幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

  • 早川書房
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本棚登録 : 1235
感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150705510

感想・レビュー・書評

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  • 男は夜の街で奇妙な帽子をかぶった女と出会う
    女を誘って食事をし、カジノ座に行き、酒を飲んで別れ、家に帰ってみると妻が何者かに殺されていた
    自分のアリバイを証明してくれるはずの女を覚えている者はなくこつ然と消えてしまう
    あたかも"幻の女"であったかのように
    そしてページをめくっていくと驚愕の事実が姿を現す!!!…うん読んだことあるわw(驚愕の事実ってそれかよ!というね)

    そりゃあそう
    そりゃあそうですよ!こんなミステリーの名作中の名作を読んだことないわけないじゃないですか!
    やだなぁ(そして多分持ってた)

    すみません、完全に忘れてました
    そして途中で思い出しました
    そしてこういう時に限って結末も思い出しちゃいましたw
    解説を読んでそういえば江戸川乱歩が絶賛してたんで読んだんだっけというのも思い出しました

    んでも面白かった!
    読んで良かった!
    いや読み直して良かった!!

    そしてこの時代は良かったなぁなんて思いました
    今だったらこんなん科学捜査で一発やんな
    まぁ今は今でそれらを活かした名作が生み出され続けてますけどね
    ミステリーに底はない!(なんか名言ぽく言った!)

  • 寝ても覚めても「幻の女」の一冊。

    先が気になるこの展開、寝ても覚めても頭の中は「幻の女」、それぐらいがっつり魅了された超一級品。

    奇妙な帽子を被った女性と過ごした時間はまるで薄い霧に包まれたかのような幻想的なひととき。

    そして帰宅後から始まる悪夢のような時間。

    絶望的な展開、手からするりと抜ける尻尾のような幻の女、残された時間、絶体絶命、カウントダウンと共に心臓が早鐘を打つ。

    そして迎える結末に別の意味で心臓をやられた。

    これは確かにいつまでも色褪せない不朽の名作。大満足。

    • くるたんさん
      観てみたい気もするー!ジャパニーズ版幻の女(⸝⸝˃̶͈ ૢ ૢ˂̶͈⸝⸝)
      観てみたい気もするー!ジャパニーズ版幻の女(⸝⸝˃̶͈ ૢ ૢ˂̶͈⸝⸝)
      2019/03/05
    • けいたんさん
      違った。ウィリアムアイリッシュだけど「喪服のランデヴー」やった(笑)全然違う(^_^;)
      20年くらい前、藤木直人若かった。
      違った。ウィリアムアイリッシュだけど「喪服のランデヴー」やった(笑)全然違う(^_^;)
      20年くらい前、藤木直人若かった。
      2019/03/05
    • くるたんさん
      アイリッシュ作品って、やっぱり映像化たくさんされてるのかね(*^^*)♪

      古い映画「裏窓」もそうだった。

      20年前の藤木直人かぁ…(⸝⸝...
      アイリッシュ作品って、やっぱり映像化たくさんされてるのかね(*^^*)♪

      古い映画「裏窓」もそうだった。

      20年前の藤木直人かぁ…(⸝⸝˃̶͈ ૢ ૢ˂̶͈⸝⸝)
      2019/03/06
  • 久しぶりの帰省で見つけた本を備忘録として登録。
    自分でも内容をよく覚えてないのでレビューが書けません。

  •  妻殺しの容疑がかけられた夫。夫は一人の女性と一晩中ずっと一緒にいたと証言するのだが、なぜか女性の目撃証言は全く得られない。死刑判決が夫に下される中、刑の執行までにアリバイを証明できるのか。

    『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった』

     この冒頭の一文がとにかく有名な一作です。この一文自体もお洒落かつリズム感もよくて印象的なのですが、この冒頭から始まる”幻の女”との一夜の描写の洒落てる感がとにかくすごい!そのためか、この女との一夜自体が”幻”だったのじゃないか、と読み始めは本気で思いました(笑)。重要な証拠が見つかりそうになるたびに、それがスルリと逃げてしまうのも、まさにこの本のタイトルらしいと、思います。

     ミステリとしては結構強引な展開が多いです。しかしハードボイルド的な展開に、独特の詩情あふれる文章は現代においても色あせてないと思えます。もちろんタイムリミットサスペンスとしても十二分に現代サスペンスに通用する出来です。

     海外ミステリーを語るうえでは外せない作品と言われるだけあって、展開、文章どちらも楽しまさせていただきました。

  • 古典ミステリ。今読んでも色あせない。
    死刑の期限が迫る中、親友の男は幻の女を探す。関係者が口を揃えて「そんな女は見なかった」という恐ろしさ。届いたと思った瞬間スルッと消える手がかり。
    結局、女の正体は、拍子抜け感はありますが、そこまでのスリルが良い。あとプラットフォームのすれ違う緊迫感、地下室の即興演奏会、小部屋の荒んだ女とのかけひきなど、ストーリーから離れた細部まで脇役まで、各シーンが印象的でイメージしやすくて、さすが名作。

  • 古くは古書店で原書と遭遇した乱歩が、他人が既に購入予定で採り置きしていたものを横取りしてまで読んで、大絶賛した本書。
    早川書房のミステリベスト100アンケートで第1位を獲得した本書。
    また「『幻の女』を読んでいない者は幸せである。あの素晴らしい想いを堪能できるのだから」と誰かが評するまでの大傑作、『幻の女』。
    とうとうこの作品を読む機会に巡り合った。
    内容は既に巷間で語られているせいか、特に斬新さを感じる事は無かった。また有名な冒頭の文、「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」に代表されるほどの美文は特に散見されなかったように思う。それはチャンドラーの文体のように酔うような読書ではなく1日に70ページも進むようなクイクイ読ませる読書だったからだ。
    しかし、当初思っていた以上にその内容は趣向を凝らし、読者を飽きさせないような作りになっているのは素晴らしい。
    主人公が妻殺しの無実を証明するためにアリバイを立証する幻の女を捜すが、なぜか見つからない。ただこれだけの話かと思ったが、主人公ヘンダースンを取り巻く愛人、無二の親友が当日彼に関わったバーのバーテンダー、劇場の出演者などを執拗に探るが最後の最後で不慮の事故に遭い、徒労に終わること。
    これは何度となく繰り返されるプロセスなのだが、それぞれがアイデアに富んでいて非常に面白い。特に愛人のキャロルがそれら関係者の口を割らせるために執拗に付き纏う様はどちらが敵役なのか解らなくなるほど、戦慄を感じさせる凄みがあった。
    そして死刑執行当日に訪れる驚愕の真相と犯人に仕掛けたトリックの妙。親友が主人公の妻殺しの真犯人探しのためにわざわざ南米から戻ってくるというのがそこまでするかなぁと思っていたのが見事に腑に落ちる。そして世界が崩れる音が聞こえ、理解するのに何度も読み返した。
    やはり傑作は傑作であった。
    しかし、私的な感想を云えば、最後に幻の女の正体が判る事は、蛇足だったのではないだろうか。幻の女は最後の最後まで幻の女であって欲しかった。これが正直な感想である。

  • 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

    冒頭の名訳が有名な本作。

    スコット・ヘンダースンという男が、冤罪にかけられた。
    妻殺しによる死刑を回避するには、彼のアリバイを唯一証明できる、かすかな記憶の残滓にある名前も知らない「幻の女」のゆくえを探すしかない。
    死刑執行まであと18日。親友・ジャック・ロンバードによる、「幻の女」の調査がはじまった。


    50年以上前に書かれた古典。
    ミステリとして見ると、粗削りでムリヤリな点が多い。
    また、全433ページのなかで、親友が初登場するのが137ページ。
    4分の1を過ぎたところで、やっと登場するのだ。
    やや冗長にも感じてしまうところもあるが、ちかづいたと思ったら遠ざかる「幻の女」のスリルはたまらない。

    本作が評価されている理由は、フェアで見事なトリックではなく、理性より感情に訴えかけるサスペンスの要素だろう。
    最期のどんでん返しは、素直に驚いた。
    けなげでチャーミングなスコットの愛人、キャロル・リッチマンも魅力的だ。


    そして、読了した今でも目を閉じれば、燃えるようなオレンジ色の帽子の「幻の女」が、念頭にうかぶ。
    実際に見たこともない彼女の存在が、心にのこる作品だった。

  • 僕にとって長くベスト1ミステリの座に君臨していたのが、この「幻の女」だった。子供の頃、地元の本屋で唯一入手可能だった創元推理文庫のラインナップに、アイリッシュの長編は「暁の死線」と「黒いカーテン」しかなく、乱歩が「ベスト10級の傑作」と激賞したというガイド本の記述を読む度に、何とか入手する方法は無いかと煩悶したものだった。早川書房がミステリー文庫をスタートし、その中に「幻の女」のタイトルを見つけた時の喜びは今でも鮮明に覚えている。そして眼に飛び込んできたアイリッシュ独特の美文調。「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」美しいメロディのような文章がドキドキするほど心地よかった。もちろん徹夜の一気読み。そのサスペンスと鮮やかすぎる結末に大感激だった。今でこそ、この手のストーリーは珍しく無くなったが、オリジナルとしての魅力は今も全く色褪せていない。必読の傑作と思う。

    • kwosaさん
      magic227さん

      花丸とフォローをありがとうございます。

      ミステリに興味が出始め、過去の作品にも触れてみようと、オールタイムベストの...
      magic227さん

      花丸とフォローをありがとうございます。

      ミステリに興味が出始め、過去の作品にも触れてみようと、オールタイムベストのランキング等を参考に読んだ『幻の女』『僧正殺人事件』『九マイルは遠すぎる』はどれも面白く、いまでも色あせない魅力に驚きました。

      日本の作家でも、最近ようやく泡坂妻夫さんや都筑道夫さんの素晴らしさに気づき、読むようになりました。

      拝見した magic227さんの本棚はミステリを始めSF、その他わくわくするラインナップでとても楽しいです。

      どうぞこれからもよろしくお願いします。
      2013/02/15
  • 「夜は若く彼もまた若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の心は苦かった」という稲葉明雄の名訳が素晴らしい。妻と喧嘩し部屋を飛び出したスコットはバーで〈かぼちゃ型の帽子〉を被った女に会う。その女と芝居を観に行き、部屋に戻ると刑事が待っていた。そしてネクタイで絞殺された妻の死体。スコットは殺害容疑で逮捕される。スコットのアリバイを証明できるのはかぼちゃ型の帽子の女だけ。しかし彼女は現れない。スコットに死刑宣告が下る。果たして女は実在するのか?彼女はどこなんだ!と一緒になって探し回る気分。彼女しか自分の無実を証明できる人はいない。この強烈なスリルは衝撃的でした。語るまでもない名作!

  • 冒頭の一文だけでなく、事件が起こるまでの鬱々とした彼の描写が素晴らしい。

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