スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-67)

  • 早川書房
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150700676

感想・レビュー・書評

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  • ※盛大なネタバレ注意※







    【事件が事件を呼び、複雑になる】
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    何作かポアロシリーズを読みましたが、書かれた時によってポアロの異なる顔が見られるのが面白いなと思います。初作の今回は「ポアロ登場」で見られるようなヘイスティングスへの尊大さは鳴りを潜め、彼に対して丁寧語(!)、召使いに対しても丁寧に接する、物腰の柔らかなおじ様という印象で、他作と比べるとキャラクターがまだ作られ途中であるのを感じさせました。

    叙述トリックをこれ以上ないくらい上手に使いこなしており、また、ヘイスティングスが7月16日・17日を「重要な日」と記したことで(実際とても重要な日ではありましたが)読者の意識をその2日間に集中させておいてからの以外な結末。そうくるか、と舌を巻きました。
    ホラー要素もなく、純粋に考えながら楽しめるところも良かったです。

  • クリスティーなので内容についてはまぁ置いておくというか、大体全部普通に面白いか、めっちゃ面白いかのどちらかだし。

    内容じゃなくて翻訳で面白いなと思ったのは、ポアロのセリフにやたら出てくる「あなた」。モナミはモナミで出てるし、まさかこの時代ってyouを全部”あなた”って直訳してたってことなの?「さようなら、あなた」って、まさかSee youとかだったらどうしよう面白いなと思ったけど、確認はしていない。それからというもの、”あなた”が気になって仕方ない状態で読み進めたけど、でもポアロのセリフ以外ではそこまで出てないような気もするので、違うのかもな。笑

  • クリスティーの処女作にしてポアロ初登場作品。中盤までいろいろな出来事や証拠が提示され、どうなってるのか混乱しそうになるが、最後には全ての事柄が収まるところに見事に収まる。ポアロとヘイスティングズの関係もユーモラスで微笑ましい。何度目かの再読だけど、何度呼んでも面白い!

  • 再読。ポアロ初登場の記念すべき作品。
    資産家の老婦人を取り巻く、何やら不穏な気配。
    年若い再婚相手、それを疎ましく思う長男、不自然な言動をする小説家の次男、見放されたら行き場のない旧友の娘、魅力的な近所の未亡人など、何かしら怪しく感じられる登場人物たち。
    そしてアガサ・クリスティーお得意の毒殺に見える死因で事件が始まり、一見、事件とは関係がないように思える小さな事実を、ポアロご自慢の灰色の脳細胞がつなぎ合わせていく。
    ヘイスティングスの自信満々な見当違いの推理も、惚れっぽい性格も、シリーズの愛読者としては「これこれ!」と嬉しくなってしまう。
    また、本の内容とは関係がないけれど、やはり装丁は真鍋博さんの装画がしっくりくる。

  • 何度目かの再読。
    新訳バージョンではないので多少読みにくさは感じますが、やはりクリスティは面白いです。
    ポアロシリーズ第一弾。

  • エルキュール・ポアロが初めて登場する事件。30年ぶりぐらいに読んだけど、やはりおもしろい。

  • クリスティ作品は多くが映像化されていますが、特にポワロ物はテビッド・スーシェが有名ですよね( ^ω^ )ちょび髭かわいい
    かく言う私も、ドラマを粗方見てるせいで、原作読んだつもりになってるクチです( ^ω^ )てへぺろ←

    でも、さすがに、そし誰・オリ急・アクロイドだけじゃ読んでるとは言えないわな〜と、ふと思い立って処女作から読んでみました。



    ※※以下、重要なネタバレあります※※

    率直な第一印象は、「読みづらい!」でしたσ(^_^;)うーん
    訳が80年代の物だと考えると仕方ないかもしれませんが、それにしても一文一文が長い〜(苦笑)。地の文はもちろん、会話部分も違和感のある言い回しがあったりして、でもこういうところに古式ゆかしい時代を感じられたり…するのかな…←

    怪し過ぎる最重要容疑者を、一度は探偵自身が「ある思惑のために」圏外に置いて、最後の最後で土俵に引っ張り込む手腕たるや、愛嬌ある顔してやることはえげつない(笑)。
    犯人逮捕の為にやむを得なかったとはいっても、完全に蚊帳の外なヘイスティングス君がさすがにちょっと可哀想でした(笑)。
    まあでも、ヘイスティングス君も散々ポワロを「耄碌したか…」やら「気が狂ったか…」やら、大概失礼なことを宣ってますからね(°_°)汗
    ノックス御大が主張した、「読者よりもちょっぴりおバカなワトソン君」を地で行っているヘイスティングス君が楽しめます( ^ω^ )


    旧友の正体でスタイルズ荘を訪れたヘイスティングスを待っていたのは、女主人の再婚でギクシャクした一家だった。そんな不穏ながらも何とか保たれていた均衡は、一家の心のよりどころだった女性が屋敷を辞して遂に崩れてしまう。毒殺された屋敷の女主人は、最後に何を伝えようとしたのか?

  • 再読

    えーこれ犯人誰だったっけ…途中で思い出すだろ
    と読み始め、断片的にえーとこれは確かこっち…だっけ
    程度でとうとう最後まで思い出さなかった、という…
    ポワロ初登場にしてアガサクリスティ商業デビュー作。
    だからなのかそんなにクリスティならではの魅力がふんだんに詰まってるとは言い難いので
    もう再読しないためにもストーリーを覚えておきたいw

    ヘイスティングスは初回から正直でマヌケなかわいいキャラクターが立っている。
    第一大戦の傷病兵として療養期間中にスタイルズ荘のある村で既に探偵であるポアロと再会したという設定。

    田村隆一による後書きに
    今作の第一次大戦の影と「予告殺人」の第二次大戦の影。
    2つの対戦の間、20年代から40年代中期の25年間がクリスティ的殺人舞台の黄金期。
    ヴィクトリア朝的な色彩がかろうじて残存している上層中産階級的な密室を逆照射する力を発揮している。
    退役軍人、提督、地主貴族、外交官、医師、牧師…類型が類型として社会に生きていた時代。
    とあり、改めてクリスティー作品の魅力はそうであるな、と再確認。

  • 今更やっとアガサ・クリスティー。デビュー作ということで一冊目に選びました。翻訳物は得意ではなく、こちらもやはり少し読みにくさを感じましたが、それでも推理などは楽しめて、最後はやっぱりアナタでしたかという感じでした。他の作品も読んでみようと思います。

  • へぇーこれがポアロ初登場作品かー
    ポアロ、何もかもお見通し過ぎ
    犯人予想も二転三転して面白かった
    ラストのポアロとヘイスティングズの友達っぽさも微笑ましかった

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