眠れるスフィンクス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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  • 早川書房 (1983年8月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150703660

みんなの感想まとめ

戦争から帰国したホールデン少佐が、愛するシーリアと再会するところから物語は始まります。彼は、シーリアの姉マーゴットの死や、シーリアの精神状態にまつわる驚くべき真実に直面します。マーゴットの死因を巡る疑...

感想・レビュー・書評

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  •  内容は、戦死したと思われていたホールデンが帰国した。戦前愛していた女性のもとを尋ねるが、その女性は神経を病んでいると、姉の夫であるソーリィから聞かされるものの、正常に見えた。姉は病気でなくなっていたが、各々がそれに疑問をいただいていた……。
     姉のマーゴットの事件の秘密について、カーの作品としてはあまり興味を惹かれなかった。それに秘密があるのは作品の主題であるのだけれど、これといったトリックがあるわけでもなく、作品としては物理的だったり怪奇的なものではなく、心理面だった。
     事件についての伏線は、ほうぼうに散りばめられており、それらを回収することができれば推定できそうだけれど、そこはさすがうまかった。え、これが関係あるの? みたいなところもあり、解決は納得がいった。
     他にも謎はあるのだけれど、一番大きな謎が心理面であまりぱっとしないというのもあってか、盛り上がりに欠けましたが、楽しい作品でした。

  • フェル博士シリーズです。
    諜報部の特殊任務で死んだことにされていたホールデン少佐は戦争が終わって数年ぶりに帰国して、思わぬ知らせを聞かされます。
    密かに愛情を抱いていた娘シーリアは精神を病み、友人のソーリイと結婚したシーリアの姉マーゴットは半年前に脳出血で急死したというのです。
    そして、ようやく再会を果たしたシーリアはマーゴットがソーリイから虐待を受け続けた末に毒を飲んで自殺したと主張します。
    ホールデンが愛するシーリアただ1人だけがマーゴットの病死を否定し、そのために正気を疑われているという状況は読者を物語に引き込んでいきます。
    そんな中、マーゴットが葬られた際に封印された納骨所の中では足跡1つ残さず重い棺が動かされていたのです。
    不可能状況の謎である封印された納骨所の中でのポルターガイストの原因はなかなかおもしろいと思います。

  • 諜報機関に属していたため、都合上4んだ事にされていた語り手ホールデンが復員し、数年ぶりに旧友ソーリィと恋人シーリアに再開する場面から始まる。「なにか特別な任務で遠くへいらしていたのね。」恋人の第一声に込められた思いは後に如何ほどのものであったか分かる。
    ホールデンは旧友の妻であり恋人の姉であったマーゴットが脳出血で4んだと聞かされる。旧友ソーリィは病死と説明するが、恋人シーリアはソーリィの虐待を苦にしての自死であると完全に意見が食い違っており、ホールデンは旧友と恋人のどちらを信頼するか悩んだ挙句に殺人という結論を出す。

    物語の核となるのが二者択一の苦悩。旧友が正しければ恋人は精神異常者であり、恋人が正しければ旧友は殺人犯となる。ホールデンが大切な人が狂っているかもしれないと悩み続けながらも、事件を推理していく展開が実に面白く三気読み。そして、この二者択一の決着の付け方は流石だと思った。
    他の方も書いているように納骨堂の密室のカラクリは特に本筋とは関係ないので、とってつけたようでもったいない。一つ目の事件の方も、浴槽水浸しの論理などはよく出来ているが、過去作の使い回し感もあってミステリーとしては微妙かな。
    石橋を叩いて渡る善人よりも向かうみずな犯罪者の方がなんて…女心はわからんね。カーおじさんもそんな経験あり?

  • 読後の今になってこの題名の示唆する意味が仄かに立ち上って来て、カーもなかなかやるな、とちょっと心地良い余韻に浸っている。前回読んだ『疑惑の影』のようにこちらも毒殺物だが、それに加え、密室の中で重い石の棺が独りでに開くというクイズみたいな謎があり、カーの味付があちらよりも濃い。
    事件は小粒だが、今回はヒステリー症という病例を上手くトリックに盛り込み、物語に二面性を持たせているところを高く買う。
    こういう一見、何の変哲もなさそうな事件なのに何かがおかしいというテイストがセイヤーズを髣髴とさせており、カーの中でもちょっと珍しい部類に入る。しかもこれが冒頭述べたようにこの謎めいた題名の意味を徐々に腑に落ちさせる所もカーらしくなく、手際が良い。

    二番目の石の棺が自然に持ち上がるトリックは大方予想がついた。昨今の推理マンガによく取り上げられる類いのもので、ある意味、このマンガの原作者のルーツかもしれない。

    途切れがちな読書であったが、それなりに愉しめた。
    云いなおせば、通常であれば星4ツ物であったかもしれない。読んでいる最中は結構キツイ所もあったが。
    じわじわ来るこの読書の悦楽が僕にそう思わせる。

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著者プロフィール

別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。1906年、アメリカ生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、30年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した。1977年死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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