動く指 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ミス・マープル)

  • 早川書房 (1977年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784150700270

みんなの感想まとめ

小さな町で繰り広げられるミステリーが、緊張感とともに展開します。舞台は古い町リムストックで、傷痍軍人のジェリーと妹のジョアナが田舎暮らしを始めた矢先、匿名の手紙による中傷が村を揺るがします。手紙の影響...

感想・レビュー・書評

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  • 舞台になるのは、セント・メアリ・ミードと似たリムストックという古い小さな町。傷痍軍人のジェリーは、リハビリのため、妹のジョアナとともにこの町に家を借りて暮らすことにしました。都会人の2人は、浮きまくっていますが、まあまあのんびりと田舎暮らしを楽しんでいたのですが、ある日、匿名の怪しい手紙が届いて…。他人にひどい中傷を浴びせるのにネットなどなくてもいいってか! そのうちに、手紙の中傷を気に病んで自殺した人が出たから、さあ大変! 事態を重く見た牧師夫人(実は私この人を怪しんでました)が、ミス・マープルの出動を要請し、真犯人が明らかになります。
    ミス・マープルものではありますが、メインはジェリーとジョアナ兄妹の推理と恋ですね。楽しいストーリーです。真犯人はとことん腐った奴ですが!

  •  ※再読。新訳版を読んで記載。
    マープルシリーズだが、終盤まで彼女は登場しない。しかし、マープルの登場はとても効果的に作用し、「彼女のシリーズにしなくても・・・」という残念な感情は一切ない。むしろ、一般人であるマープルが何でもかんでも警察から依頼が来たり殺人事件が起きたりする事の方が異質であり、今回の様な関わり方の方が理にかなっている様に思う。また、マープルを軸とすれば、短編の事件であり、短編が起きる過程を上手に描写している様なイメージの作品だ。巻末にはミス•マープルが若い二人の探偵指南役を務めると記載があるが、指南役まで至っておらず、少しニュアンスが違うのではと残念に思った。
     ストーリーはジェリーとジョアナのバートン兄妹が療養の為にリムストックの屋敷をレンタルし生活する事になるが、間も無くバートン兄妹含め住人達に匿名の手紙が届く様になる。そして、手紙をきっかけに地域の名士の妻が服毒自殺をしてしまう。
     田舎で起こるいやらしい部分はよくクリスティの作品で取り上げられるが、悪意のある嫌な噂話が瞬く間に広がり、女性はこうしなければならないという様な昔からの風習や固定概念が蔓延る。そんな舞台にいやらしい「匿名の手紙」とくれば完璧なる舞台装置として作用する。
     今作ではバートン兄妹の人物像や彼らの恋愛なども上手に表現しながら進行していくが、兄目線の描写がベースになる為、妹側の感情の変化や雰囲気の捉え方が少しわかりにくい部分がある。少なからずミステリー好きとしては兄妹をも疑ってかかるため、一時、あれ?と疑問に感じる所もあったが、その辺りは現代との生活様式の違いなのかも知れない。
     マープルは牧師夫婦の招待でリムストックを訪れる。牧師婦人曰く、マープルは人間観察の専門家である訳だが、マープルは過去未来も含め、「安楽椅子探偵」の見本の様な人物なのだが、今作は「パディントン発4時50分」の時の様な関わり方では無く、上記作品が「指南役」のイメージだった為、物足りなさもある。但し兄妹では無くミーガンという女性を踏まえると、マープルがミーガンと警察に助言し、事件が解決に至る為、「指南役」のイメージはわかるが、残念な事に兄目線での物語展開の為、マープルとミーガンのやり取り描写はほとんどなく少し勿体無い様な気がした。
     動く指のタイトルについて、僕が読んだ版の解説で丁寧に述べられているが、正直ちょっと難しい。ニュアンス的な要素はわかるが、何故そこをピックアップするのか、そして解説でもある様に「煙幕」の方がピンとくる。まあ、タイプライターだったり、マープルの編み物だったり指が関わる物が多い事は理解しているが。

  •  学生時代からいったい何回読んだだろう。
    マイフェアレディのようなプリティウーマンのようなストーリーの本筋とはちょっと違うところに楽しみがある。
    マープルの思い切りの良さがかっこいい。
    そして犯人は本当に最後まで卑劣で嫌な人だった。すごく不幸で傷ついた人がたくさん出た。それは切ない。

  • マープルおばさんが「準」主人公
    村ものミステリ
    村の中で自殺やら他殺やらが起こっているのに、村人達は、自分の死の恐怖よりも大きなイベントとして関心している感じ。
    で、結果としては、そうだったのねという感じ。
    人間ドラマが興味深い作品かも。

    斜め読みしているので、評価は3にしておきます。

  • 転地療養の為に妹と共に小さな村に居を構えた傷痍軍人のバートン。しかしその村では悪意に満ちた匿名の手紙が無差別に村の住人に送られていた。そんな中、手紙を受け取った弁護士シミントンの妻が自殺した。更にシミントンの家でお手伝いが殺害される。

    ドラマでものこの作品が好き。ただドラマよりも登場人物たちのキャラクターが濃いめ。バートンとミーガンの恋の展開もベタな感じだけど、読んでいて微笑ましい。ミス・マープルが全然出てこないので、シリーズじゃないのか?って途中で思ってしまった。

  • 初めて読んだアガサ・クリスティー。
    SFとミステリーにはこれまで食指が動かずほとんど読んでこなかったが
    さすがミステリーの女王。
    終盤のミス・マープルによって明かされていく真実は以外でびっくりした。
    てっきり別のあの人物が犯人かと思っていたのに・・・
    犯人につながる伏線かと思わせて、実は別のところに本当の伏線が隠れていたり。
    マープル氏の言う「目くらまし」に、唸らされた。
    そして誰もいなくなったなど、アガサ・クリスティーの他作品も
    手に取ってみたくなった。

  • ミスマープルの登場は十章から。あえて登場しなくてもって感じ。美味しいとこだけいただきました的なマープルさんだった。

  • #赤背表紙のクリスティーを再読するプロジェクト 004

  • ミス・マープルシリーズです。
    マープルさんが出てくるのが楽しみで、いっきに読んじゃった。

    小さな村で起きた、匿名の手紙による嫌がらせ。村に様々な噂が流れる中、悲劇が・・・・。

    犯人が分からなくてはらはらしたー^^
    ポアロさんもいいけど、マープルさんも出てきてくれるだけでほっとします。

  • 静養のため田舎に移り住んだバートン兄妹。平和な小村でのんびり過ごすつもりだったが、村では匿名の手紙による中傷や悪意に傷つく人々の不安が高まっていた。バートンも移住早々に手紙を受取り、そこには印字を切り貼りして作られた文章で根も葉もないことが書かれ、表書きはタイプライターで書かれていた。やがて中傷の手紙を受け取った女性が毒をあおって自殺するほど深刻な事態になり、警察は本腰を入れて捜査に乗り出すのだが…。舞台はセント・メアリー・ミードではなく、ミス・マープルは今回は完全にゲスト出演。終始バートン兄の視点で描かれている。いわばよそ者で新参者の彼が、中傷の手紙の言葉に翻弄され、村人同士が疑心暗鬼になるなかだれの発言を信じていいか迷い、しかし彼なりの判断で問題に対処していく。自力では事件の解決には至らないが、そこでようやくミス・マープルの出番となる。中傷メールという陰湿さとは対照的に、バートン兄妹のさばさばとした人柄の良さに好感が持てるため、心地よい読書時間が過ごせる。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】ミステリ的には、マープルが最後にいうように「まったく偏見のない心を持って事件を見れば真相を見抜ける」タイプのもの。煙を払って火に近づけば、確かに真相はありがちでシンプルなものだった。中傷メールを煙幕とした巧妙な手口に村中が翻弄されたのだが、「中傷メール=女性(もしくは変態的な男性)のしわざ」と決めつける様な先入観は、時代を反映している。バートン兄がある女性に突然芽生える恋心と一連の行動にはちょっと唐突な感じがしたものの、疑心にかられたメインストーリー内では甘い香りのするスパイスのようでワクワクした。こうした隠し味もまた面白い。(2010.5.1再読&感想)

  • 残念ながらマープルはジョイント的な出演。
    それよりも主人公の青年の恋路が
    楽しめたりします。

    肝心の犯人のほうは
    おそらく引っ掛けられます。
    私もその罠にはまってしまいましたしね。

    謎解きそのものは
    割と単純です。
    恋路を楽しみましょう。

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著者プロフィール

大学中退後、雑誌社の編集者からルポライターに。
週刊大衆、増刊大衆、週刊実話、別冊宝島、週刊漫画タイムズ、話のチャンネル等の雑誌系と、日刊ゲンダイ、夕刊フジ、サンケイスポーツ、デイリースポーツ、東京中日スポーツ、大阪スポーツ等の夕刊紙系で活躍。
著書に、『テキヤのマネー学』(東京三世社)、「ファッションホテル』(双葉社)、『秘欲望ファイル』(黒田出版興文社)、『トップセールスマン』、『セールス達人の客の心の掴み方』(以上、エール出版)、『奥様はトップセールスマン』、『大往生の現場から』(以上、ジャパンミックス)等。
共著に『死よ!!』『ケンカの売り方と買い方』(朝日新聞社出版局)、また取材・構成に『小学校中退、大学卒業』(花柳幻舟著=明石書店、幻舟文庫)、『選挙裏物語』(井上和子著=双葉社)等。

「2020年 『けものみち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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