- 早川書房 (2022年12月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784150701567
作品紹介・あらすじ
製靴業で成功したポッツ家で決闘騒ぎが起き、巻き込まれたエラリイは一計を案じるが……奇妙な童謡殺人を描くクイーン中期の傑作
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
奇妙な童謡をテーマにした見立て連続殺人が描かれる本作は、ポッツ家の異常な家族関係とその中で繰り広げられる事件を通じて、ミステリーの醍醐味を味わわせてくれます。エラリイが決闘を防ごうとするも、予期せぬ展...
感想・レビュー・書評
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新訳読みやすかった。マザーグースの見立て連続殺人なのだが不穏感は少なく、事件から謎解きへの流れは逆にきびきびとした印象。解説にもあるようにポッツ家の異常者は発表当時程驚かれないかも。エラリイの好みのタイプはわかりやすい。
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「マザー・グース」って、軽やかな童謡でも歌詞が結構グロかったりするので、ミステリ史上でも見立て殺人の名作が書かれていますよね。それらの感覚で読んでいくと、途中までそういう見立てをやる狂人は誰なの?ということを気にしながら読み進めます。と、ラストで思いっきりひっくり返されてしまいます。びっくりしたとか、そんなもんじゃない! 昭和の日本人である私は思わず「たたりじゃー!」と叫びます(←嘘です)。印象に残ったのは、やっぱり、複雑な犯罪は正気でほぼ冷静でないと企てられないこと、誰が一番得をするのかを考慮すべきだということ、でした。
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一九四三年初版。国名シリーズ→ハリウッド→ライツヴィルときて、またここでニューヨーク市警レギュラー陣わちゃわちゃシリーズへ戻る。わちゃわちゃぶりはだいぶこなれてきた…ヴェリー部長刑事もよく喋るし(昔は影のようだった)、プラウティ医師も少ない出番ながら「(プラウティ医師、退場)」なんて太字の括弧付きで書かれたりするし…と思ったら、解説によるとこうした登場人物たちの性格や“ノリ”は一九三九年に放送開始されたラジオドラマ版エラリー・クイーン・シリーズに寄せたものだとのこと。
なるほど、それだけでもなるほど、なんですが、本作はさらにそのラジオドラマ版に登場するある人物の、前日譚まで兼ねているということだ。こういう演出は本当にクイーンの得意技だよなあと思うが、当時のラジオドラマファンの人はさぞかし喜んだだろう。論創社から四冊出ているというラジオドラマの脚本集、私もいずれ読まねばなるまい。
ミステリーとしてのトリックやらロジックやらについてのコメントは、すでに世にある解説や他の方のレビューにお任せして、私はやっぱり、『十日間の不思議』のレビューに引き続き、エラリーの恋愛について語りたい。ので語ります。
※他作品も含め、このあと事件の真相に関わるようなネタバレはしないつもりですが、そうでない部分についても先入観を持たされるのはごめんだという方はご注意ください。
今回のエラリーのロマンスは、エラリーがシリーズの主人公名探偵として到達できる最大限の「恋の成就」だったのではないかなあ。という話。(ど、どうでもいい!が続ける)
まず、エラリーは結婚する未来を封じられている(第一作『ローマ帽子〜』の序文では、後に妻子を設けイタリアに移住する未来が描かれていたのに、いつのまにかその設定は闇に葬られた)。そして、一九三八年『ハートの4』で初登場し、短編集『エラリー・クイーンの新冒険』に収められた一九三九年発表の四作品で甘々のイチャつきぶりを見せた相思相愛の恋人ポーラ・パリスは、その後姿を表さない(らしい)。やはり、探偵役にステディな相手がいると、作劇上何かと都合が悪いのかもしれない。“名探偵を結婚させると不自由”という言説は、以前『明智小五郎全集(講談社文庫)』の解説でも見かけた。
見えざる神の手によって結婚も恋愛も阻止される運命にあることを悟った(?)のか、エラリーは『災厄の町』でパティ・ライトといい感じになるも、“美女に惚れられても身を引いてしまう寅さん体質”(飯城勇三『エラリー・クイーン完全ガイド』より)を遺憾無く発揮。ポーラのときのように決定打をかましにはいかず、失恋といえば失恋に終わった。それに対し、今回の恋のお相手とは、飯城さんの解説によれば今後も“友達以上恋人未満”の関係が続くということだから、いわば“持続可能な男女関係”(←野宮真貴が横山剣とのデュエット曲に関して述べた言葉をお借りしました)に持ち込めたわけで、物語の都合を背負ったエラリーの立場としては最大限の勝利なのではないだろうか。私みたいな下世話な読者に対しても、楽しいニヤニヤを提供できるし。
エラリーがどれだけ熱をあげるかは色々だが、ある時期以降結構どの作品でも印象的なヒロインが登場するのもクイーン作品の面白いところだ。色んな美女が出てきて、まさに寅さん見てる気分。女性の台詞は特に古い訳だとどうも不自然に感じがち(「〜ですの」とか)なので、どんどん新訳が出てくれたら嬉しいなと思うけど、ちょっと古い日本映画の女優さんのあのお上品な話し方をイメージすれば良いと思えば、苦手意識が減るかもしれない!
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111108さん
お返事ありがとうございます。伝わりましたか、良かったです!というか聞いて下さってありがとうございます、私の語りたい話題を...111108さん
お返事ありがとうございます。伝わりましたか、良かったです!というか聞いて下さってありがとうございます、私の語りたい話題を…笑
内気な眼鏡女子とか、お色気系お姉さんなど、意外とバラエティ豊かに美女自体は登場するのですが、彼女たちにはエラリーはあまり興味がないみたいでした(活発さ△、上品さ△、というところか)。
111108さんはもうお気づきかと思いますが、恥ずかしながらエラリーシリーズに関しては私はついつい恋の駆け引きシーンにばかり夢中になって読んでます。が、これはもうエラリー好きだから仕方ない…。個人的にそこまで好きでもないイケメンが気取り散らしていたら、私もそのたじたじ感覚になる気がします。
でも、とはいっても恋愛小説ではなくミステリーだから楽しいんだという気持ちもあって(推理なんてしてないにしても)、ミステリー小説の面白さって深いですよね〜。(←きれいにまとめたつもり)2023/04/15 -
akikobbさん
ええ、気づいてましたよ。前に学生の頃好きだったミステリー話でブラウン神父をあげた私と、エラリイをあげたakikobbさ...akikobbさん
ええ、気づいてましたよ。前に学生の頃好きだったミステリー話でブラウン神父をあげた私と、エラリイをあげたakikobbさんでは「好き」の範囲が微妙に違うなぁと笑
ミステリーに恋の駆け引きシーンいる?と思ってた私には、こう堂々と「待ってました」宣言されれば何も言えません。むしろそんな風にも読めることがうらやましい!いや〜ミステリー小説の面白さって奥深いですよね〜←まとめセリフいただきました♪2023/04/15 -
2023/04/15
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”<ポッツ靴>はアメリカの靴ーどこでも3ドル99セント” 製靴業で一財産を築いたポッツ家の現当主コーネリア。彼女には2人の夫との間に6年の子供がいた。先夫との間の3人の子はいずれも変人揃い。現夫との間の子、3人はまともであるが、コーネリアからは抑圧されていた。
そんなある日、名誉を傷つけられたとして長男は異父弟に対し、拳銃での決闘を申し込む。彼らと関わることになったエラリーは、実包を空砲とすり替えて重大な結果を回避しようとするのだが、思わぬ事態が生じてしまった。そして更なる悲劇が……というお話。
強圧的な姿勢で家族に臨む女主人と、不満を持ちながらも彼女に逆らうことのできない子どもたち。自分が犯人だと名乗り出た告白状が出てきて、これで一件落着かと思いきや、その告白状の真偽が問題になる。こうして最後の最後までねじれた状況が続く。
第一の真相は分かったが、さらにその奥の真相には驚かされた。エラリーの真相解明に至る推理の道筋が見事。
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間違いなくクイーン作品の中でも最高傑作と呼べるものの一つと言える。トリックはもちろんのこと、災厄の町から始まるこのシリーズの中でもとりわけ国名シリーズの雰囲気が強く、そういった点でもかなり好きな作品である。独特な一家が関わるライツヴィルらしさとエラリーとクイーン警視、ヴェリー部長刑事が全面に活躍する国名シリーズらしさのいいとこ取りのような印象を受けた。
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靴の製造で財を成した、激しい気性のポッツ夫人。彼女の子供は3人は変人で3人はまとも。
ある日兄弟同士で決闘騒ぎが起き、エラリイは愚行を止めようとするが…
これは面白い。海外の小説は敬遠しがちだったけど、読みやすく引き込まれた。結末もお見事。 -
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久しぶりにエラリイ・クイーンを手にしたけど、やっぱり面白い。クイーンの作品はかつて一通り読んだけど、新訳シリーズに期待しちゃう。けっこうクイーンのキャラが違う印象になるよね。ドルリィ・レーンの4作品もハヤカワで新訳出してくれませんかね。
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メタミス的なひねりもあまりない、直球勝負なミステリで、長さも考えるとメイントリックがやはり軽い気がする。その分、読み物としては抜群に面白い。濃すぎる登場人物に、マザーグース殺人と仕掛けも派手。最後の拳銃が見つかってからの、罠と称するエラリイのドタバタなんて過剰サービスの気もする。巻末の解説ではラジオドラマとの関係が指摘されているが、なるほどなあという感じ。
個人的には生涯で初めて読んだエラリー・クイーン物で、多分中学生(ひょっとしたら小学生)の頃のことで、異様に面白かったことはともかく、終盤の展開(犯人が誰とか、署名を巡るあーだこーだ)をまるごと覚えていたのは、さすがに子供の記憶力。ひさしぶりの再読に感慨深かかったり。 -
創元推理文庫から生者と死者ととして刊行されていたが長年手に入らなかった。ずっと読みたいなぁとおもっていたのでハヤカワ推理文庫から出たのを知って直ぐかいました。
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ねじれがすごいのに丁寧に解説されてて面白さを損なわずついていけていい
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ピストルによる決闘に立ち会う事になったエラリィ。なんとかやめさせようと策を講じるが、事件は起きてしまう。
マザーグースの歌になぞらえてストーリーが進むので、独特の雰囲気を醸しだしていて、最後までドキドキしました。エラリィの最後の方の行動は、なかなか勇気がいるので私にはできないです。 -
ライツヴィルシリーズ2冊目
著者プロフィール
越前敏弥の作品

短くまとめるの理想なんですけどね、捨てきれなくて(映画も、面白いのに70分くらいの短さのが好きです)...
短くまとめるの理想なんですけどね、捨てきれなくて(映画も、面白いのに70分くらいの短さのが好きです)。111108さんは潔さがある方なんだろうなあ、なんて勝手ながら思ってました(*´꒳`*)
エラリイの好みについては、読了してから考察したいと思います!笑
いやいや、潔いだなんて‥私は逆にakikobbさんの覚え書きみたいなのが楽しくてしょうがな...
いやいや、潔いだなんて‥私は逆にakikobbさんの覚え書きみたいなのが楽しくてしょうがないですよ!面白いって思ったことをそんな風に書き留めたいなとか、ブク友さん達のようにあらすじとか感想とかちゃんと書きたいと思うけれど、文章考えるのが難しくてたぶん読む時間が削られると思うとできません。読んだ記録を残すという最低限のことができればいいと思うことにしてます。