- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150707569
感想・レビュー・書評
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読んだのは間違いないけど記憶が。。。
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なるほど、被害者の顔というのはそういう意味か。人のイメージとは相手によってこんなにも変わるものか。殺された赤毛の女性の真の姿とははたしてどれだったのだろうか。これが実際に「被害者を捜せ」みたいなことだったら、ミステリとしてはおもしろいけれど、さすがにこのシリーズでそこまで望むのは酷というものだろう。結局、被害者の多面性の謎は解かれないままに話は終わってしまう。犯人の意外性はともかく、犯行に関するトリックがまた大がかりで無理やりっぽい。そこまでしなくともおなじみの87分署の刑事たちの捜査風景だけで十分楽しめるというものだけどな。前作では降り番だったスティーブ・キャレラが復帰していてうれしい。できればテディも出してほしかったけど。
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マクベイン『87分署シリーズ』。
ある酒屋で殺害された1人の女性アニイ・ブーンは貞淑な妻であり、優しい母親であり、ある人にはインテリに映り、ある人には酒飲みの情婦に映った。様々な顔を持つ彼女を殺したのは、一体…。
原題『Killer's choice』とあるように、アニイの持つどの顔が犯人の殺意を引き起こしたのかが本作の重大な争点となります。
87分署のお馴染みの刑事が聞き込みを経て被害者アニイの様々な顔を掴んでいく様子は、心地よいテンポと飽きさせない展開によって描写されています。
ページを繰る手もスムーズに進み、具体的な描写も映画を観ているかのような気分にさせてくれるのです。
あまりに面白い展開に、たった半日足らずで読み終えてしまったことも付言しておきます。
本作で初めて登場する赤毛の大男で二級刑事コットン・ホース。
刑事としての荒々しさに欠ける所作でキャレラを危険な目に遭わせるも、泥臭く成長していく様子には、読者として思わずエールを送りたくなりました。
とりわけ、マイヤー・マイヤーの活躍がここまで描かれているのはシリーズの序盤にして本作が初めてであり、マイヤー好きな私には印象深い作品となりました。 -
1958年発表
原題:Killer's Choice