- 早川書房 (1982年7月14日発売)
本棚登録 : 74人
感想 : 5件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784150707156
感想・レビュー・書評
-
今度の主人公は画家ときた。また新しい世界に拡がってきている。主人公も、一緒に冒険に参加する友達の画家とその妻も、非常に愉快なメンバーになっている。キャラクターが持つ冒険心は、若い頃の芸術家の万能感に後押しされて、これまでのスリルを求める主人公達とはまた少し違っている。
まるでハリウッどのサスペンス映画のような展開と広がり。ちょっと、こんな自由でいいの?と不安になるような進み方をするがそれもまた芸術家達の自由の精神のたまものと思えばなかなか楽しめる。友人のキャラクター造形が作品の雰囲気を体現している。
#競馬シリーズ全部読む詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリーというよりも冒険小説。まさにその通りだと思う。主人公が犯罪者と戦う理由が、理不尽に妻を殺された従兄の精神を守るためというのも象徴的である。あるいは、冒険小説というよりもマンハントの物語と言いたくなるけど、敵の反撃に傷つきながらも決してあきらめない主人公の意志の力は、やはり冒険小説と呼ぶべきだろう。
主人公と行動を共にする友人夫妻が興味深い。心の中に野獣を飼っているとでもいいたくなるような男が、結婚することで何かを得、何かを失おうとしている姿は印象的だ。逆に結婚によって得たものを守ろうとしながら、それが男を縛っていることに気がついている女も複雑な色合いを見せている。独身者である主人公との対比を含めて、この3人の人間模様は事件捜査以上に読ませどころであり、何度もため息をついてしまった。
それ以外にも、オーストラリアという土地の観光案内的な要素もあるし、主人公の仕事である油絵についてのうんちくもあり、なかなか盛りだくさんで贅沢な小説だと思う。今回読み直すまではあまり強い印象を持っていなかったのだが、正直驚いてしまった。改めて「ハズレのないシリーズ」だと思った。
ひとつだけ不満があるとすれば、主人公自身がこの事件を通じて変わっていった印象がないことだ。例えば「利腕」のように、こみ上げてくるような感動がほしかったなあと思うのは、ないものねだりだろうか。 -
画家が主人公。
従兄の妻が殺され…
スリリング。 -
競馬シリーズ。
もう、パターンだものなーと思っていても面白い。
ただ、どれを読んだのか読んでないのか、店頭では分りにくい。
一度、総チェックをしたい。
この本の主人公は画家。シッド・ハレーほどではなくても、カッコイイのだった。 -
15(刊行順と発行順が同一なのでこの後はNo.ひとつだけにします)
今いち…
主人公は画家。
従兄弟の妻が殺されたことから、犯人探しに立ち上がる。
ディック・フランシスの作品
