九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2015年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150701529

作品紹介・あらすじ

次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。指紋も動機もなく、目撃者も容疑者もまったくいない。〈猫〉が風のように町を通りすぎた後に残るものはただ二つ――死体とその首に巻きついたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しみながらも、エラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される! 待望の新訳版

みんなの感想まとめ

ニューヨークを舞台にした連続絞殺事件を描く本作は、緊迫感あふれるパニックの様子や、都市全体が恐怖に包まれるさまが印象的です。エラリーとクイーン警視父子のやりとりが魅力の一つであり、古典的なミステリーの...

感想・レビュー・書評

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  • 前作「十日間の不思議」
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4150701547
    でエラリー・クイーンは、素人探偵としての問題に直面する。「今後は探偵の仕事は受けない」とまで揺るがされたエラリー・クイーンは、再度事件に向かい合うのか。

    そんなエラリー・クイーンが戻ってきたNYを揺るがす大事件が勃発する。マスコミによって「猫」と名付けられた連続絞殺魔が跋扈しているのだ。
    ニューヨーク市警は、リチャード・クイーン警視を捜査責任者に任命した。どうやら息子のエラリー・クイーンの手助けを頼みとしているらしい。
    父からも捜査協力を頼まれたエラリー・クイーンは、これ以上の被害を食い止められるならと、ついに協力することにした。


    これはNYの街がよく書かれている!そして連続絞殺魔被害を煽るマスコミ、不安から野良猫を殺したり暴動起こす市民、それを抑えようとするけども責任も逃れたい警察や政治上層部もよく書かれている!
    警察やNY議会が市民に説明会を行うんですが、その途中でパニックが起きてそこから大暴動に勃発するんですよ。この描写の迫力。そしてコロナの時の、説明やら外出控えようね発信とかの頃を思い出しましたよ。

    エラリー・クイーンのジレンマも「綺麗に解決してお悩みスッキリ消えました☆」ではないところがまた良かったなあ。
    この気持ちを持ってこれからも捜査に関わっていくんだろう。

    • 淳水堂さん
      akikobbさん

      改めてakikobbさんのエラリー・クイーンのレビュー読んできました!
      あ〜い♪あ〜い♪愛♪♪

      って感じで...
      akikobbさん

      改めてakikobbさんのエラリー・クイーンのレビュー読んできました!
      あ〜い♪あ〜い♪愛♪♪

      って感じですてき\(^o^)/

      まずは、スタートの「ローマ」、キャラクター把握したいので「チャイナ」かなあ。
      akikobbさんが登録しているKADOKAWAの越前敏弥訳ですね!
      2025/07/24
    • akikobbさん
      読んでくださって、いいねありがとうございます。いやあ、お恥ずかしい…と言いつつエラリーに関しては恋そして愛です!世の評価と論点が違いすぎてど...
      読んでくださって、いいねありがとうございます。いやあ、お恥ずかしい…と言いつつエラリーに関しては恋そして愛です!世の評価と論点が違いすぎてどうも話が合わないんです…笑 勝手に騒いでいるので生ぬるい目でみていただければ…
      淳水堂さんのご感想も楽しみにしています!
      東京創元社では別の新訳も出ていますよ。でも、角川の越前敏弥さんは、お読みになったハヤカワの新訳と同じ訳者ですし、解説の飯城勇三さんもクイーン研究者ですので、おすすめです。
      2025/07/24
    • akikobbさん
      p.s. チャイナが選ばれたの地味に嬉しいです♪
      p.s. チャイナが選ばれたの地味に嬉しいです♪
      2025/07/24
  • 『十日間〜』の次作として予備知識無しに読んだら舞台がニューヨークで内容も全く違うので戸惑った。ミステリとしては『十日間〜』の方が面白かったが、パニックものとしてはデマから起こる狂騒や都市の雰囲気が現在とオーバーラップするのが興味深い。

  • 時々、こういう古典を読みたくなる。
    エラリーとクイーン警視父子のやりとりが好きで読んでいるようなもの。
    事件のトリックとか謎の解明の方法とか今読むとなんだかなという感じになってしまう。
    個人的には、もっと安楽椅子探偵っぽいのが好きだ。なので、本作のように、事件がニューヨーク全体を恐怖に陥れる描写や、事件解決のために一般女性に危険な囮捜査をさせたり、最後は高名な学者に会いにウィーンまでいって精神医学的議論の上事件の真相を明らかにしていく流れは、読んでいて疲れる。
    真相を知っても、勝手なエラリーのこじつけのようにも感じ、なるほど!とはならない。

    でも、いいのだ。
    あの二人の会話、醸し出す空気感を楽しめたのだから。

  • 出だしから既に5人も亡くなっていてその後もどんどん殺されていき、題の通り9人殺されるのだろうかと面白かったのだが、真相が微妙だった。
    この人が怪しいと見せかけてからの、実はこの人と最も親しい存在のこの人!というやり方は良かったが、これだけ長編な割には、もっと犯人の考え方や生い立ちなどをがっつりと説明して欲しかった。

  • 共通点の無い連続殺人事件の被害者たちの深まる謎の数々。姉が殺されたことにより財産分与が多くなる二人の人物の事件への関わりでまたもや深まる謎。
    エラリー・クイーンの推理力と洞察力により微かな手がかりを見つけるが、おとり捜査による失敗。
    真犯人と思われる人間を拘束した後のエラリー・クイーンの懊悩…
    古典とも言われるこの一冊だけれど、何故だか犯人の異常性に現代も納得させられる一面もあり、長編なのにページを捲る手が止まらなかった。

  • ライツヴィルシリーズの「十日間~」の次にエラリーが取り組んだ事件。いやあどこをとってもお見事。
    ライツヴィルでの苦い挫折の経験を経て、探偵の真似事を辞めると宣言したエラリー。彼を再び事件の現場へと引き戻したのは、ニューヨークでの無差別連続殺人事件だった。

    郊外の都市で起こったライツヴィルの事件とは異なり、大都会NYでの事件の描写、特に市民が自警団を編成してパニックから暴動へと至る流れが、ここ2年のコロナでのパニックを見ていると頷ける所が多くて面白い。そしてさらに、探偵の背負う「業」について、精神科医と語り合うところ、シビれました…。

  • ニューヨークで発生した連続絞殺事件。被害者に共通点はなく、捜査は難航する。そんな中、市長直々に特別捜査官の任務を拝命するエラリー。一人また一人と犠牲者が出る中、分かったことはターゲットの年齢がどんどん若くなっているということだけ。
    遅々として進まない捜査に業を煮やした市民は自警団を結成、混乱状態に陥ったニューヨークはさながらゴッサムシティ。
    エラリーはついに、犠牲者たちがみな同じ産婦人科医カザリスによって取り上げられていたことを突き止める。カザリスは、犠牲者の近親者として警察に接近していた人物でもあった。逮捕されたカザリスは全てを自供するが、実は一つ目の事件の際にはアリバイがあった。カザリスは妻を庇っていたのだった。カザリス夫妻は二度、子どもを分娩室で亡くした過去があり、そのときの産婦人科医はカザリス自身だった。夫人は子どもを失ったショックから、「なぜ夫は他人の子どもは取り上げることができるのに、自分たちの子どもはできなかったのか」という思いに囚われるようになり、カザリスが取り上げた子どもたちを順に殺害していくようになったのだった。
    クイーン作品は限られた範囲内に容疑者候補がいて、論理的な推理と消去法を駆使して犯人を突き止めるのが基本スタイル。なので、このような劇場型無差別連続殺人は珍しい。ある大御所作家の名作を想起した読者も多いはず。実際に、この作中でもその法則について言及されている。
    犠牲者の女性はなぜみな独身なのかという点が、カルテと電話帳を照らし合わせてターゲットを探す際、結婚すると姓が変わり見つけられなくなるから、というクイーンらしい論理的な推理には脱帽。
    犠牲者やその近親者は無辜の市民で、それだけに事件に巻き込まれ悲しみに暮れる様子に胸が痛む。登場人物を単なる推理の駒以上に描くエラリー・クイーンの技量がなせる業。
    犠牲者の近親者であるセレストとジミーも魅力的なキャラではあるものの、自分から申し出ておいて自分勝手なことを言うジミーは正直あまり好きになれなかった。

  • うだるように暑い夏。「日中の外出は避けたほうがいい」という天気予報を盾に、コーヒーとエラリー・クイーンを片手にゴロゴロする週末。

    登場人物表に被害者がずらりと並ぶ異色の展開。なかなか手がかりがなく、クイーン父子の苦境が続く前半。世論が形成され、暴発する様は現代にも通ずる肌ざわりでザワザワする。サイコサスペンスの様相をおびる後半。ただでは終わらない結末。
    好みでいうと国名シリーズの頃の明るい感じのほうが好きだけれど、さすが、エラリー・クイーン。引きこもりのお供として安定感ある。

  • 『十日間の不思議』で辛い挫折を味わったエラリイが、NYに帰ってきて、父クイーン警視や市長たちに請われて連続絞殺魔と戦う。
    ライツヴィルという田舎でのじっとりした人間関係の中の殺人と、ニューヨークという世界屈指の大都会で、被害者同士の繋がりさえ見えてこない連続殺人。
    一人で推理し戦ったライツヴィルと、警察組織がバックにつき、警視やヴェリーや、途中からは被害者遺族まで加わって捜査にあたるニューヨーク。
    いろんなことが対照的でとても面白かった。

    ミッシングリンクものは、たくさん死ぬ割にその繋がりを探すというところでどうしても足踏みしがちで、読んでいて途中だれてしまった。
    被害者の数もちょっと多すぎるような…でもだからこそ面白い真相でもあり…。
    最後の事件のあとは息もつかせぬ面白さで、やっぱり論理的な解決、伏線が綺麗に回収されていく爽快さは素晴らしかった。

    エラリイの挫折と癒しについては、うーん、どうなのかなぁ、という気持ちも少し。
    このあとは何に繋がるのかな

  • レーンシリーズより面白かったと思う。
    カザリス逮捕の時点で7割ほどの進捗だったのでこの後どんな展開かと思ったら、セレストとジミーの結婚、動機の追求、そして真犯人解明と最後の最後まで楽しめた。

    ただ、犯人が女性だったが、細い紐で抵抗されず男を殺せるものだろうか?そう考えてカザリス夫人を犯人候補から退けていたので、やや疑問が残った。

  • ニューヨークを舞台に連続絞殺事件が起こる。手がかりもなく、目撃者も容疑者もまったくいない。“猫”と呼ばれる犯人が残したものは死体とその首に巻きつけたタッサーシルクの紐だけだった。前の事件で自信を無くしたエラリーは、関わり合いになりたくないと思うが、周囲の勧めもあって調査に乗り出す。
    エラリーの落ち込み具合がひどく、事件解明も遅々として進まずもどかしい。
    次に誰が殺されるのか、被害者の共通点がわからずパニックを引き起こすような連続殺人事件。そして殺害動機。昔の作品なのに、古さを全然感じない。

  • 9人も被害者がいる(エラリーが捜査に加わる時点ですでに5人が被害に遭っている)こともあり、かなり展開はあったので最後まで面白く読めた。
    犯人に関してはそもそも候補者が少ないので想定内ではあったが、被害者の繋がりが判明する部分は納得のいく説明がされていてとても面白かった。
    事件そのものも面白いんだけど、それによって街や市民たちの間に不安とか恐怖が漂う様子が不気味。残りページ数とか雰囲気でまだ何かあるんだろうなとは思いつつ、犯人が逮捕されいったん解決したかのような描写が入ってからの真相パートが良かった。エラリーが苦悩しているのは少し辛いけど、締めくくりとしては前向きなものだと感じた。
    ジミーが失礼であんまり好きじゃないと思ったけど、読み終わってみるとジミー以外の人物が暗すぎるので、まあありなのかなと思った。

  • 面白かった!
    被害者の年齢が若くなっていってるのはすぐに気づけた!
    犯人についても、終盤から予想できたし当てられた。
    でも独身女性が多い理由などは気づけなかったなぁ。

    単なるサイコパスなんじゃなくて、犯人の動機にも少し納得できたし、そして犯人を庇った理由も納得できた。
    悲しい事件たちだけど…そんなの被害者達からすればそんなことで殺害されちゃうなんて良い迷惑なわけで…。

    でも少し冗長な気がした。あと50ページくらいコンパクトになってたら更に読みやすかったと思う。

  • 面白かった!!
    表現が詩的なところもあり、皮肉たっぷりのところもあり、読み物としても楽しい。悩めるエラリィを応援したくなる。
    犯人は途中でそうかなぁと思ったけれど、分かっても最後まで一気読みさせる。

  • エラリークイーンの国名シリーズを読み終えたので、他の作品もと読んでみた。連続殺人。混乱する市民。犯人を特定するにあたった推理。ミステリーファンにはたまらない作品だった。

  • 26/2/13

  • 戦後のNYで起こる連続殺人事件の話。
    ミッシングリンクがテーマで、その謎がサスペンスのように物語を追う形で明かされていきます。
    クイーンといえばやはり読者への挑戦状とエラリーによる怒涛のロジカル本格推理のイメージなので少し物足りなさはありました。
    作風が変わった後期の作品であるこれもそれはそれで面白いですけどね。

  • 物語自体はすごく面白いけど翻訳が不自然で読みにくいところがあった。

  • 『十日間の不思議』事件でダメージを受けたエラリイが復活するまでが割りと早い。あまりウジウジされても困るので良かった。事件解決後に再び心にダメージを受けたエラリイに与えられたセグリマン博士の言葉が良い。事件の展開は面白い。被害者たちの共通点が明かされるあたりから盛り上がってくるな~。他のクイーンの作品も新しく読みたいな。

  • エラリー・クイーンの作品では一番好き!

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著者プロフィール

越前 敏弥
1961年生まれ。文芸翻訳者。訳書『世界文学大図鑑』『世界物語大事典』(以上、三省堂)、クイーン『Yの悲劇』、ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(以上、KADOKAWA)、ダウド『ロンドン・アイの謎』、ブラウン『真っ白な嘘』(以上、東京創元社)、ハミルトン『解錠師』(早川書房)、マッキー『ストーリー』(フィルムアート社)など。著書『文芸翻訳教室』(研究社)、『翻訳百景』(KADOKAWA)、『名作ミステリで学ぶ英文読解』(早川書房)、『はじめて読む! 海外文学ブックガイド』(河出書房新社、共著)など。

「2023年 『オリンピア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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