魔術の殺人 (ハヤカワミステリ文庫)

  • 早川書房 (1982年3月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784150700652

みんなの感想まとめ

複雑な家族関係と個性的なキャラクターたちが織りなすミステリーが展開されます。主人公ミス・マープルは、旧友の依頼を受けて、普通ではない印象を持つキャリイ・ルイズの周囲を調査するためにストニイゲイトを訪れ...

感想・レビュー・書評

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  • 妹キャリイ・ルイズの身辺に漂う「なんだか普通でない印象」を心配する旧友ルースの依頼を受けて、ミス・マープルは、ストニイゲイトを訪れます。キャリイ・ルイズの3回の結婚による家族構成のややこしさ! 人物のクセの強さ! でもそこからマジック・ショーのような殺人の舞台は始まっていたのです。真犯人は、まさしく狡猾なマジシャンでした。う〜ん、騙された! 

  • マープルおばさんシリーズ。
    犯人はひどい人物だが、根っからの悪人ではない印象。
    お金が人を狂わせる怖さを感じさせられた。
    トリックはシンプルで分かりやすく、個人的には明快で好印象の作品だった。

    斜め読みしているので、評価は3にしておきます。

  • ※新装版再読後、感想の共有
    クリスティの長編ミステリー。
    マープルシリーズ。古典作品の読みにくさがこれでもかと詰まった作品だ。(笑)
    女主人、現在の夫、1番目の夫の継子と実子。そして養子の娘、2番目の夫の子供二人、ここに付き添い人や使用人、医者等中々難しい環境設定のため序盤は苦しんだが、後半迄に何とか整理して読み進める事が出来た。さらに、舞台設定が非行少年たちを集めた少年院であり、すべてが作用しながら非常に面倒臭い、異様な世界観を漂わせている(人間関係の設定の難しさも作風に合わせている様に思っている。)
     マープルの旧友であるルースは自身の妹であるキャリイをとても心配しているが原因がわからない。マープルは昔から空気感をよむ鋭さがある為、キャリイの住む邸に赴き(マープルに生活苦を演じる様にすればキャリイはきっと招待してくれるという、何とも屈辱的な依頼だが)不穏な空気の原因を探る様に依頼される。
     (現在の少年院とは少しイメージが違うが、生まれや生い立ちなどにより罪を犯したり精神的に不安な少年達を改心させ、優秀な仕事や役割を与える住み込みの学校の様なものだ。)
    そんな環境下においてエドガーという一人のおかしな青年が、キャリイの夫であるルイスに陰謀論等をふっかけて部屋に立て篭もり銃を発射する事件が起こる。結局、実際に弾は発射されるが空騒ぎに終わり、事なきを得るが、実は同じ邸の別の部屋にて銃殺された死体が見つかる。
     マープルシリーズ特有の特殊な殺害現場、方法であり今回は安楽椅子探偵ではなくマープルが自ら乗り込んでいる点が面白い。マープルシリーズでは警察も協力的であり、現代ではありえないが皆んなで考えようの精神があり、捜査で発見された謎は次々と共有される。
     トリックも手の込んだアイデアで、正にそれが一番しっくりくる方法だ。夫ルイスはキャリイを愛している事に変わりはないし、実はキャリイが狙われている場合には犯人の割り出しは彼女の遺産などから検討しなければならない。今回、様々な「魔術」がクリスティによってかけられており、①キャリイが実は狙われているという偽装②キャリイに毒が盛られているのが嘘だという偽装、③ホール内での立て篭もりが実は二人の共犯でありトリックの肝だという偽装。④動機がキャリイに関わるものではなくルイスの横領によるものだという事実。
     つまり幾重にも罠が張り巡らされており、読者を惑わし偽装へ誘う。少なからず世界観もある作品の為引き込まれていく。
     残念な事に最後、犯人の結末が滑稽で勿体ない退場の仕方だ。二人が実は親子だった事や夫婦は少なからず本当に愛し合っていた事等を踏まえ、もっとスリリングな、衝撃的な結末があった様に思う。(終盤にまとめて発見される二人の死についてもおざなりな印象を受けてしまう。死体が一つじゃ足りないから・・・的な印象を持ってしまった。)
    クリスティの作品でよく言われるが、夫婦の殺人は相手を疑うはもはや王道であり、結局王道に至るのだがそういう結末だと終盤迄感じさせない描写力が今作の魅力だ。最後、批評にてマープルを魔女と評しているが、今作の彼女はどちらかと言えば友人への優しさが溢れる役回りであり、一瞬で真相を突く恐ろしさは控えめだった様な思う。

  • 久しぶりに本格推理小説を読みたくなり「アガサ・クリスティ」の『魔術の殺人』を読みました。

    「アガサ・クリスティ」作品は2月に読んだ『黄色いアイリス』以来ですね。

    -----story-------------
    旧友の依頼で、「マープル」は変わり者の男と結婚した「キャリイ」という女性の邸を訪れた。
    そこは非行少年ばかりを集めた少年院となっていて、異様な雰囲気が漂っていた。
    「キャリイ」の夫が妄想癖の少年に命を狙われる事件が起きたのも、そんななかでだった。
    しかもそれと同時刻に別室では不可解な殺人事件が発生していた。
    -----------------------


    「ミス・マープル」モノの長篇は2010年の6月に読んだ『鏡は横にひび割れて』以来なので2年ちょっと振りですかね。

    この『魔術の殺人 原題:They Do It with Mirrors』は、1954年に刊行された作品で、「ミス・マープル」シリーズの長編第5作目にあたるそうです。



    相変わらず、登場人物が多く、序盤はややもどかしいテンポでの展開でしたが、、、

    中盤以降、第一の殺人事件が発生してから、事件の解決までは次第にテンポアップして、一気に読めちゃいました。


    しかし、本作品はいつもに増して、登場人物が多く、関係が複雑だった感じがしますねぇ…

    ○「キャリイ」が三度目の結婚で、過去の夫の子ども(連れ子含んでいることから息子が同世代だったりする)や孫やその夫も含む三世代混在で複雑な家族構成に加え、少年院の関係者や使用人等が登場

    ○名前が難しくて覚え難いうえに、ファーストネーム、セカンドネーム、ニックネームで呼ばれるケース等、同一人物が別々な呼ばれ方をされる

    というところが原因でしょうか。


    何度も巻頭の登場人物欄を読み返す破目になりましたね。
    以下、主な登場人物です。

    「ミス・マープル」
     探偵趣味の老婦人

    「キャロライン(キャリイ)・ルイズ・セロコールド」
     富豪。かなり浮世離れした人物で、殺人事件の渦中にあって上の空…

    「ルイス・セロコールド」
     慈善活動家。「キャロライン」の(三番目の)夫

    「ルース・ヴァン・ライドック」
     「キャロライン」の姉。「マープル」に潜入捜査を依頼

    「エリック・グルブランドセン」
     「キャロライン」の最初の夫。故人

    「クリスチャン・グルブランドセン」
     「エリック」の息子(連れ子。「キャロライン」の義理の息子)。射殺される

    「ジーナ・ハッド」
     「キャロライン」の孫娘(養女の子)。イタリア人との混血で快活な女性

    「ウォルター・ハッド」
     「ジーナ」の夫でアメリカ人

    「ミルドレッド・ストレット」
     「キャロライン」と「エリック」の娘

    「ジョニィ・リスタリック」
     「キャロライン」の二番目の夫。故人

    「アレックス・リスタリック」
     「ジョニィ」の息子(連れ子)

    「スティーブン・リスタリック」
     「ジョニィ」の息子(連れ子)。「アレックス」の弟

    「エドガー・ローソン」
     「セロコールド」家の使用人。精神分裂症気味で虚言癖がある

    「ジュリエット・ベルエヴァー」
     「キャロラインのコンパニオン」

    「Dr.マヴェリック」
     精神分析医。少年院で非行少年の感化に当たっていた。

    「カリィ」
     警部。事件の捜査責任者

    「レイク」
     部長刑事。「カリィ」の部下

    邸の見取り図よりも、人物相関図を付けて欲しかったですね。ホント。





    ≪ちょっとネタバレ!≫


    複雑な人間関係により、動機がわかり難くなっているし、、、

    動機を偽装して、間違った判断に誘導させようとしたり、毒殺という存在しない犯罪を創り出したりと、犯人が捜査を霍乱((「アガサ・クリスティ」が読者を霍乱?)するのですが、その仕掛けにまんまとひっかかり、最後まで犯人がわかりませんでしたね。

    「クリスチャン・グルブランドセン」の殺人は、「キャロライン(キャリイ)・ルイズ・セロコールド」を毒殺しようとしている犯人が犯罪を隠すために犯したと勘違いしちゃいましたよ。

    親族の愛憎関係を上手く利用した、巧みな仕掛けですね。

    毒殺の証拠がない… というヒントは隠されているんですが、気付かないもんですよねぇ。

    あと、密室での一人二役にも騙されちゃいましたが… でも、どこかで観た(読んだ)ことがある感じがするんですよね。

    類似なトリックが、他の作品でもあったような… でも思い出せないなぁ。

  • アガサクリスティーの作品はドラマもよく見ており大好きですが、何故かドラマと小説だと小説の方が言葉遣いに特徴があるためわかりづらいと感じる。
    日本語力の問題、そして、現代の推理小説とは異なる、アガサクリスティー独特の世界観に浸れるかによるものだと感じた。

  • なんだかオチがわからなかった…いや、わかったはわかってるんですがね。
    流れがわからなかったとかそういう感じだろうか。
    自分でも何がわかっていないのかがわからない。
    今回は少々読みづらかったですからそのせいかもしれない。

    クリスティはイタリア女に何か言いたいことでもあったのだろうか。

  • 嫌というほど人間の
    いがみ合いを見ることとなってしまう作品。
    しかも最悪なことにそこに頭のおかしい
    「クルッテル」人がいるために自体は余計
    おかしな方向へ…

    ちなみに殺人は第一の殺人は
    普通の死因ですが
    第二の殺人は特殊です。
    あんまり使われることのないそれが出てくるので
    びっくりすることでしょう。

    真実は…
    これはある意味悲しいかもしれません。
    そう、発覚後のあることについては。
    そうでしかいられなかったのがあまりにも悲しすぎます。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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