フォックス家の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1981年5月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784150701321

みんなの感想まとめ

過去の事件を再調査する物語が描かれ、特に12年前の妻の毒殺事件に焦点が当たります。戦争体験によるPTSDが絡む中で、過去の真実を解き明かす過程には新鮮さが感じられ、読者は証拠の発見やその真偽に心を躍ら...

感想・レビュー・書評

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  • ライツヴィル物は他のエラリイ・クイーンのシリーズとは雰囲気が違いますね。全体的に暗い雰囲気が漂ってる感じで。事件も家庭の暗い部分の話とかが多いし。まあこの雰囲気も好きですけどね(笑)今回は過去の事件の調査だったけど現代でも色々と動きがあって楽しめました(笑)事件の真相はなんとなく予想がつくところはありますね。それでも楽しめるのは良いです(笑)

  • 戦争体験によるPTSDが、過去の殺人事件に根差したものと扱われるのには、やや首を傾げるが、現在進行形ではなく過去の事件を覆すという展開は、シリーズ内では新鮮だった。イソップ寓話の「すっぱい葡萄」がモチーフだと思うが、諦めなかった狐が手にした果実の味は果たして甘いか、苦いか、酸っぱいか。

  • 12年前に妻を毒殺した事件を再調査するお話。正直、どんな風に12年も前の事件の証拠が出てくるのかワクワクでした。見つかったと思ったら関係無かったり、また別の話やったり…結構ヤキモキする。

  • あー、これは推理小説ではないな。まあライツヴィルシリーズは
    こういう系統なのかも知れないけど。

  • 「僕は満足していません」。
    12年以上前に妻殺しの罪で終身刑となった男。その無罪立証のために再調査の依頼を受けたエラリイ・クイーンが、事件当日の状況を再現した後に吐く台詞だ。あらゆる事実が状況証拠の裏付けをし、男の犯行であることを、あらためて示していた。だが、論理的な疑いがひとつでも残る以上、納得することはできない。初期の冷徹ぶりから様変わりしたクイーンの熱い男気を示すシーンといえる。

    中期以降、ライツヴィルを舞台とする物語を展開したクイーンは、自らの探偵に単なる思考機械で終わらない人間性を肉付けし、社会的情況も加味しつつ、作品そのものに深みをもたせた。
    発表は1945年。日本を敵国とする中国戦線を経験し精神的後遺症を負った青年を登場させ、不貞に起因する家庭の崩壊も重要な要素としてプロットに含めている。絢爛たるトリックなど過去の遺物であるかの如くクイーンは割り切り、謎解き自体は捻りのないささやかなものに抑えている。だが、解明された真相に対する結末の付け方は、明らかに成熟している。「本格派の巨匠」としてミステリ史に多くの傑作を残したクイーンは、衰えたというよりも良い意味で「枯れて」いったのだろう。ミステリとしての醍醐味が薄れたとはいえ、固い信念の下、無実と確信する者のために行動するクイーンの姿が初期よりも魅力を増したことは間違いない。

  • ライツヴィルシリーズの2作目。

    【あらすじ】
    第二次世界大戦の戦績により、ライツヴィルの英雄に祭り上げられたディビィー大尉。しかし彼は、戦争中の血生臭い記憶と、殺人犯の息子—父親が母親を毒殺した—であることの負い目で、精神に異常を来たしていた。
    エラリーはディビィーの妻リンダから、彼の父親が殺人犯で無いことを調べて欲しいと持ちかけられ、再びライツヴィルの地を訪れる。

    【感想】
    12年前に起こった毒殺事件をエラリーが調査し直すことで、当時表になかった事実を引き出し、その結果、事件の確信が明らかになるというプロットになっている。序盤は父親に不利な情報しかでてこず、苦心するエラリーだが、1つ2つの事実を使って状況を逆転させる痛快さを楽しめた。
    ただ、最初から父親が犯人でないとの前提で読むと、結論がある程度予想できてしまう。終盤、その流れに入ってしまい、せっかくのどんでん返しが弱く感じたのは少し残念だった。

  • 今までのクイーンと比べちょっと異質感があるかな。
    謎が少々小粒だし、「小説」としてはそれほどいい出来ではないかも。いろいろ強引なところもあったし。

    とはいえエラリー・クイーンの作品。面白くないはずはありませんぜ。

  • クイーンもの。ライツヴィルの英雄として戦線から帰還した、デイヴィー・フォックス。しかし、彼の父親は妻――つまりデイヴィーの母を毒殺した疑いで刑務所にいた。デイヴィーの精神は戦争によって不安定となり、父親が殺人犯ということが相まって、妻を殺害したくなる殺人症状に悩んでいた。「父親が殺人犯出ないということを証明すれば、殺人症状はなくなるのではないか」と提案され、エラリーは、12年前のデイヴィーの父の事件の再捜査を開始する。

     12年前の事件をエラリーが解決する作品で、ここまで過去に遡る作品は、クイーンものとしてはこの時点で初なんじゃないでしょうか。内容としては単純で、デイヴィーの父――ベイアード・フォックスが、妻を殺害したかしなかったかという謎を主題として、物語が進行します。
     単調な謎ですが、12年前のことから真実を導き出す面白い作品でした。謎自体に大胆なトリックが仕掛けられている類の作品ではありませんが、登場する状況や証拠物件などなど、当時の状況から推理を進めていく過程がクイーンらしい。ただ、これだけでは物語として足りないこともあり、「小説」部分も人間が描かれ、退屈せず読むことができました。
     ただ、まあ、ラストの方で、その根拠が知りたいところはありましたが……。とはいえ、そこは一部で、全体を通して面白い作品でした。

  • ライツヴィル物の2作目。トラウマを負った青年のため12年前の殺人事件の真相に挑む”回想の殺人”もの。意外なトリックや特異なプロットといった派手さはないものの、丹念な人間描写が素晴らしい。整然とした論理や、全ての章題にきつねを絡ませるといった遊び心も愉しい。

  • 1945年発表
    原題:The Murder Is a Fox

  • エラリイの名推理には期待しないこと。
    そもそもこの作品にさえわたる推理なんざ
    存在いたしませんので。

    全体的に精神病特有の
    狂気が混じっているので
    読むのには間違いなく苦労することでしょう。

    それといやみな人物もいますしね。

  • ライツヴィル編
    戦争の英雄として帰還した男が妻を殺害しかけた。自分に流れるという殺人者の血に恐れる男。男の妻はエラリーに父親が逮捕された夫の母親の死亡事件の調査を依頼する。

     2001年12月31日読了


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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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