアップの侵入者がなぜか三度目の銃声で倒れ死亡し、殺人予告の会場であり事件現場となったリトルパドックの女主人レティシア・ブラックロックも銃弾によるかすり傷を負ったが狙われる理由に何の心当たりもないという。だがブラックロックには近い将来莫大な遺産がもたらされるという状況が明らかになるにつれ、彼女をねらう動機のある者たちが浮かび上がってきて、誰かが身元を隠して変装し彼女のそばに近づいているのではないかという疑いがでてくる。ここで、昔ながらの深い近所づきあいが希薄になってきた現代風の人間関係やIDのあやふやさがポイントとなる。マープルは自分の住むセントメアリーミードの住人たちのことを思い浮かべたり、関係者を観察して独自の見方を固めていく(この推理の過程は最後にならないと明らかにされないが)。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】ローカル紙の殺人予告に端を発する事件は、最初の被害者で強盗でもあるルディー・シャーツの死が自殺か事故かでまず迷い、そうこうしているうちにレティシアの親友ドラ・バンナーが誕生日にレティシアの薬を飲んで死亡、事件時に居合わせた一人の女性が絞殺され、悲劇が続けて起こってしまう。レティシア・ブラックロックを殺せば(死ねば)遺産相続の権利があるという行方不明のピップとエンマの双子の「兄妹」が実は姉妹で、しかもそれぞれ別々にレティシアの元にもぐりこんでたのもひとつ(ふたつ)のなり済まし・変装だったうえ、さらにレティシア自身がある人物のなり済ましだったというところが二転三転する面白さ。蓋を開けてみるとほとんどが身元を偽った仮面家族だったのかぁ。レティシアを罠にかける場面でマープルが声色を真似る特技を披露している。殺人予告という奇抜なアイデアで読者の興味を掴み、次々明らかになる事実と謎の発生、人物たちの動きを、イギリスの典型的な老嬢(老猫とも作中では呼ばれている)マープルの視点を織り交ぜて追いながら、ラストの驚きの真相に導いていくという話の運びが実にうまい。個人的メモ:リトルパドックの気難しいメイド・ミッチーの作る特製ケーキ“デリシャス・デス(甘美なる死)”はチョコレートやバターがたっぷり、お砂糖と乾ぶどうが入ったケーキで、どうやらチョコレートコーティングされているらしい。作ってみようかな。(2010.4.28再読&感想記録)

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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