- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150701536
作品紹介・あらすじ
名探偵エラリイが導き出した、十二年前の毒殺事件の真相とはいったい? 巨匠クイーンの〈ライツヴィル〉ものの秀作、新訳版刊行
感想・レビュー・書評
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エラリイがライツヴィルで12年前の事件に挑む。もう一度調査するにつれ出てくる違和感。推論の積み重ねで真実に迫る展開は楽しかったが、真相は何とも微妙かな。解説はクイーン未読の多い私にはネタバレになるかと思い流し読み。新訳読みやすい。
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エラリー・クイーンの作品は結構読んてきたが中でも読みやすい一冊てした。
割と最後まで、犯人が絞り込めず先が見えなかったがちょっと推理できる展開ではなかったかも。手がかりがすくないし、トラップが多い。人の親としては結構考えさせられる最後。親の愛は偉大。 -
一九四五年発表の作品。デイヴィー・フォックス大尉ーー何人もの日本兵を叩きつぶした「英雄」ーーの凱旋を、ライツヴィルの人々が華々しく歓迎する場面から物語は始まる。しかし実際のところ、彼は戦場で心を壊してしまい帰還したのだった。ミステリー作家として、殺人事件が核となる娯楽小説をずっと書いてきたクイーンだが、戦局が激しくなってきて、改めて「人が人を殺すとはどういうことか」をきちんと示したかったのかな…と思わせる冒頭。
後半でも、ナチスの強制収容所の話が出てくるが、それ以外はいつもの謎解きエンタメ性バッチリ。ドラマツルギー的にだいたいこういう筋書きだろうなあとは予想ができるものの、どうやってその結論にたどりつけるのかはさっぱりわからなかった。そこへ、エラリーの推理でピシッパシっとパズルのピースが埋まっていく快感はやっぱりたまりません。
私は今『ダブル・ダブル』の新訳発売に向けて、先延ばしにしていた未読のライツヴィルシリーズを今こそ読まなきゃ〜と焦っているところ。それでも、唯一読んでいたが忘れかかっていた『災厄の家』を読み直してから臨んで良かった。懐かしい面々がたくさん登場するので、エラリーと一緒にライツヴィルに戻ってきたかのような気持ちになれます。デイキン署長、マーティン判事はもちろん、エミリーン・デュプレさえ愛おしくなる不思議。
ニューヨーク組のパパ・リチャードとヴェリー部長刑事も、出番はほんのちょっとながらいい感じで出演してくれるのも嬉しい。巻末解説に「裏ベスト」なんて言葉もあったけれど、確かに確かに、エラリー初心者には響かずとも、エラリー作品に愛着のある読者にとってはかなり満足度の高い一作なのでは。好き。 -
名探偵エラリイ・クイーンが活躍する、「ライツヴィル」という(架空の)町を舞台にした作品の第2弾、その新訳版です。(第1弾は『災厄の町』)
まず感じたのは、旧訳版に比べて、新訳版では第二次世界大戦(太平洋戦争)の影響を色濃く感じたこと。
1945年に発表された、1944年が舞台の作品ですが、本書の主人公であるデイヴィー・フォックスは日本軍との激戦で、戦争の英雄となりながらも心の傷で病んだのでした。
本書の解説によれば、旧訳版では日本軍に対するデイヴィーの感情を少しぼかした翻訳表現もあったように推察されますが、今回の新訳版ではそこをきっちりと訳されているようで、そのため、より戦争後遺症の苦しみ、すなわちデイヴィーの苦しみが感じられるようになったと思います。
そして、そんなデイヴィーの心理には、過去に父ベイヤードが母を毒殺した事件が影響している…ということで、12年前の毒殺事件を再調査するために、探偵エラリイ・クイーンが登場します。
この部分は、ほぼ同時期に発表されたアガサ・クリスティーの『五匹の子豚』——回想の殺人を扱った佳作——などを思い出し、興味深かったです。
事件の真相は、作家クイーンの某作とも少し重なる印象も抱きましたが、それに対するある人物の言葉が感動的です。
そして、「ライツヴィル」という町の変遷も楽しめるこのシリーズはまだ続きます。
次作『十日間の不思議』もハヤカワ文庫から新訳版が出ましたので、ハヤカワ文庫からは(ライツヴィル・シリーズではありませんが)『九尾の猫』も合わせて、クイーン中期の傑作四作が新訳で甦りました。
訳者の越前敏弥さんもおっしゃっていましたが、ぜひ、
『災厄の町』→『フォックス家の殺人』→『十日間の不思議』→『九尾の猫』
の順番で読んでみてください。
※)以上の感想は、「本が好き!」サイトに記した書評を少しまとめたものです。
https://www.honzuki.jp/smp/book/295501/review/257188/ -
12年の時間を隔てての困難な調査を進めるエラリイの鮮やかな頭脳。それと平行して語られるデイヴィーの心の傷の深さが痛ましい。我々敗戦国の人には知り得ない、戦勝国ゆえの苦しみ。ほんと、戦争はイヤだ‼︎
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文章面白いし~ハラハラもいい!引き込まれる!けど、、、後味が良くない。。。かわいそ!ってなった!
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戦争後遺症に苦しむ、デイヴィー。奥さんの助言で、エラリークイーンに相談する。
父と同じように、妻の首を絞めてしまったからだ。昔の事件を説明する。
ライツヴィルという架空の町の話。「災厄の町」から新たなる展開があった。単なるミステリではなく文藝作品をエラリークイーンは目指したのだった。
自分も父と同じように奥さんを殺すのでは。戦争では人を殺すことばかり。殺して殺して殺しまくる。それが出来なくなることは死ぬことだ。
でも、もし父が母を殺してないなら、と、奥さんのリンダがエラリークイーンに過去の事件の再考察を要望した。12年前の事件。
なんか、切ないなあ。一方を取れば・・・。
途中の薬剤師の嘘はいらない。
ジェシカからの手紙。
自殺か? それともやはり。
うううう。