- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150701130
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密室殺人で凶器も発見できない、という不可能犯罪もの。
まあ誰が殺したかは条件が厳しすぎるので
逆に分かりやすいのだけど、凶器の問題は見落とした。 -
アートというものが投機の対象でしかないならば
戦争もやはりハプニング・アートの一例にほかならない
くだらないことである
表現の自由は存在せず、ただ暴力を煽り正当化するなにか
…たとえば、ありきたりな「物語」
そんなものがでっち上げられているばかりなのだから
クイーン親子は、20世紀最大の武器商人「ボディジェン社」から
強引な「招待」を受ける
「帝王」キング・ベンディゴに殺害予告が届いたからだ
ベンディゴの一族は、社の創業以来
世界中のほとんどあらゆる戦争を、裏からコントロールしている
しかし、事件を追及するにつれ
すべてでっち上げで作り出された「帝国」の真実が
エラリーには見えてくるのだった
1952年の作品 -
いわゆるハウダニットがメインのストーリーなのかなと。
舞台は凝っていたものの、トリックも動機もシンプルで、いまいちだったかも -
エラリーもの。 朝食を取っているクイーン親子のところに乱入者が現れ、クイーン親子は兵器製造会社の根城であるベンディゴ島に拉致される。そこで、その王であるキング・ベンディゴに来ている脅迫状を送り付けてきた人物を見つけ出して欲しいと言われるが、彼らの前で密室殺人が実行される――。
面白かった。拉致(といってもエラリーは同意をした上ですが)される展開から、ベンディゴ帝国と呼ばれるような島の中を舞台とした特殊環境下のこれまでと違った雰囲気などこれまでの、エラリーものではなかった作品でした。また、エラリーとクイーン警視二人だけで捜査するというのも、少なくとも長編では珍しいのではないでしょうか。警視が出る場合はヴェリー部長刑事がだいたいでますからね。
ただ、軍事国家のような規律があるような部分はあまり書かれず、A2という立ち入り禁止区域以外は立ち入り自由というエラリーたちの特権もあってあまり緊張感はありませんでした。そういう部分、せっかくの舞台を生かしきれてないのかな、とか思ってしまいました。
この作品では後半にですが、ライツヴィルが登場します。解説にあったように、パズルなベンディゴ島に対して、人間ドラマのライツヴィルは対照的で、ライツヴィルという舞台がより一層、懐かしく感じになりました。
推理小説としての重要なトリック部分はそれほどでもなかったような。不注意な自分は気づきませんでしたが……。
そういえば、文中でエラリーがEQMMの仕事がどうのこうのということを書かれてしましたが、エラリーも携わっていたんですね。作者と同一名なので、そのあたりも一緒にしたのでしょうか。
(そういう意味では、ドランゴの歯とハートの4がハリウッドなのもそうですけど)
いつものクイーン作品とはちょっと違った雰囲気の作品でとても楽しめました。 -
1952年発表
原題:The King Is Dead -
クイーンにしては珍しい、がちがちの密室もの。金庫のような、という金庫そのものとしか言いようがない部屋の中で被害者は射殺され、撃った銃は部屋の外にあるというのだから。冒頭からいきなりクリーン親子が拉致されるという展開も、異常な億万長者が持つ王国のような秘密島という舞台設定も、なんだか派手でよろしい。
読み終わってみれば、あっけにとられるようなトリックで(これはあんまり良い意味ではない)、密室そのものの本質から考えてみても、やっぱりエラリー・クイーンという作者は密室ものには向いていないのだなと思わざるを得ない。だいたい、こんな密室、作る犯人の方がどうかしていると思う。
しかし、このミステリの真骨頂は、むしろ密室以外のところにあるのだと思う。クイーンの中期作品の中には「ライツヴィルもの」と呼ばれる一連の作品があり、それはわりあい人間心理の中に謎を求めるようなタイプの話が多いのだが、実はこの作品もいわば「隠れライツヴィルもの」であるようだ。実際、鍵を握るのは架空の街ライツヴィルを舞台とした人間模様なのである。そして、そこの部分の謎と謎解きは、不器用な密室トリック(でも、かなり盲点を突かれて悔しかったのだけど)よりも、ずっと魅力的であった。
物語としての派手さ、おもしろさもあり、なかなか楽しく読むことが出来た。 -
エラリー・クイーン・シリーズ
ある朝突然キング・ペンティゴに届く脅迫状について捜査するために自宅から連れ去られたクイーン親子。ケインの弟エーベルによる依頼。ペンティゴ島に幽閉される2人。タイプライターから犯人を見つけるが・・・。ジュダによる空砲の銃撃。密室で撃たれたケイン。密室内に倒れた妻カーラ。ライツヴィルでのペンティゴ兄弟の過去。少年時代の川での事件。
2002年1月14日再読
2010年5月25日再読