親指のうずき (ハヤカワ文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 早川書房 (1976年8月27日発売)
3.50
  • (1)
  • (9)
  • (12)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 106
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150700102

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久しぶりに冒険小説/本格推理小説が読みたくなり、「アガサ・クリスティ」の『親指のうずき』を読みました。

    「アガサ・クリスティ」作品は昨年の2月に読んだ『ブラック・コーヒー』以来なので久しぶりですね。

    -----story-------------
    亡くなった叔母の遺品、一幅の風景画を見た「タペンス」は奇妙な胸騒ぎをおぼえた。
    描かれている運河のそばの一軒屋に見覚えがあったのだ。
    悪い予感を裏づけるかのように、絵のもともとの所有者だった老婦人が失踪した…初老を迎えてもますます元気、冒険大好きのおしどり探偵「トミー」と「タペンス」、縦横無尽の大活躍。
    -----------------------

    おしどり探偵コンビ「トミー」と「タペンス」モノは、彼らが初登場した『秘密組織』以来ですね。

    当時、若々しかった二人が、46年の歳月を経て本作では老夫婦となって登場します。

    『秘密組織』は1922年、『親指のうずき』は1968年の発表なので、相応の歳を重ねたということなんでしょうが、ちょっと不思議な感じがしますね。


    養老院「サニー・リッジ」で亡くなった「エイダ叔母さん」の遺品の風景画を見て、「タペンス」は「見た記憶がある」と感じ、それがきっかけとなり大事件に巻き込まれていきます。

    その絵は「エイダ叔母さん」が亡くなる前に、「サニー・リッジ」に住んでいた別の老婦人「ランカスター夫人」から譲り受けた物だったのですが、「ランカスター夫人」は突然養老院を出て行ったあと、、、

    親指のうずき(予感、女の直感)に導かれ、「タペンス」は「ランカスター夫人」を探すための行動を開始します。


    若い頃と変わらず、直感に導かれるままに行動する「タペンス」… そのお節介で無謀な行動は、見て(読んで)られないくらい危なかしくって、ハラハラドキドキなのですが、不思議と彼女には見守ってあげたいような魅力があるんですよね。

    本書でも何度か引用されていますが… 臭跡を追うテリアのような「タペンス」直観力と行動力には、本当に脱帽です。


    「タペンス」のお節介が、「ランカスター夫人」誘拐?事件と大規模な組織団による強盗事件、二十年前に起きた片田舎での連続少女殺人事件の謎を解く糸口となりました。

    犯罪に関する秘密を知ったために悪党一味に誘拐されたと思っていた「ランカスター夫人」が、まさか過去の犯罪に大きく関与していたとは、、、

    本作も意外な人物が真犯人でしたねぇ。


    真相とは、あまり関係ないのですが… 遺品のテーブルの隠し引き出しを暴いたり、何度も夕食のチキンを焦がしたりと、召使いの「アルバート」もイイ味を出していたのが印象に残りました。



    最後に本書の冒頭にある献辞を紹介しておきます。

    珍しく?読者に捧げてありますね。


    本書を、世界各国から私に手紙をくださり、

    「その後、トミーとタペンスはそうしました?
    いまなにをやっています?」

    と問い合わせてこられた多数の読者に捧げます。

    この通り、トミーとタペンスもだいぶ年をとりましたが、その情熱はいささかも衰えておりません。
    皆さん、どうかよろしく。
    そしてこの二人との再会を楽しんでくださいますように。
              
     

  • トミー&タペンス。二人の子供は独立して二人暮らし。トミーのエイダ叔母さんが施設で亡くなり遺品の風景画に既視感を覚えたタペンスが解明に乗り出す。

    老境の二人だが頭は冴えてますね。匂いを嗅ぎつけるテリアとトミーに形容されるタペンス。そのテリアを愛おしむトミー、謎の核心にはけっこう都合よくたどり着くがそこがいい。

    エイダ叔母のいた施設の入居者が語った暖炉に塗りこめられた子供。既視感を頼りに探し当てた風景画にあった家。その家は左右ではなく前後に分けて貸し出されていた。前の部分の暖炉には古い人形が落ちていた。戻らぬタペンスを探すトミーは諜報関係?の旧友と合うと、その絵にからむ弁護士が実はイギリスの犯罪の裏親分で張り込みしているという。ここらへん「バートラム・ホテル」と似ている。絵、入居者、家、これらがだんだんひとつに収れんしていく様にのめりこみ、物語世界に入り込んでしまいます。

    発表時クリスティ78才。自分も老人だが同年代の老人描写が冷静。
    「お年寄りは言って見れば子供みたいなものでしてね、ただ、子供のほうがはるかに論理的で、それだけ場合によっては扱いにくいというだけで。そこへ行くとお年寄りは非論理的です。この人たちは、信じたいと思っていることを相手に言ってもらうことで、心の安堵を得たいと願っているんです。そうすればまたしばらくはしあわせでいられるというわけです」


    1968発表
    1976.8.31発行 1983.12.31第11刷 図書館

  • トミー&タペンスもの第4弾。意味深長なタイトルだけど、あんまり意味ないのねん。ええ年になった二人のお話。まあこのシリーズは謎解き少なめだからな。

  • # 赤背表紙のクリスティーを再読するプロジェクト 014

    すっかりお爺ちゃんお婆ちゃんになったトミー&タペンスが、養老院にいた叔母の死をきっかけに、面倒に首を突っ込んでしまう話。謎解きを楽しむより、年甲斐のないタペンスの冒険譚を味わうべき作品。

  • トミー&タペンスシリーズ。「あれはあなたのお子さんでしたの?」老婦人に言われた謎の言葉に刺激され、タペンスの探偵活動が開始される。
    ミステリーとしてはまあまあ。タペンスの思い出し方が自分とよく似ている。自分では意識していなかったが。アガサ・クリスティは良く人を見ている作家である。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アガサ・クリスティの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×