告解 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-34 競馬シリーズ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150707347

作品紹介・あらすじ

彼を殺したことを告白します…枕元にいた映画監督のトマスを神父と誤り、死の間際、老人はそう囁いた。意識が混濁した老人のうわ言だったのか?時を同じくして、26年前の競馬界で起きた変死事件を題材に新作を撮影中のトマスは、何者かからロケを中止しろと脅迫を受ける。老人の告白と脅迫には関係が?トマスは不屈の意志でロケを続けるが、遂に凶刃が彼を襲った!映画界を舞台に放つ、シリーズ屈指のサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 見舞いに通っていた老人が最後に告白した言葉の意味は…?
    新進の映画監督トマスが主人公。
    まわりに睨みをきかせるには若く見えて、気持ちも優しいが、才能溢れる若者なのです。
    白馬を走らせて幻想的なシーンを撮ろうとする工夫や、競馬界を舞台にした映画の撮影が面白い。

  • 競馬シリーズ33作目。

    今回は映画業界のお話で、
    調教師の妻が自殺した事件の映画を撮っている映画監督トマスが主人公。
    トマスは祖父が調教師であり、自身も以前障害競走の騎手であった。
    そのころからの知り合いだった、
    元装蹄師で競馬ジャーナリストの老人から死ぬ間際の奇妙な告解を聞くことになる。
    記者の死後にやってきた甥は、トマスが書籍を相続すると聞いて明らかに動揺し、
    無効だと騒ぎだす。

    一方、映画の撮影中にトマスの元に、
    映画の作成を中止しろという脅迫がナイフとともに届き、
    さらに、主演男優のスタントマンがナイフで切りつけられる…。

    撮影の過程にはあまり興味がわかなかったが、
    自分が監督を続けるために会社の経営陣と丁々発止の駆け引きをするところが、
    面白かった。
    主演男優と監督が上手く行っていない、という記事を否定するために、
    テレビインタビューを利用する場面では、
    一緒にゴルフをする仲だとにおわせていて面白かった。
    ゴルフとは、一緒にプレーをすることにそんなに意味があるスポーツなのか。

    ただ、恋愛要素はほとんどなし。

  •  物語が始まってしばらくの間は、作品の方向性がよく分からず楽しめなかった。主人公が映画監督というのは面白いし、彼が撮影している映画が昔の事件を題材としていて、その映画化が過去になったはずの事件を再起動させてしまうという趣向は、なかなか良くできていると思う。

     ただ、全体としてごちゃごちゃしてしまっているし、過去の事件そのものが後味があまり良くない出来事なので、なんか読んでいてスッキリしないのだ。主人公が過去の事件に首を突っ込んでいくあたりも、なんとなく動機が曖昧で、探求型としても巻き込まれ型としてもピンとこない。そのために、「良い映画=売れる映画を作る」ためにあれこれ動いているだけのようで、主人公にもう一つ魅力が感じられないような気がする。

     映画づくりの話題は、個人的にも興味があって面白かった。さまざまな能力や、思い入れを持つ人たちが、監督やオーナーのもとで、ちょっとギスギスしながらも協力して作品作りに挑む人間模様は悪くない。まあ、ちょっとマニアックになってしまっている感じで、読者を選ぶかもしれない。

  • トマス・ライアン
    元アマチュア障害騎手
    映画監督

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