湖中の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

制作 : 清水 俊二 
  • 早川書房
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本棚登録 : 432
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150704544

感想・レビュー・書評

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  • フィリップ・マーロウは4作目の本作で初めてロスを離れる。化粧品会社の社長から頼まれた妻の失踪事件を追って、彼の別荘があるロス近郊の湖のある山岳地帯の村に入り込む。そこの湖から女性の死体が上がる。その女性こそが社長の妻だろうと思われたが、別の女性の死体だったことが解る。そしてマーロウは別の事件に巻き込まれ、命を狙われる。

    本書のテーマは卑しき街を行く騎士を、閉鎖的な村に放り込んだらどのように活躍するだろうかというところにある。しかもその村は悪徳警官が牛耳る村であり、法律は適用されず、警官自体が法律という無法地帯。つまり本書は以前にも増してハメット作品の色合いが濃い。
    この閉鎖的な村で関係者を渡り歩くマーロウは今回危機に陥る。この危機はロスマクでも使われていた。

    本書の最大の特長は他の作品に比べると実に物語がスピーディに動くことだ。原案となった同題の短編が基になっていることも展開に早さがある一因だろう。
    そして事件は解決してみると、死体が3つも上がる。しかもそれは1人の犯人によるもので、けっこう陰惨な話だったことが解る。

    しかし上にも書いたが、原型の短編を引き伸ばした感じが否めなかった。最初のスピーディな展開は多分チャンドラー作品の中でも随一なのだが、その後の展開が無理に引き伸ばしたような冗長さを感じた。特に印象に残るキャラがいないせいもあり、出来としては佳作といったところだろうか。
    数年後、私はこの原型となった短編を読んだが、これは非常に面白かった。プロット自体はいいのだ。湖から上がった女性の死体と、どこか本格ミステリを思わせるシチュエーション。そして閉鎖的な村に現れたマーロウという名の騎士。ただそれを十分に生かせなかった。

    どんな作家もいつもいい作品が書けるとは限らない。全7作を数えるフィリップ・マーロウの物語でちょうど折り返し地点に位置する本書は中だるみの1冊となるようだ。

  • トリックはわりと早く見える話ですが、かえってチャンドラーの小説の中では筋がはっきりして読みやすい気がしました。この人の小説の最大の魅力はいつも謎解きよりも文章にあると思っているけど。「男に輪をくぐらせることのできる女」っていう言い回しがすごいなー。

  • 戦前の作品だが、一部徴兵にかかわる部分以外は、古さを思わせるものはなく決して古びていない。

  • 読んでいる最中、何度も中断が入ったため、いまひとつ話に熱中できなかった。決してつまらない話ではなかったのだが...。やはり一気に読まなければいけないと思った。

  • ストレスなく読めるが、とくに残らない。オフビート

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