ポケットにライ麦を (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1976年12月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784150700171

みんなの感想まとめ

巧妙に仕掛けられた謎解きと深い人間ドラマが魅力の作品で、連続殺人事件がマザー・グースの歌に隠された暗示と共に描かれています。ミス・マープルが登場し、事件の背後に潜む歪んだ家族関係や欲望を解き明かす過程...

感想・レビュー・書評

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  • マザー・グース「sing a song of six pence」って、結構グロい歌詞ですが、その歌詞に見立てた連続殺人が! 腰元に見立てられたメイドさん、グラッディスの元雇い主として、ミス・マープルが乗り出します。ワンマン親父、男好きのする若い後妻を消すことを、歪んだ家族の誰かが仕組んだのか? そして、故レックスが過去に手がけた金鉱・つぐみ(black bird)鉱山との関わりは?
    ラストに、遅れて届いた手紙が、ミス・マープルの推理を立証し、犯人を追い詰める確信を与えます。でも、冷酷な犯人に、憤り、ミス・マープルは涙をこぼします。シリーズの中で初めてなので、衝撃を受けました。判断力というか正しく疑う力が弱い人を利用して、自分の身勝手な欲望を満たす、このえげつない犯罪は、許せない。現代でも跡を絶たないのは悲しいことです。

  • ミス・マープルもの。
    投資信託会社社長が急死。そのポケットには何故かライ麦が詰め込まれていて・・。
    マザーグースの唄に見立てた連続殺人の謎を、ミス・マープルが解き明かします。
    一見、編み物をしながら世間話をしているだけっぽいのに、おそるべし、ミス・マープル。
    ラストの手紙が何とも切なく、そしてオチとして秀逸だと思いました。

  • アガサ・クリスティ ポケットにライ麦を 
    読了。
    古典的名著だ。とても昔に書かれたとは思えない構想だと思う。そもそもブクログにバーコードで登録できない笑
    事件から解決までの描写、犯人へ辿り着くまてまの過程、伏線。どれをとっても一流だ。
    令和の時代に出版してもなんの遜色もない。

    自分の読書の原点がアガサ・クリスティなのだが、この人の本から始まったことが今となってはとてもうれしい。いい本だ。

    追記
    とはいえ外国人の名前はどうにも覚えにくい。何度この人誰だっけ?とか女の人だったのか!が多い。みんな読む時どうしているのだろう?自分だけ?

  •  改訂版再読後、感想を共有。
     クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。マープルが積極的に事件に乗り出す作品は珍しいが、今作では彼女が以前育てたメイドが鼻を洗濯バサミでつままれて殺害されるという事に義憤を持ち、事件が起きたフォレスキュー一族の住む屋敷に乗り込んでいく。初めに殺害された人物のポケットにはライ麦が入れられており、第二、第三の殺人と立て続けに事件が起きるが第三の事件までの異様性により、全く脈絡のない様な事件に見え、警察も手を焼いている所、マープルがマザーグースの見たてでである事を見抜き、捜査が進展していく。
     マープルは安楽椅子探偵のイメージなのだが、今回は自身の知り合いの若いお手伝いへの余りにも惨い殺人の為、彼女本人が現場に乗り出す。マープルに対していつも警察は協力的で、ニール警部もマープルと会話する中で彼女の鋭さや賢さに気がつき、ある意味で協力者となり事件の捜査に助太刀される格好だ(後からマープルの噂を聞いた様で(あれだけ事件を解いていれば当然)更に協力的になっていく)
    マープルはいちいの毒がマーマレードジャムの壺に仕掛けられていた状況からとある道筋を推測し、ニールに告げる。それまで、殺されたレックスフォレスキューが過去に起こしたとある事柄について復讐心のある人物が事件の犯人と思われていたが、実は該当者は確かに存在するが殺人とは関係なく、真犯人は別に存在する事がわかる。
     マープルが出来た事は事件の推測であり、ニールはそれらに対しての事実確認と証拠集めを約束する。
     最後、この作品の最も優れている部分だが、マープル宛の手紙が間違えた住所に送られており、更に相手が不在だった為、転送に時間がかかった手紙が到着する。実は殺されたメイドがどうして良いか分からずにマープルへ手紙を書いており、メイドを唆した男と共に撮った写真も収められている。この手紙が正しく届いていればというやるせなさや、写真に写る幼い娘の表情など、なんとも言えない描写であり、当然、後味は良くないはずなのだが、マープルの推理が正しかったと証明されるものだ。
     今作は起承転結がはっきりしており、マープルが感情豊かに活躍する。登場のシーンは少なめだが、その裏で沢山の人とおしゃべりをし、彼女なりにパズルのピースを組み立て事件の真相を組み上げている。マープルシリーズのなかでも上位に入るほど好きな作品の一つだ。
     昔のイギリスの生活イメージがわかりやすく描写されている。木曜は〇〇の日の様な地域特定のお約束や行事は知らないが、ある意味で当時の生活の様子や約束事、家族の考え方についてもとても面白い描写だ。
     物悲しい作品であるが最後ぜひ華やかな気分になってほしい言われた。

  • 再読
    犯人の仕掛けがミステリならではすぎるのはともかく
    登場人物の的確な描写も構成展開も簡潔明瞭まこと要を得た見事な作品
    娯楽としてのミステリとして女王と称されるに相応しい力量

  • ミスマープルものは好きだ!犯人探しがgood!
    ニール警部の登場人物の描写も、犯人を思わせて皆怪しくなる。単純な経緯、結末、動機だけど
    アガサクリスティーすごい!

  • #赤背表紙のクリスティーを再読するプロジェクト 014

    毒殺された被害者のポケットに、麦粒が詰め込まれているというありえないシチュエーションから始まる連続殺人が、マザーグーズの唄に乗って筋道付いていく話。ミス・マープルには最高の舞台装置が整っている。

  • マープルが躾をした小間使いが残忍非道に殺され、怒りに燃えるマープルおばあちゃんが犯人を突き止める。

    マープルかっこいいなあ〜。ポアロよりマープル派です。

  • ミス・マープルの作品はあまり読まないのに、
    これは面白い、引き込まれる。

    マープルさんの登場が遅いことと、
    おしゃべり、でしゃばり感がいつもより
    少ないのが、自分にとって良かったのか。

    マザーグースの童謡に従って
    殺人事件が起こるが、
    それと過去に起こった出来事の
    絡ませ方が上手い。
    それに加え、相変わらずの容疑者達の
    あくの強さで、
    私達読者を見事なまでに翻弄してくれる。
    今回は最後まで犯人が予想つかなかった。

    ポワロさんだけでなく、マープルさんも
    これからは読もうかな。
    最後に明かした、彼女が
    犯人を怪しみだした理由も、
    ちょっと女の勘頼みでどんなもんだろう、
    といった気もするが、
    しかし実にお見事な推理。
    お婆ちゃんのおしゃべりや知恵袋も
    大いに役立つ時もあるんだよね、
    って作品。

  • いやー、騙された騙された。
    ワンツーパンチで騙された。
    あっちもこっちも大ハズレ。
    それでも心地よい。
    真相を聞かされ、そいつが犯人なら、物語的に破綻するだろ!
    と、言ってみても、なんの無理もない。
    説明がある事はあるが、ポケットに何故ライ麦を入れたか。という説明が納得する形で完璧に説明されればパーフェクト。そこが弱い気がする。

  • やはり名作は違いますね♪
    ホント面白い。

  • クリスティのマザーグースものの中でも有名な作品の一つだと思います。
    資産家(成金趣味的)の屋敷の中で
    マザーグースの歌の通りに連続殺人が起こっていく…。
    トリックはすごく凝ってるというわけではないので、
    人によっては物足りないと思うかもしれませんが、
    クリスティらしい登場人物たちの様々な個性が
    読んでいて興味を引き起こしてくれます。
    1950年代の作品という、今から見るとレトロな時代も、
    雰囲気作りに貢献していて、
    クリスティ作品の個性になっていると思います。

  •  最後に、推理を終え帰宅したマープルに手紙が届く構成がいいと思う。

  • 会社の執務中、秘書の淹れてくれたお茶を飲んだ社長フォテスキューが突然苦しみだし、死亡した。ポケットにはなぜかライ麦が詰め込まれていた。毒殺の状況から、容疑者を社長の家庭内の人間と見た警察は捜査に乗り出すが、第2、第3の殺人が続けざまに起き、その様子は被害者のひとりと知り合いといって屋敷に訪れたミスマープルの口ずさむ童謡と奇妙に一致していたのだった。マザーグースの唄を題材に描かれた殺人の真相は?水松(いちい)による毒(タキシン)が使われたことが検死医によって早々に指摘され、原因は秘書の淹れたお茶ではなく、社長の朝食にありそうだと解ったために、フォテスキュー家の人々が容疑者と目される。性的魅力に溢れる年若い妻、仕事人間の長男に父と絶縁状態にある不良の次男、彼らの嫁たち、抜け目ない家政婦、執事夫婦、メイドなど、ありがちな面々の中でフォテスキューの義姉ミス・ラムズボトムは頑固婆さんぶりで異彩を放っている。そんな中、続いて殺された小間使いのグラッディスという少女は、お屋敷奉公の前にミスマープルのところで行儀作法を教え込まれ躾されていた。グラッディスの悲劇を知ったマープルが単身屋敷を訪れ、事件の詳細を聞き彼女なりの視点で捜査に関わっていくという筋書き。殺害の動機、アリバイの確実性だけを単純に見たのでは真相にたどり着けないところを、それぞれの人間性の性質を見抜いたマープルが暴いていく傑作。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】最初の殺人は大量にストックされた食品に仕掛けられた時限爆弾的なものと見せかけておいて、実際はある種のリモコン型トリック。それによって嫌疑外に逃れた人物が第2、第3の殺害を行っていた。ボーイフレンドを持つことに憧れる少女、男に騙され利用されたあげく、亡き者にされたグラッディスが哀れ。洗濯バサミで鼻をつままれた彼女の侮辱的な最後に怒るマープルが、最後に受け取った手紙に涙する姿が印象的。彼女の激しい憤りがこれまでになく強く描かれ、復讐の勝利に喜びを感じるあたりが復讐劇のような終わり方。今回は真相を警察に教えるのみで犯人を追いつめる場面がない代わりに、グラッディスから受け取ったこの手紙が絶対的な証拠となっている。個人的な感想を付け加えると、これは紅茶好きにはニヤリとさせられる場面の多さで自然と評価アップとなる作品。まず、会社のお茶当番に当たった未熟な社員がお茶もろくに入れられないという状況からスタート。そこに「お湯が煮たってない、お茶が出てない、ビスケットが湿気ってる」とダメだしするお局的女子社員。そんな給湯室に金髪美人の社長秘書がさっそうと現れ、特別なお茶(中国茶らしい)を特別な茶碗に淹れ特別なビスケットを添えて、つんと澄まして出て行くのだ。いいねぇ、ありそうな光景。その後にお茶を飲んだ社長が苦しみだし…という展開が待っているのがお約束的で、さらに続いて起こった殺人も紅茶絡み。お屋敷のティータイムの描写も細かくてとても興味深く楽しんだ(不謹慎だが)。(2010.5.3.再読&感想登録)

  • なんとなく犯人を予想できて満足。
    マザー・グースや毒殺などが出てきて、クリスティらしい作品といえるかも?
    ただ登場人物の上から目線なんとも…。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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