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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150700195
感想・レビュー・書評
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英国の桂冠詩人テニスンの詩の一節がタイトルになっています。私の残念な英文学の知識ではその味わいが分からないのですが、言い知れぬ深い悲しみに貫かれたストーリーではありました。映画スターのマリーナ・グレッグの不幸にシャロット姫の絶望がどのように響いているのか…。
この作品は1962年刊、ミス・マープルにも加齢が忍び寄っています。庭いじりは禁じられ、やたら年寄り扱いする介護人に付き添われて、それでも、明晰な頭脳は冴えています! そして、障害者差別解消法などなかった時代だったのだなぁ…という悲しさ、やりきれなさもまた胸に刺さります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
録画したドラマを観る前に復讐。マープルさん、老いてもいい切れ味。
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セント•メアリ•ミードに住んでミスマープルとお友達になりたい!
みんなから信頼されて、かき集めた噂や証言から真実を突き止める、おばあちゃんらしいやり方。 -
(ネタバレあり)NHKBSのクリスティ生誕120年特集に「クリスタル殺人事件」(ひどい邦題)もあり、久々に原作も読んでみた。
学生時代The Lady of Shalottでレポート書いたこともあるので、結構好きなのだが、今回読みなおしてみたら、第2・第3の殺人の謎は放置されていた!
第1の殺人は睡眠薬、第1と第2の間の未遂というか狂言ではヒ素、第2はシアン化物で、第1は衝動的なものなので、狂言・第2は別の犯人と普通思うよね。毒物が違うから狂言と第2とでも違うと見るべきな気もする。
第3にいたっては銃でズドンで、しかも、動機もようわからん。第2・第3の被害者が同じことしてた風だが、別に結託していたわけでもないのも、ストーリーが拡散してどうかと思う。
第1の殺人は衝動的なだけでなく動機も哀切なもので、その犯人がとてもこういう形で第2・第3の殺人を犯すとは思えんし、ヒ素や青酸はどこから入手したんだろ。助手の青年くんについての思わせぶりな記述も何?
というわけで、第1の殺人だけでもっている話なのだと思った。しかし、それは実話に基づいているのだった。原因を作った人物が女優にベラベラしゃべったというところまで実話らしい。ということは、クリスティの功績ではないような・・・。
一見ハデな映画のほうが、不要な枝葉をとってうまくまとめている。既に忘れたが、両方同じ毒にしていたかも(原作では、第1の毒物の特性が執拗に記述され、ヒ素や青酸との違いがいやでも気になるよになっているのだ)。第3の殺人はカット。そりゃそうだ。被害者の夫が実は女優の最初の夫だった、というムダなネタも不採用。ラストも、原作は「それとも誰かに与えられた…」が正解だと思うが、映画では、渡されたそれには手を付けず、本人自らの意思によること、それも、“誰か”に手を下させないために、というふうにしていて、美しい。
それにしても、マリーナが障害のある子どもを受け入れられなかった(キャラ設定からは妥当だろうが)ことが、重苦しいのだが、(養子を捨てたことと違い)それへの違和感が書かれていないことをみると、当時としてはそれで普通だったのだろうか。・・・
ミス・マープルが老い(というか、老人扱いされること)とどう折り合いをつけていくかがじっくり書き込まれていて、それも見所かもしれない。 -
人間万事塞翁が馬……っていったらちょっと違うか?
むしろ、因果応報? -
動機に衝撃を受けた作品。マープル物は無駄に思えるおしゃべりの中から手掛かりを掴む事が多いけど、この作品は非常に無駄なく美しい。
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マープルシーリーズの中ではこれが1番好き。マープルならではの観察眼が光ってます。
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