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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784150703523
感想・レビュー・書評
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カーの記念すべき処女作でアンリ・バンコランシリーズの1冊目です。
数年前、花嫁のルイーズを殺そうとして精神病院へ収容されたローランは殺してしまいたい位に愛していた彼女がサリニー公爵と結婚するという噂を聞いて脱走を企てます。
ルイーズは整形手術で顔を変えた元夫の影に怯えます。
サリニー公爵は首を切られた死体で発見され、さらに事件は続いてルイーズに言い寄るエドアールも殺されます。
カーの怪奇趣味が色濃く狂気的で犯人への恐怖感がとてつもないです。
恋愛、ロマンスの描写が濃厚なのもカーらしいです。
犯人は意外な犯人です。 -
機械のように精巧な論理と人間同士の葛藤が組みあわさった傑作!しかし、かなり難解だった。
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いま読んだらこの評価にならないと思うけれど、初読みの時は夢中でページを繰った覚えがある。ミステリとしても面白かったし、少しだけゴシックロマン的な要素もある気がして、それが学生時代の自分に刺さったかなと思う。
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76年の、ディクソン・カーの処女作。続けて、古い作品読んでみて、昔の作品の手堅く巧妙なミステリーの作り方に驚いた。当時の訳の「〜ですわ」と言うようなフレーズが頭の中で渦巻いてる
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機械のように精巧な論理と人間同士の葛藤が組みあわさった傑作!しかし、かなり難解だった。
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執筆時25歳のカーが1930年に発表した処女作。
いささか緩慢な構成や緻密さに欠ける仕掛け、浅い人物造形などに若さを感じるが、隆盛期にあったミステリの世界に新風を吹き込もうという気概に溢れている。後に開花する怪奇趣味や不可能犯罪への愛執にも満ちてはいるのだが、怨念/愛憎を動機とする殺害の状況は「やり過ぎ」ではないかと感じるほど過剰で、本格物にありがちなトリッキーな不自然さのみが印象に残る。
私の読み落としかもしれないが、第一となる殺人で被害者の首は剣によって切り落とされているのだが、大量の返り血を浴びているはずの殺人者はアリバイ作りのために即刻関係者の前に姿を現している。謎解きの面白さを主眼とするミステリが或る意味厄介なのは、ひとつの引っかかり/疑問が最後まで解けない場合のフラストレーションが、作品自体の評価に繋がってしまう点にある。
存在感の〝薄い語り手〟と〝濃い探偵〟という「本格推理物」ならではの設定は、ポー創始以降、コナン・ドイルが定着させた〝基本〟に倣うもので、大半の読み手が安心感を覚え、推理に没頭できるように形作られている。だが、この手のフォーマットは展開が分かりやすくなる半面テンポが悪くなり、ある程度の技倆が無ければ大した効果を上げない。作家らは、語り手なり探偵に奇抜な造形を施して、新鮮味を与えるように苦心しているのだが、逆に余計な付け足し/邪魔な挿話で終わってしまうことも多い。本作でも、語り手が或る登場人物と恋愛一歩手前までいくという唐突且つ余分なエピソードを盛り込んでおり、それがプロットに生かされているとは言えない。歩み始めたばかりのカーの青さが露呈しているのだが、後の傑作群を思えば、巨匠にも「こんな時代があった」と捉えるべきなのだろう。 -
カーの記念すべき長編デビュー作です。いたってオーソドックスな密室ミステリと思いきや、ばら撒かれた数々の謎は、どこか匂い立つようなエロチックで独特な雰囲気を醸し出しています。予審判事アンリ・バンコラン初登場です!
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その位置に刑事がいることあらかじめ知ってたのか?知らないよねバーテンに聞くつもりとか言ってたし。もしカード室から出るの見られてたらそこで完全に計画はおじゃんだよね。こんなの計画って言えるのか?ところで、シャロン・グレイの親父の件はどうなったんだ?ていうか、首切った時についた血はどう処理したんだ?三階のアレは血を小瓶にでも回収して三階行って手に塗りたくって腕触ったのかね。手を血だらけにしたままアリバイ工作できる訳もあるまいし
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岡山などを舞台とした作品です。
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アンリ・バンコラン・シリーズ
ディクスン・カーの処女作。首なしの死体となって発見されたサリニー公爵。彼の新妻ルイーズの周りには元夫ローランの影。そして第二の事件。ルイーズに言い寄るボートレルの死。サリニー公爵の自宅から発見された死体の謎。オーストリアに行った前後のサリニー公爵の変化の謎。
2010年5月28日読了 -
バンコラン
著者プロフィール
ジョン・ディクスン・カーの作品
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