オリエント急行の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-38)

  • 早川書房
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150700386

感想・レビュー・書評

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  • 世界でいちばん真相が知れ渡っているような推理小説。わたしは残念ながら多勢の方で、オチを知っているまま読みました。
    なので、タイムリープ物の二週目を体験しているような感じで、びっくりもせず、淡々と。
    (アガサ・クリスティでいえば、あの本もそうだった)

    巻末の有栖川有栖の解説にも記載がありますが、この本を何の先入観もなく読むことができた人は幸せでしょう。しかも、推理小説を全く読んだことがない人ではまた効果が薄れるというジレンマ。新刊で読んだ人とかがうらやましい。

    ジャンルの豊潤によって生み出されたマスターピースです。

  • これが傑作というものか

  • 当時勤めていた印刷会社で作った本。
    確か私は手掛けていなかったと思うけれど、丁度私が在籍していた時に重版されたもの。
    それだけに特別な思い入れのある本。
    初めて読んだのは確か中学生の時、学校の図書館から借りて読んだ、ハズ。
    小学生の時にドイルとポーに出会って本格ミステリの面白さを知り、母親が大好きだったクリスティーはそれまでTVドラマのポアロしか知らなかったんだけど、この作品は魅力的な要素が満載。
    ミステリとしての面白さはもちろん、ロケーションが特別。
    鉄道、それもオリエント急行という豪華客車を代表する特別な列車で起きる密室殺人!
    ワクワクする!様々な国籍・身分・年齢の人間が乗り合わせる列車、雪で立ち往生しどこにも逃げ場がないなか忽然と姿を消した殺人犯。
    現代なら例え何もないところで立ち往生してもすぐに救助のヘリが飛んでくるだろうし、携帯電話ですぐ連絡もつく。
    国籍が違うくらいでは無関係だなんて思い込みも起こらない。どこに誰が居たっておかしくない時代だから。
    最先端技術を駆使した犯罪・捜査技術を駆使した現代のミステリも面白いしワクワクするけれど、昔のミステリ小説にはロマンがあると思う。
    実はポアロの最新作(最近見つかった未発表の原稿)を最近購入したのでこれを機に色々読み直そうかなぁ。

  • 「わたしとしましては、自分の解答をみなさんの前にだしてごらんにいれたのですから、これでこの事件から手をひかせていただくことにして・・・・・・」

    わお!!!
    もうラストは驚きの連続!!!
    名作とは、こういうものをいうんだ、と見せ付けられ、思い知らされた感じです。
    これぞ、ミステリーだ、トリックだ!!と言わんばかりの作品。

    まったく誰が犯人かなんて分からない状態で、少しのヒントで次々に紐解いていくポアロ。
    素晴らしい。よく、そんな小さな綻びから大きく見えていくのか。

    私は、最後、あまりにも驚きすぎて、びっくりしちゃって、「あ!!」と外にもかかわらず声が出てしまった。
    そして、そのトリックの素晴らしさ、まさかの人物の登場に、なんだか泣けてきてしまった。
    それぐらい凄い。

    何よりもラスト。
    最近の推理物では、考えられないような展開。
    ポアロなりの「正義」を見せてもらった。
    かっこいいよーーー。
    もうこれは、クリスティ読破するしかない!と気持ちを新たにさせてくれた1冊なのでした。
    最高!!!!!!

    【10/20読了・初読・市立図書館】

  • 初めてアガサクリスティの作品を読んだ。登場人物が多く把握するのが大変だった。読み進めるうちに事件の概要が理解できたと思う。
    読書ビギナーの自分には翻訳された海外のミステリーは少し難易度が高かった。

  • まさかそんな結末が待っているとはね。ゴツゴツした翻訳で読みにくいけど、意味があるのでこうとしか表現できない部分もある。この話の後日談の方が、個人的には気になるところではある。

  • トルコ・イスタンブールとフランス・パリを3泊4日で結ぶ豪華寝台列車「オリエント急行」。深夜の大雪で立ち往生したこの列車の中で殺人事件が起こります。そこに乗り合わせた私立探偵エルキュール・ポアロが捜査に乗り出しますが、犯行が可能な車両にいた乗客全員に完璧なアリバイがあり…

    全員の供述からは犯人の尻尾が全く掴めない状況。そんな中、わずかな糸口から一気に事件が解決する展開、犯人が仕掛けたトリックが本当に見事です。

    推理小説の醍醐味は「思いもよらないトリック」で事件を起こした犯人を探偵が「いかに推理して特定するか」という点にあると思います。皆さん、この事件のトリックにまんまと騙されるのではないでしょうか。

    一体誰が犯人なのか?嘘をついているのは誰か?ぜひ当たりをつけながら読んでください。

  • 1934年作!オリエント(東方)にまだ神秘性が残されていた時代。
    証言につぐ証言とポワロの推理にグイグイ引き込まれるなあ。

  • ラチェットとは不可避の運命を象徴する不吉な名か、他に聞いたことが無い。いかに高名なポアロでも「護衛してくれれば2万ドル(現在の数千万円?)」とは只事ではない。「あなたの顔が嫌いなのですよ」まるでポアロもグル(彼のいるところ事件が必ず起こる=ゴルゴ13と同じく)、「あとで正体=カセッティだと気づいた」というが╱復讐とは東洋的で刃物で殺すのは音がしなくて好都合/秘書と従僕がいるのに別の車室で「用があれば車掌に呼びに行かせる」システム、なぜ同室にいなかったのか/犯罪組織なら舍弟がいるだろうに使用人の身元調査を怠ったのは致命的

  • 列車内で起きた怪事件に名探偵ポワロが挑む!!

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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