ダウンタウン (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (1998年12月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784150708023

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  • 87分署シリーズで超有名なエド・マクベイン作、クリスマス・イヴのサスペンスフルなラブストーリー

    フロリダのオレンジ農場を営む主人公マイケルは、その夜ボストンにいる母のもとへ発つ前に、ダウンタウンのバーに立ち寄る。
    ここから、次々とマイケルに信じられないような出来事が襲ってくる。
    途中で出会った中国人女性のコニーとともに……冒険がやってくる。

    物語の展開は早く、会話は軽妙でシャレていて、ニューヨーク・ダウンタウンのクリスマスストーリーがビジュアルに伝わってくる。

    でも、この物語はそれだけではない。

    この物語の裏に潜むのは、ベトナム戦争の元兵士たちの心の闇。
    第二次大戦から解放軍として凱旋した父の世代、朝鮮半島から英雄として帰還した叔父の世代に対して、身も心も傷ついてベトナムから帰ってきたマイケルの世代の混沌とした心。

    クリスマス・イヴから数日間の出来事の中に、主人公のベトナム戦争の出来事が徐々に明かされていく。
    死んだと思って息子のお気に入りの服を捨ててしまった母は、帰ってきた息子が生きていることを理解できずにどこか冷たい。
    ベトナムの蔦や藪の茂みにおびえ、ヴェトコンの声におびえ、自分の手の中で友の命が流れていくのをおびえ……。

    作中でも、マイケルは自分がベトナムから帰ってきたことを、誰にもしっかり伝えていない。
    また、今目の前で起こっていることがどんなに大変なことであったとしても、自分のどこかがベトナムにまだいる。

    ラスト一行、コニーとともにいるマイケルのつぶやき。
    「かあさんかい?僕は生きているよ、もう一度生きることにしたんだ……」

    現実の彼らに、コニーは滅多にいなかった……。

  • 好きだなあ、こういうの。サスペンスラヴストーリー。もちろん87分署ではないしミステリと思って読まない方がいい。そんなことよりクリスマスイブにダウンタウンのバーを皮切りに次々と起こる不幸。そしてそこに現れた中国娘のコニーの助けで…素敵なラヴストーリーではないか!80〜90年代エドマクが勢いでガンガン書きまくってた頃の佳作。アメリカ小説に出て来るカワイイ中国娘の脇役は皆んな良い奴と相場が決まっている

  • たんに相性の問題だと思う。警察小説の金字塔(と呼ばれているらしい)「87分署シリーズ」のエド・マクベインが手がけたクリスマスストーリー、しかも和田誠によるカバーということでワクワクしながら手に取ったのだが……残念ながら読了できず。

    雪のクリスマスイブ。NYのダウンタウンでひょんなことから事件に巻き込まれ、なぜか警察から追われる身となってしまったちょっと軽いフロリダからやって来た男。そこに現れたのがひとりの中国系美女……。

    さながら、80年代製ハリウッドのラブコメディーといった恋あり笑いあり殺しありのお話。たぶん主人公はマイケル・J・フォックス(ちなみに主人公の名前は、マイケル・J・バーンズ!偶然じゃないよね、コレ)。

    トリックは面白そうなので、とにかくノリが合わなすぎて先に進めなかった。ノリの合うひと限定でおススメ。

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