恐怖の冥路 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1977年12月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784150706029

感想・レビュー・書評

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  • 読み手が悪いのか書き手が悪いのか、その答えはここでは解らないが、何とも物語に吸引力が無かった。
    この前に読んだ島田氏の『龍臥亭事件』が早く読みたくてうずうずしていたのに対し、今回は食指が伸びなかった。あのウールリッチの作品とは思えないほどの印象の薄い内容だった。

    物語はある金持ちから逃れたカップルがキューバはハバナに着く所から始まる。そこであるバーで写真を撮られるのだが、その瞬間、駆け落ちしてきた女性が何者かに刺され死んでしまう。その凶器が主人公が先ほど骨董屋で購入したナイフだということから逮捕される。しかし、それは主人公が買ったものとは微妙に異なる事を強調し、刑事らとその骨董屋に向かうのだが、主人はそのナイフこそ主人公が買ったものだと主張し、その証拠として領収書を見せる。かくして殺人犯人として連行されることになる主人公は刑事たちの一瞬の隙を突き、逃亡し、復讐を誓うのだった。

    冒頭の真実が事実とマッチングせずに読者を混迷の最中に陥れる手法はウールリッチタッチだが、彼にしては珍しく最後主人公は復讐を果たし、生き長らえる。それが果たして幸か不幸かは別にしてだが。
    それは別にいいとしても途中の描写に叙情感があまり無く、また物語も起伏に富んでいるようで実は三文サスペンスに過ぎないような展開なのだ。
    この作品は絶版にしてもいいと思う。代わりに『黒衣の花嫁』や『死者との結婚』とかを復刊してくれ!!

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