疑惑の影 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1982年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784150703608

感想・レビュー・書評

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  • 序盤は毒殺の罪で逮捕された無実の女性を救う王道の法廷ミステリー。弁護士である冷笑系・ナルシスト・自己中心的で自惚れの激しい弁護士・バトラー(情にアツい一面もある!)が主人公である。その女性にしか機会のなかった殺人事件を、バトラーの機転で無罪判決を勝ち取る。
    ここまでは文句なしに面白い。二つ目の事件でもバトラーは第一容疑者の別の女性の潔白を証明しようとする。フェル博士が登場し、なにやら事件の背景には悪魔崇拝教団が深く関わっているという展開に…ごろつきや教団達とのバトル描写で露骨に失速。
    典型的な竜頭蛇尾作品で星2が妥当だと思っていたところ、終盤に物語は急展開を迎えて、竜頭蛇体竜尾となる。

    【完全にネタバレ】







    最初に疑われた(投獄された)者が結局は黒幕で、時間差によるアリバイトリックという展開。これはアレですよねアレ。共犯者によるアリバイトリックなのでいくらでも貶すことはできる…が、バトラーの「ぼくは決して間違わない」というセリフの信憑性が"彼女は無実である"という地の文を上回るというミスリードが最終盤まで効果的であった。犯人とバトラーの二人だけのオトナな世界でアクセル全開、劇的なクライマックスを迎える…好み。

  • フェル博士&バトラーの活躍するミステリ。個人的にはバトラー、なんだかチャラくって好きになれない、って思いましたが。活劇めいた場面の数々は楽しかったです。そういうの、フェル博士には無理だものね。
    相次ぐ毒殺事件とその裏に隠れたある組織の活動。不穏な雰囲気にぞくぞくさせられながらも、どちらかといえばテンポの良いあっけらかんとした物語という気もしました。二人の美女の間で揺れ動く(というよりふらふらしているようにしか思えない)バトラーがいまいち信用できん、と思いつつも(笑)。それなりの活躍は読みどころです。
    事件の真相は案外盲点というか。そういうことだったのか! そしてこのラスト。まさか!と思ったら少しくすりとさせられる部分もありました。まあ一応主役の一人ですもんねえ。

  • フェル博士シリーズ

    雇い主であるミルドレット・テイラー夫人を毒殺したとして裁判にかけられる被害者の秘書ジョイス・エリス。彼女の弁護を請け負ったパトリック・バトラー。使用されたアンチモンの出所の謎。バトラーの弁護で無罪判決を受けたジョイス。リチャード・レンショーの毒殺事件。容疑をかけられた妻のルシア。ルシアの依頼で事件の真相を探るバトラー。離婚の為にルシアが雇った探偵が襲われる事件に注目し探偵社を訪れるバトラー。バトラーに証言をした直後に何者かに絞殺された探偵社社長ルーク・パースンズ。バトラーの周囲で動く金歯の男の謎。レンショーがボスとなっていた悪魔崇拝教団内部の権力闘争。フェル博士の導きで事件の真相に迫るバトラー。

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著者プロフィール

別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。1906年、アメリカ生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、30年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した。1977年死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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