火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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  • 早川書房 (2011年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150703707

作品紹介・あらすじ

エドワードは愕然とした。17世紀の毒殺犯のものとされる写真は、まぎれもなく彼の妻マリーのものだったのだ。ホラーと本格ミステリを融合させた、巨匠の代表作を最新訳で贈る

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の掴み方がすごい。
    この冒頭部分は裏表紙のあらすじには書いてないのでここでも書くのはやめておきます。
    最初のたった20ページくらいでもうガッツリ掴まれて、先が読みたくてたまらなくなる。
    登場人物と一緒に「えっ!?」と驚いて固まってしまった。

    裏表紙あらすじから少し。
    伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人達と埋葬された遺体の発掘を試みる。
    だが、密閉された地下の霊廟の遺体は…

    全体的に不気味で仄暗い感じ。
    読んでいると物語の中に入り込んでしまうような没入感があり、登場人物達と一緒にゾクゾクしながら体験した。

    オカルトは好きではないんだけど、この作品はオカルトと本格ミステリーの配合が絶妙!!
    オカルト好きも本格ミステリー好きも両方が楽しめる最高な作品だった。

    冒頭もグッと掴まれて面白いけど、ラストはもっと掴まれてしまった…。さすがディクスン・カー。

    今までオカルトは胡散臭さが苦手だったけど、ディクスン・カーの描くオカルトはそれを感じずに楽しめた。

  • ゆのまるさんのレビューから読みたくて。確かに驚きのどんでん返し待ってたし、結末まで一気に読んだけど?が多すぎて理解追いつかない!それまでにもあった疑問が解決したと思ったらエピローグでもっとわからなくなった。忘れ難い物語。

  • 読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。
    ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。
    詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあると思います。

  • 2024年のベストミステリはこれかもしれません。面白かったー!と素直に言える本に、久々に出会いました。

    翻訳ミステリを読むのが久しぶりなこともあり、正直序盤は誰が誰だ?と半ばうつらうつらしながら読んでいたのですが、
    「スティーヴンズは自分の妻の写真を見ていた。」
    の部分でハッと目が覚め、そこからグイグイ引き込まれていきました。
    加賀山卓朗さんの訳もオシャレで、ザ・翻訳小説な雰囲気を味わえたのもよかったです。ストリキニーネ、ベロナールなどクリスティーでおなじみの薬品が出てきたのも。笑

    この本については以前から”オカルト的要素”の足し方が秀逸、といったことを聞きかじっていたので、もしかしてラストも”超自然”で片付いてしまうのかしら……と密かに心配していました。
    ところが、探偵役の登場で「幽霊の正体見たり……」とばかりにそれまでの超自然現象に説明がつき、立派な本格小説だ、と満足して本を閉じようとしたところにあのラスト5ページですよ。
    99%クロな容疑が晴れていく『杉の柩』を思い出していただけに、このエピローグによってみるみる世界が信じられなくなるのを感じました。

    クセ強な名探偵として華々しく登場し、去っていったゴーダン・クロス。
    カーの他の作品では、どんな名探偵が現れるのでしょうか。
    ミステリにひと匙の怪奇要素を求める方には、ぜひオススメしたい一冊です。

    • 111108さん
      ゆのまるさん♪

      読みました〜何というか‥問題作ですよね⁈
      そして『杉の柩』とは全く違う着地点に驚嘆してます。私的にはポアロのようにクロスが...
      ゆのまるさん♪

      読みました〜何というか‥問題作ですよね⁈
      そして『杉の柩』とは全く違う着地点に驚嘆してます。私的にはポアロのようにクロスが解いた謎で〆となった方がスッキリしたんですが‥(^^;)
      2025/01/11
    • ゆのまるさん
      111108さん

      早速読まれたのですね〜!

      そうですね、たしかにスッキリした謎解きを求めて読むと蛇足というか「結局どういうことなの?!」...
      111108さん

      早速読まれたのですね〜!

      そうですね、たしかにスッキリした謎解きを求めて読むと蛇足というか「結局どういうことなの?!」と感じてしまうかもしれませんね(⁠^⁠^⁠;
      ただ、解説にもあったのですが、あのエピローグが事実とも限らないのがミソといいますか。あれは結局妄想かもしれない、いわゆる「信じるか信じないかは……」状態に置くことで、解釈に幅を持たせるのが個人的にはいいなと思いました。完全に好みの問題ですけどね。
      2025/01/11
    • 111108さん
      コメントありがとうございます♪
      なるほど、あえて「信じるか信じないかは…」状態にする、解釈に幅を持たせる、のが本書の味わい方なんですね!書い...
      コメントありがとうございます♪
      なるほど、あえて「信じるか信じないかは…」状態にする、解釈に幅を持たせる、のが本書の味わい方なんですね!書いてあるのを鵜呑みにしてしまいがちな私には、その見方はちょっと霧が晴れたような気がしました。ありがとうございます♪
      2025/01/12
  • 世評の高いミステリー。期待して読み始めた。

    「火刑法廷」という題名からも推測できるが、オカルティズムに溢れて、魅力的な謎に密室。そして訳ありの登場人物の面々と、てんこ盛りではあるのだが、どうにも気に入らないのは、最後に登場する探偵役に今一つ魅力とキレがないことと、登場する必然性に作為がありかなり無理がある事。

    ただこれも、最後の最後に訪れるビッグサプライズの布石だと思えば納得できるが、この最後のサプライズで本書はミステリーからホラー小説に変わる。

  • オカルトムード漂って何が事実かどうかわからないままずっと進みでいった。状況がイマイチ想像力足りずついていけず、入り込めなかったけど最後5ページで、最後まで読んで良かったと思った。が、スッキリはしない!

  • 火刑法廷は17世紀フランスで行われた裁判。登場するマリー・ドブレーは実在の毒殺魔と同名。デスパード家当主急死の謎を解くミステリー。最後の数ページでミステリーから怪奇に変わる。面白い。

  • 「広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。…」
    作品自体が凄いのは勿論なのですが、私が感動しちゃったのは、この裏表紙のあらすじです。的確に小説の筋を紹介しながら、一切ネタバレになっていません。このあらすじだけを読んで、本編を読まれた方は、それがどれだけの幸せをもたらすか知る事でしょう。編集者の方の技量にも感服した一冊です。

  • 全編を覆う薄気味悪い空気の描き方がうまい。疑惑の渦中にいる人物は登場こそ少ないものの、物語全体に不気味な影を落とす。正直、西洋のオカルト要素に恐怖は感じないし、不死者や黒魔術などと言われるとファンタジーかと構えてしまう。でも終盤までのオカルトに完全にはオチない紙一重の緊迫感は実に見事だった。どちらかと言うとオカルト比重の方が強く、終盤に訪れる論理的な真相解明が残念に思えるほど。お陰で納得の『評決』(好みではないけど)。どちらに転んでも細かい疑問は多々あるが、それが気にならないくらい秀逸な出来栄えだった。
    行方不明になったあの人がどこに消えたのか…はかなり気になるところ。

  • どちらが正しいのかは据え置くとして、推理小説の文脈を怪奇小説の文脈が超克してしまうラストに痺れた。こういうの大好き。それまで書かれていた生真面目とも言える論理の積み重ねが一気に反転し、闇を信じる者が論理からの支配を脱却する姿。アンチミステリ的なこの佇まいを1937年の時点でやってのけてるのが驚きだし、魔女の言葉として語られる最後の言葉も含めて額面通りに受け取って良いのかを曖昧にしてるのも素敵だ。何故ならこれは探偵の推理が必ずしも絶対的なものでは無いことの証左であるから。反転して、「真相」として添えられたエピローグもまた個人の中にある真実に過ぎず、真実と虚構が時に同じ位相に存在することを物語っている。ガッチガチに論理で固めた『三つの棺』の後にこれを書いているという点に感動すら覚えた。

  • 火刑法廷がこんなモダンな表紙になってる!カバーイラストは旭ハジメさん。

    ひたひたと何かが迫りくる不気味。主人公の不安が伝染する。これこそカーの醍醐味。

  • 時代故か人々の思考はちょっとオカルティックで、もっと後の時代の王道タイプのミステリと違うのかなとも思いつつ読み進めたが、そんなことは無かった。
    文化を共有できていないミステリを読むと、どっちのルールでやっているのかを考えねばいけないのが難点だと、常々思っている。

    解説にも書かれているが、なるほど当時はこの第5章を以って締まったんだろう。

  • 読んでみたいと思っていたディクスン・カー。
    古典の正当な推理ものとしての面白味と怪奇ものとしての面白味と両方楽しめる作品。
    殺人、遺体消失、壁に消える女といった謎を解いた先に待っているものとは。

    読み終わると結局どういうことと悩んだりもするけれど、そういうところもこの作品の魅力なのかもしれない。

    面白く読み終えた。



    簡単な感想になっちゃった。
    大掃除の仕上げして、注連飾りつけないと。
    昨日、植木屋さんばりに植え込みを手入れして全身筋肉痛と闘っています。

  • 初めて読んだジョン・ディクスン・カーの作品。登場人物も背景も展開も、ミステリアス。読めば読むほど引き込まれていく。「Ⅴ 評決」の章が賛否両論だと言われているようだけど。


    やっぱ、マリーは○女なのでは?

    全部読んでから、最初のページを読むと、そういう意味だと思えてくる。
    「いくつかの意味で墓地のそばに住んでいた。」

    それから、マリーのぶっちゃけ。
    「わたしはあたなより歳上よ。ずっと、ずっと歳上なの。」
    これ、このときの会話でなぜ出てくるのか、ずっと気になっていたのだけれど。そういうことかと。きっと言うつもりはなかったけど、勢いで言ってしまった。隠していた女心。本当に彼を愛している。でも、きっと、、歳上すぎる。

    そして、マリーの意味深な予想。
    「何も見つからない。」
    やっぱり彼女は、なんかいろいろ知っている。

    最初のページの記述にある「読者や私(作者?)とさして変わらないエドワード・スティーブンス」には、コトの真相はわからない。

  • 魔女裁判の話と見せかけて、毒殺魔の話で……という流れで、面白かった。
    翻訳ものはあまり得意ではなく避けて来たが、これは読みやすかった。
    けれど、本格ミステリー好きにはおすすめしない。


    以下、あらすじ(オチつき)覚え書き。

    編集長から、ゴーダン・クロスの原稿を渡されるスティーヴン(以降、テッド)。
    彼は過去の事件をあたかも見て来たかのように書くことを得意とする作家で、テッドもファンのひとりだった。
    原稿を渡す際の編集長の様子が気にかかったが、列車の中で原稿をひも解くテッド。
    内容は毒殺魔の女性・ブランヴィリエ侯爵婦人の話だったが、そこには自分の妻・マリーの旧姓(マリー・ドブレー)と顔写真が貼られていた。
    その女性は火刑裁判にかけられた上、ギロチンで処刑されていた。(魔女扱い)
    マリーの先祖が毒殺魔だったのかと恐れるが、それにしても写真が似すぎている。
    疑心暗鬼に陥るテッド。
    別荘で夫を待っていたマリーは、テッドが知った事実から目を背けさせようとする素振りを見せる。

    そんな中、友人であるマークが、先日胃腸炎で亡くなった叔父はヒ素で毒殺されたかもしれないと訴えて来る。
    それを確かめたいからと墓場を暴くことに、手伝い夫と元医師と共に協力する。
    墓を暴いてみたところ、叔父の遺体はなくなっていた。

    遺体がなければ証拠も出ない。
    しかし、墓場に荒らされた形跡はなく、盗めるはずもないと手伝い夫は訴える。
    さらに、叔父がなくなる直前、手伝い夫の妻は奇妙なものを目撃していた。
    それは、叔父と話していた古くさいドレスを着た女性の姿で、女性は壁の中に消えたのだと言う。
    その女性の衣装が、マークの家の廊下にかかっていた肖像画(顔と肩は酸で焼かれてわからない)のものだというから、問題は大きくなっていく。
    何故なら、その日は仮想舞踏会があり、マークの妻・ルーシーがその衣装を作って着ていたからだった。

    警察もやってきて、事態は明るみに出る。
    はじめ、ルーシーに疑いの目がかけられていたが、看護師の証言により、マリーに疑いがうつっていく。
    しかし、看護師がマークの愛人と発覚し、事態は大きく様変わりする。

    この事件はマークと看護師が企てたものだと判明し、その謎を解いてみせたのはかの作家・クロスだった。
    しかし、謎解きのラストにそのクロスが毒殺される。
    グラスを渡した看護師が犯人として逮捕されるが、無実だと訴えている。

    マリーは過去は、もらわれ子であり、虐待を受けていた記憶によりトラウマが魔女の証拠のように見えていたという説明がつけられている。テッドもそれに納得し、事件は解決したに見えた。

    しかし、ラストにマリーがやはり魔女なのではとにおわせてエンド。

  • 「部屋の壁の中に消えた婦人の謎」では、トリック自体は大したことはないものの、犯人によるミスリードが巧妙でした。
    「密室から忽然と消えた死体の謎」も、一連の怪奇現象を用いて不自然さを消すことに成功しています。何れもトリックというより、「ないように隠す手法」が非常に上手いなと思いました。
    最後のオチは好みではありませんが、不思議な余韻を残すことに成功しているので良く出来ていると思います。

  • 確かに面白い。不朽の名作とはまさにこんな作品を指すのだろう。

    でもね、あのエピローグ読んですっきりする解を導き出せる人がいったいどれほどいるのだろうか。現実的解釈をしようにも、矛盾点多すぎて挫折。んじゃーオカルトでいってみようとパラパラ再読してみたが、壁すり抜けはそのままとしても、死体消失は誰がどうやったんだろう?霊廟への壁もすり抜けたんならもうお手上げ(笑)

    まぁ、この最高に気味悪いラストへの伏線も十分すぎるほど張られていて、些末なことは大概どうでもよくなるわけだが。

    90点(100点満点)。

  • 推理とオカルトの見事な融合。さすがカーの代表作!

    物語が二転三転し最後の最後まで結末が見えない。

    これ程推理小説で感動したのは久しぶり。

  • 古典ゆえトリックに斬新さはないものの、怪奇的な要素と推理的な要素がどこで出会い読み手を納得させるのか気になります。最終的に形容し難い余韻を残してページは終わります。新訳だったので読み易かった。

  • 犯人はマーク・デスバードとコーベット。元々両者は愛人関係にあった。マイルズの遺産、マークの正妻ルーシーを排除する為に共犯した。

    オカルト要素で偽装しつつ、解決ではきちんとした本格ミステリの謎解きとなっています(一応は)。ただ、古いミステリなので、肩透かしの印象は拭えません。

    ①壁を擦り抜けた女性は、マイルズの隣の部屋にいる看護師が鏡と光の加減を上手く調整して壁をすり抜けたように見せかけた。

    ②消失した死体は、霊廟の壺の中に隠してあり、ほんの一瞬のスキを突いて移動させた。その後もパーティに行っている家族のスキをついて死体を暖炉で焼いた。

    なのですが、とにかく文章が読みにくいです。登場人物一覧に無い相性で呼び出したり、家や霊廟の配置が分かりづらかったりと不親切です。訳者のせいか、元々のオカルト味を活かしたかったかわからないけれど。

    エピローグの真相は"やっぱりマリーは魔女で、コーベットを追い詰める為に画策していた"と云うオチでしょうか。

    "首無しの如き祟るもの"で読んだ事があるパターンなので、自分にとっての目新しさは無かったかな。

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著者プロフィール

別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。1906年、アメリカ生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、30年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した。1977年死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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