ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)

  • 早川書房
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感想 : 260
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  • Amazon.co.jp ・本 (645ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150704612

感想・レビュー・書評

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  • 長かったけど、読んでよかった。
    村上春樹訳で、幸せ。あとがきまで楽しめた。訳者によって雰囲気が変わるから、前の人のも読んでみたいかも。うん、面白い。

  • インド旅行のお供(暇つぶし)で読了。舞城から入ったミーハーです。長かった…。
    もう消えてしまった何かの、残像とか香りみたいなものに、残された者は縛られていく…みたいな感じ。ノルウェイの森をもう一度読み返したくなったよ。

    「ソーロングだ、アミーゴ。グッバイは言わない」って言い回し、良いよね。

  • 村上春樹を読まない身としては、この冗長というか徹底的にキザな言い回しや、長い説明は慣れるまで少し苦痛でもあった。面白いのになかなか進まないという珍しい状況。
    だんだん慣れたのか、ちょうど面白みが分かってきたのか、半分くらいからは順調に読めた。

    いつも「さよなら」ばかりのマーロウ。とくにあの名台詞や最後のシーンで感じる寂しさや、にじみ出る孤独感は秀逸。

    最後の村上さんによる解説も面白かった。あの台詞がオリジナルでなく引用だったとは。

    全体としては最後の伏線の回収の意外さも含めて面白かったけど、しっかり理解するためにもう一度読みたいな。違う訳も含めて。

  • 長い割に、『さよなら、愛しい人』よりテンポよく読めた。

    ただ、村上春樹の訳者あとがきが冗長すぎる。
    50ページもあとがきに割くってどうなんでしょう。
    読後感…大事だよね。こういう作品の場合は特に。

    2作読み終えて、それほどマーロウに興味を持てない自分がいる。
    やっぱり男性人気が高いキャラなのだろうか、と。
    個人的にもっと渋イイおじさんを期待してました。
    終盤のご都合主義なロマンスには苦笑。
    どうせなら男の友情一本でいってほしかった。

    とはいえ、タイトルの意味を考えながら行き着くラストは楽しめたので、まぁいいかな。

  • 濃密なミステリー。とても読み応えのある本だった。かなり時間がかかってしまったが、とてもおもしろい本だった。初めて読んだ時は、堅苦しい小説だと思って200Pぐらいで読むのをやめてしまったが、最近、最初から読みなおした。

    私立探偵のマーロウが無表情で毒を吐く嫌なやつ。最初は好きになれずに、途中で読むのをやめようかと思ったが、最後まで読むと義理堅く、中途半端なことは絶対にしない人なんだとわかって、むしろ好きになった。ちょっとはまってしまった。

    無表情な視点に慣れると楽しくなる。

  • 他人からみて無駄に思えることも,自分のこだわりで生きるということ。

  • すっっごい面白かった~!男の友情、かっこいい、男になりたい。最後のヤラレル感が良かった。解説の熱い村上春樹をたっぷり楽しみました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「解説の熱い村上春樹を」
      ホント、熱く語ってくださいましたね。
      私はやっと読み終わったので、近々「さよなら、愛しい人」を読む予定です。そうし...
      「解説の熱い村上春樹を」
      ホント、熱く語ってくださいましたね。
      私はやっと読み終わったので、近々「さよなら、愛しい人」を読む予定です。そうしたら「リトル・シスター」も文庫になるらしいので、、、
      2012/07/03
  • チャンドラーさんの作品はこれが初めて。出てくるセリフ全てが気が利いているというか、いちいち何かに喩えて表現していたりする所が読んでいて楽しい!

    訳者の村上さんのあとがきもボリュームがあり、チャンドラーの諸々について熱く語っている。それによるとこの作品があの独特の文体の一つの到達点だそうだ。
    訳者曰くの一番良い物を初めに読んでしまった後だと霞んでしやしまいか心配だけど、これから他の探偵マーロウシリーズや他ジャンルのチャンドラー作品も読んでいきたい。

  • 村上春樹訳で再読。
    ストーリーも登場人物もいいが文章がとくに最高。
    文学知識があればもっと楽しめるのだろうなと自分が悔しくなる。

    To say goodbye is to die a little.(さよならを言うのはわずかのあいだ死ぬことだ。)

    この有名な台詞がチャンドラーのオリジナルではないと、この本のあとがきで村上氏が指摘しているが、それは関係なくやっぱりこの台詞が一番好きだ。

    男の友情、別れ、そして再会・・・。
    この物語を一言で語る素敵な言葉だと思う。

  •  村上春樹訳の「長いお別れ」
     
     私立探偵フィリップ・マーロウは、一人の男と出会う。男をめぐる謎と、その別れ。

     ハードボイルドというと、なぜかハンフリー・ボガードの顔が浮かぶのである。で、その印象とは全く違うマーロウ像に戸惑いつつ、結局のところひきこまれる。
     確かに、物語はハードボイルドなんだろうけど、卵っていうより、もっと無機質なものを感じた。
     というのは、ようするにマーロウを描いているようで、実際にはテリー・レックスという不器用で純粋な男を描いているからなのだろう。直接その像を見るのではなく、投影された影を見るように。
     影は、無機質なものだ。

     そして、とても情緒的で詩的な文章が、いやおうなしに切なくさせてくる。

     やっぱり、名作なんだなと実感した。

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著者プロフィール

Raymond Chandler
1888年シカゴ生まれの小説家・脚本家。
12歳で英国に渡り帰化。24歳で米国に戻る。作品は多彩なスラングが特徴の一つであるが、彼自身はアメリカン・イングリッシュを外国語のように学んだ、スラングなどを作品に使う場合慎重に吟味なければならなかった、と語っている。なお、米国籍に戻ったのは本作『ザ・ロング・グッドバイ』を発表した後のこと。
1933年にパルプ・マガジン『ブラック・マスク』に「脅迫者は撃たない」を寄稿して作家デビュー。1939年には長編『大いなる眠り』を発表し、私立探偵フィリップ・マーロウを生み出す。翌年には『さらば愛しき女よ』、1942年に『高い窓』、1943年に『湖中の女』、1949年に『かわいい女』、そして、1953年に『ザ・ロング・グッドバイ』を発表する。1958 年刊行の『プレイバック』を含め、長編は全て日本で翻訳されている。1959年、死去。

「2024年 『プレイバック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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