十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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  • 早川書房 (1976年4月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150701017

感想・レビュー・書評

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  • 「名探偵の苦悩」「後期クイーン問題」の極地。なぜだろうこんなに胸が苦しいのは?そうか。エラリーが大好きで、彼は私のスーパーヒーローだったからだ。

    血まみれの友人が記憶喪失で、殺人を犯したかもしれなくて、とりあえずライツヴィルに同行したら、脅迫電話がかかってきて、さぁ巻き込まれて大変!?な話。

    人物紹介、家族関係、そしてライツヴィル。地味に物語は進み、突如破綻する。エラリーはいつもの調子で、論理的に解決する。

    先に待つのは、探偵の終わり。理性の終わりだ。
    エラリーの現実は、これまでの功績など無に帰す。

    知らずに「九尾の猫」を数年前に読んでいた私は、その先の苦悩を知っている。そして光も。

    愛すべき作品ではないが、エラリーの探偵としての意義を理解するためには重要なファクターであり、避けて通れない傑作である。

  • 探偵探偵探偵探偵探偵探偵(ry。地味ながらも9日目の推理のぶっとび具合とラストの趣向が今のミステリへもかなり影響しているのを感じる作品だった。あと鮎川哲也先生のネタバレ解説で笑った

  • ラストは衝撃的。
    涙が出るほどのつらい最後で、ああ、ここから『九尾の猫』のアレになるのか、と納得できる。
    (なので、『九尾の猫』をほんとは先に読んじゃいけない)。

    しかし・・・・・・

    衝撃の最後までが長い。
    これといった事件が起きるのは、物語も中盤に入ってからのこと。
    「クイーンだから、我慢して読めば面白くなるに違いない」という確信のある僕だからよかったものの、クイーン初心者なら投げ出す可能性もあるな、と思う。

    そこんとこ、実に惜しい。

  • 2019/12/8読了
    本作の動機と手口は、どっかで聞いた事があると思ったら、二階堂黎人『地獄の奇術師』のそれではないか?

  • エラリークィーンと言えば、事件解決のための情報は全て読者に提供して、
    明確に分離された解決編で答え合わせをする、というスタイルで有名だけど、
    この話は一応蹴りがついているように見えるのでちと裏をかかれたよ。

  • エラリーがライツヴィルに到着してから八日間に渡って様々な出来事が起こります。ハワードとサリーの恋愛の暴露、謎の脅迫、宝石の盗難事件、墓荒らし、そして殺人事件、これらが一つに繋がる様は心地良いものの、謎を解明する手段に宗教を持ち込んでいるのでピンと来るものがなく、結局微妙に感じてしまいます。
    また、エラリーは殺人事件が起こる後半まで何もしていないに等しいですし、ラストの行動は非常に自分勝手。本書に於ける探偵の在り方に不満が残ります。

  • ライツヴィルシリーズの3作目。

    【あらすじ】
    ある夜、エラリーの元に旧大戦中に知り合った知人・ハワードが血まみれの状態で現れた。彼は度々、記憶喪失を体験しており、その最中に何らかの犯罪行為に手を染めたのではないかと不安を持っていた。そこでハワードは、エラリーに監視役としてライツヴィルにある自宅に来て欲しいと持ちかける。

    【感想】
     記憶喪失中に起こった殺人事件を解明する為にエラリーが活躍するのかな?と思っていたら違った。ハワードには記憶喪失の病気以外にも色々と秘密があるようで、その秘密が元で脅迫事件等が起こり、そこにエラリーが巻き込まれてしまうという展開になっている。普段は事件を解決に導くエラリーが、脅迫事件の対処していくうちに別の犯罪行為の片棒を担がせられてしまう点は滑稽でよい。
     最終的には殺人事件にまで発展するが、それが起こるのは物語終盤であるため、謎解きを期待している人は間延びするかもしれない。しかし、エラリーの頭脳を逆手に取った犯罪であった点は面白かった。

  • いわゆる「後期クイーン問題」の代表作というイメージの強い作品。スーパーマンではなく、悩める名探偵である。そのあたりを強調するたのか叙述方法にも工夫が凝らしてあったりして、趣向に対する作者のこだわりを感じさせる。

    こうなってしまうと、犯人は一種の神である。この手の「おち」は今となっては決してめずらしいものではない。テレビドラマにだって出てくるパターンだ。クイーンの得意技のひとつでもある。が、それを「意外な凶器」とでもいえるようなレベルにまで持っていくのは、すさまじい力業である。内容はともかく、そのレッテルの貼り方にかなりびっくりした。これでは確かに「悩める名探偵」が生まれざるを得ない。

    ただし、純粋にミステリとして読めば、感心できない点も多い。どんでん返しは大仕掛けだけど、それに気づく過程があまりにごちゃごちゃして理屈っぽいと感じる。そもそも、ちょっと調べればわかるようなことを調べずにだまされるのは、それだけでミスであり、まずはそこを普通に反省すべきだと思う。まあ、そのあたりはうまく作者は書いているけれど。犯人だって、あまりに千里眼すぎるんじゃないかなと思う。

    衝撃的な作品だし、ドラマとしてとってもよくできていると思うのだけど、もうひとつ精度が足りなくて、すっと楽しめないのだ。残念である。

  • 最後はさすがクイーンと唸ったが、殺人事件までの振りは長くてしんどかった。
    この時期のクイーンは、どこか宗教に傾倒した感がある。

  • ライツヴィルという架空の街を舞台にしたシリーズ第三作。
    エラリー作品では異色の登場人物の少なさ。
    その分、人物たちの内面や行動が細やかに描かれてる。
    派手さはないが、心理的な描写でハラハラしながらドラマは結末へ。
    そして意外な幕引き。印象深い作品でした。

  • クイーンもの。記憶消失症のエラリーの知人ハワードは、自分が記憶喪失になっている間に犯罪を犯しているのではないかと不安になり、エラリーに助けを求める。エラリーはハワードの家に滞在することになるが、そこで彼を待っていたのは、ハワードと彼の父の妻との不貞と恐喝事件。三作目のライツヴィルシリーズ。
     登場人物が少ない作品で、各々の登場人物の心理や行動が多く描かれる作品。やはり、ライツヴィルものはこういった登場人物に着眼する作品で物語として、読んでいて楽しいですね。
     ハワードの記憶喪失症になったときにエラリーが助けるという物語から、ハワードと彼の父の妻であるサリーの不貞に始まり、脅喝事件や盗難事件、カーチェイスさながらの追跡劇などなどこの物語を彩る犯罪盛りだくさんです。そして、最後に殺人事件まで起きる、いろいろここまでのクイーンとしては珍しい作品な気がします。
     そんな楽しい作品だったのですが、これまでの作品と比べると少々驚きに欠けるというかラストがいまいちだったかなと。いやあ、ラストになにかあるのはわかるのですが、「フォックス家の殺人」と同様に根拠が知りたいところ。その部分をエラリーは認めてましたけどね! クイーン警視とヴェリー部長刑事がいないとその辺しっかりしません。
     しかし、ここまでライツヴィルものを三作品読んできましたが、どれも面白いのに変わりはありませんが!

  •  お人よしのエラリィが、どうしたものか、面倒事に巻き込まれる話。まあ、「面倒事」で済ませられれば良かったのであろうが、ことはそんなにやさしいものではなかった。エラリィが最後に行う、犯人に対するアクションが意外だった。しかし、読む順番を間違えたなぁ。

    ‐2012/10/29‐蕗屋は生きております

  • 久方ぶりに手に取ったクイーン。ただ、少々読む順序を間違えてしまったらしく、ライツヴィルが始めて登場する『災厄の町』から読むべきだったのかもしれない。
     
     個人的には本作のエラリイよか、前期のエラリイのほうが魅力的に映る。
    私は、「悩む探偵」を魅力的ではないと思う、とは思わない。クリスティの生んだ名探偵ポアロも時に悩んだ(ことがあったように記憶するが)。

     ただ、本書のエラリイは少々行き過ぎた「悩み方」をしているのではないか。世間一般の話ではなく、探偵エラリイの話として。これは、本書を読んだ直後の感想であるから、私自身の考え方の転向もあろう。

     話としては面白かった。十戒については唐突でないか、と思ったが、あちらさんのほうではそうでもないのかもしれない。
     犯人については、理由諸々はともかく目星は付きやすい。登場人物が少ないということも手伝うし、事件の背景からも容易に。

  • 最初に買った文庫本。これがきっかけで僕は本で、本を買う習慣がつき、僕の読書人生が始まった

  • 期待はずれ...だった。

    そこそこミステリーなので楽しめる。でもね、10日間って? 10日間じゃないじゃん。それとももっと深い意味あるの??

    解説の鮎川哲也が良かった。記述上のミスを指摘している。絶賛されずミスを指摘する解説は初めて読んでこれが一番面白かった。

  • エラリイ・クイーンの中では今のとこ一二を争う位好き。安定のライツヴィル。とにかく終盤の推理シーンは圧巻の一言。ネタバレになるかグレーなんだけど、この本を読んでた時は「後期クイーン問題」って言葉がマイブームで、その構造のお手本みたいな作品。「後期クイーン問題」の意味については各自ディクショナリーを参照しましょう。あとがきにも書いてあったけど、一か所地の文で嘘の情報が書かれている。でも別にアンフェアだって騒ぐ必要は無い。全体的には超絶に面白いから。

  • 重厚な作品。
    腰を落ち着けて読むべし。

  • 1948年発表
    原題:Ten Day's Wonder

  •  犯罪研究家エラリー・クイーン・シリーズ全33作中18番目の作品。『ローマ帽子の謎』が1929年の作品ですから、それから19年経っていますので、中期の作品ですね。

     初読だと思っていたんですけど、エラリイが語る事件の説明まで進んで、「あれ? このシーンは何となく覚えている」と気づき、エラリイがアナグラムについて説明する段階になって、ようやく2度目と確信したぐらい、まったく事件の概要そのものは覚えていませんでした…。でも、トリックそのものは心理的なのですが、ひねってあってとても素晴らしいと思いますね。これが現代に翻訳されたら、ベスト10には入りますね。☆☆☆☆というところです。と思っていたのですが、このトリックは素晴らしすぎるので☆☆☆☆★で。

     解説の鮎川哲也が思いっきりネタバレをしているのが笑えます。しかも、本書を読む前ではネタバレと分からないけど、読んだ後だとネタバレと分かるように微妙な書き方になっているんですよ。でもまあ、カンの良い人には犯人が誰だかわかってしまうから、読まない方がいいでしょうね。

  • エラリー・クイーン・シリーズ

    ライツヴィルに住むハワード・ヴァン・ホーン。一時的に記憶をなくすことに悩むハワード。相談を受けライツヴィルに向かうエラリー。ハワードの若い義母・サリー・ヴァン・ホーン。2人の恋とハワードの父親ディートリッチの関係。ディートリッチの本当の息子ではなかったハワード。ハワードの本当の両親の正体。盗まれた宝石箱にかくされた2人の手紙。謎の脅迫者。強請られた2万5千ドル。さらなる脅迫。質に入れられた首飾り。殺害されたサリーとエラリーの推理の結末。9日間の惨劇。1年後にたどり着いた最後の悲劇。


     2002年1月7日再読

     2011年11月17日再読

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