キングの身代金〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 87分署シリーズ)

  • 早川書房 (2024年8月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150708108

作品紹介・あらすじ

87分署の面々が少年の取り違え誘拐事件を追う。ハリウッド・リメイク決定の映画「天国と地獄」の原作にもなった傑作が新訳で登場

みんなの感想まとめ

誘拐事件を背景にした緊迫感あふれる物語が展開される。主人公は富豪の息子が人違いで誘拐され、彼を救うために奮闘する警察の面々が描かれる。独特の話言葉が最初は難解に感じられるものの、中盤からは一気に引き込...

感想・レビュー・書評

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  • audible 。エド・マクベインの87分署シリーズの一冊。古うい本の新訳。黒澤映画の「天国と地獄」の原作本だけあってけっこう面白かった。
    このシリーズは100冊以上あるそうです。

  • 靴会社の富豪の息子が誘拐されるが、人違いで別の子が誘拐されてしまう。
    独特の話言葉が初めはくどい気がしたけど、中盤から事件解決まで一気に読ませる面白さ。
    結末はちょっと腑に落ちなかったけど、誘拐する側、される側の心境の変化がスリリングだった。

    黒澤明監督『天国と地獄』の原作ですが、事件のきっかけ以降はだいぶ内容は違うようですね。いつか観てみたい。
    エド・マクベイン初めて読みましたが、サスペンスの仕掛けというより、心情の描き方が人間味あって好みでした。

  • アメリカの大都市アイソラで、大会社重役ダグラス・キングの運転手の息子が誘拐された。犯人はキングの子と間違えたのだ。身代金を払えばキングは破産。しかし人道的には……一方、アイソラ市警87分署のキャレラ刑事らは犯人との交渉のためキング邸に赴くが、主人が非協力的で捜査は難航。まもなく身代金の受け渡し時刻が迫る――。警察小説の金字塔にして映画「天国と地獄」の原作が堂場瞬一の新訳で蘇る。

    新訳が出たので、40年ぶりに再読。大学生の頃、87分署シリーズはかなり読んだ。表紙がイラスト、テレビシリーズ「裸の街」の写真とまちまちで、「クレアが死んでいる」は市川崑監督の「幸福」の写真だった。「天国と地獄」は読後にBSで観たような記憶がある。この小説の肝だけを生かして、あんな傑作を作り出すとは、黒澤組はすごい。ちなみに先日観た、「スオミの話をしよう」の冒頭は「天国と地獄」をかなり意識していると思う。

  • ▼黒澤明の「天国と地獄」の原作本としてあまりにも有名な一冊。「87分署シリーズ」の中では異色作らしいですね。

    ▼努力してたたき上げてきた苦労人。いまや会社の経営者=大富豪がいます。大富豪なんだけど実は会社の実権をめぐって食うか食われるかのせめぎあいの真っ最中。
     一方で。それなりに努力はしてきたが恵まれず貧しいままの犯罪者がいて、人生の一発逆転を目指しています。そしてこの大富豪の息子を、身代金目当てで誘拐します。ただ、ミスってしまいます。間違えて「大富豪の運転手の息子」を誘拐してしまった。がーん・・・。

    ▼だけど・・・「それでも……それでも!……大富豪さん、身代金を払え。運転手の子供だからって、お前、見殺しにするのか??」と要求。
     葛藤する大富豪。払ったら、会社の権力闘争で敗北してしまう。おちぶれてしまう・・・。

    もうこの設定だけで、すばらしい。

    ▼読んだ結果で言うと、なんと作者のマクベインさんもほぼ認めた発言を残しているとおり、「クロサワの映画のほうが面白い。原作とは似て非なるものだけど」。

    ▼事件の終息の仕方は、原作の方がいまひとつ。ただこれはこれで面白いのですが。映画が素晴らしすぎた。

    ▼へえええええ と思ったのは、「もともと戯曲として作った話なんです」というマクベインさんのコトバ。映画も、前半はもう、一幕ものの極上の演劇のようなスキの無い恐ろしい緊迫感。(映画も、その素晴らしさのほとんどは前半なのです)

  • 堂場先生が翻訳されたという事で
    初めて海外の作品を読んだ。

    書かれた時代が古いのもあってか
    読み慣れない文章で夢中になる感覚がなかった。
    シリーズ作品・映画化と知らないことばかりで、後追いにはなるが追ってみようと思った。

    他人の子に自分の地位を、資産をかけれるかという、難しい誘拐事件。
    その地位を掴むために努力をしたと何度も表現されており、彼の葛藤をすごく感じた。

    新たな作品と出会えた

  • 「誘拐された他人の子の身代金を払えますか?払ったら自身は破産です。」
    という作品紹介にひかれて読みました。

    海外の小説は読みにくいものもありますが、こちらの作品は読みやすかったです(2024年に出版された新訳本だったからかも)。

  • 2025.01.14
    新訳の良さを感じる一冊。
    登場人物のうち、自分に正直な人が2人いる。
    その率直さを評価したい。そんな人間模様を考えさせられる。それだけ念入りに主要登場人物の人物描写が書き込まれている。

  • 警察小説の原点とも言うべき〈87分署シリーズ〉
    その中でちょっと異彩を放つ『キングの身代金』は、先日一気見したwowow連続ドラマに出てきて、ちょっと興味を持って読んでみた。

    しかも新訳は堂場瞬一

    たまたま間違えて誘拐したものを強引に身代金要求すると言う設定は、なかなかのもの(もともと誘拐は成功しにくい犯罪)
    これで誘拐が成り立つとすれば、それから誘拐犯は誰でもいいから子供を誘拐して、適当な金持ちか企業に「身代金を払え」って言えばいい。
    あ!イスラエルでハマスが行った大量誘拐は「金払え」では無いがこの方式だ。
    タカ派のイスラエルのネタニヤフ首相は「テロに屈しない」と言って戦争を始めた。

    一方でこの本のキングは「なぜ私に払う義務があると言うのか」と怒りながら苦悩する。

    その結末は……

    エド・マクベインの警察小説には、北欧ミステリーにあるような特徴のある一匹狼の刑事はいない。どちらかと言えば「普通の警察署のお仕事」物語(湾岸署を思い出してしまった)
    そこにマクベイン独特のスマートで軽快なリズムが加わり、いつのまにか取り込まれてしまう。

    いつまでも古さを感じさせない。

  • 現役作家の新訳。キングの葛藤、犯人グループの人間関係、さまざまな力学がたしかに舞台劇に近い印象。社員の子供の命と会社の運命、どちらを選ぶか。翻案すれば、いまでも通用するプロット。面白いドラマになりそう。

  • 面白かった。 終わり方がちょっとあっけなかったのが残念だったかな。

  • 昔、87分署シリーズにはまってたけど
    なぜか有名なこれを読んでいなかった。
    それがなんと、ご自身も警察小説の作者である
    堂場瞬一の新訳で登場とは!
    ありがたいです。

    物語はシンプルな誘拐劇で
    大企業幹部の息子と間違えられて
    その幹部の運転手の息子が誘拐された。
    幹部は企業買収の瀬戸際にあり
    そのために用意した金を
    誘拐犯に払うかどうかが描かれる。
    また、誘拐犯視点の章もあり
    そちらは、身代金受け取りの計画と
    微妙な仲間割れ、誘拐された少年の姿を描く。

    思ったより87分署の連中動かないなぁと思ったら
    舞台劇を想定していたのですね。
    でも、やっぱりもっと群像劇なのも読みたい。
    この本をきっかけに、また復刊して欲しいです。

  •  黒澤明監督作品「天国と地獄」の原作として有名な87分署シリーズ第10作を、警察小説の雄、堂場瞬一氏の新訳で復刊。
     作品の時代性を損なわぬ程度に、現代の言葉遣いに近い訳を心掛けたとのことで、とても読み易かった。舞台劇さながらの会話が面白く、イッキ読みしてしまった。

     警察小説の代表的作品ながら、刑事たちはあくまでも脇役で、キングの陥る道義的ジレンマを描くドラマ性が見事な異色作だ。
     人間の欲望と格差社会の問題を炙り出すストーリーは、今も尚色褪せない。

  • 〈87分署〉シリーズは初めて。
    警察小説なので、トリックもだが人間ドラマも中心に。続いてシリーズを読んでみるか。

  • 黒澤映画を観てから原作がコレであることを知り、読みたいなと思っていた。映画の方が良い出来だな。

  • 誘拐までと、キングの決断までの様々なやり取りがとにかく鬱陶しく、ひたすらイライラしながら読みました。
    後半はテンポも上がり(それでも読み飛ばしたい箇所もありましたが)、ラストでは「人の変わりよう」に(釈然としないながらも)救われて、読後感はさほど悪くありませんでした。

  • 小説家の堂場しゅんいちの 新訳。警察小説とはいえ、キングの葛藤がみもの。 黒澤明はよくこれを 傑作 日本映画にした。
    黒沢はこの映画のもう一つの主題である格差の問題を捉えてドラマとした。 煙突の煙の桃色が 印象的だったのを思い出す。

  • 空虚な会話のやり取り

  • 2024年の25冊は、エド・マクベインの「キングの身代金[新訳版]」です。87分署は、読んで見たかったシリーズの1つです。しかも、堂場瞬一氏の翻訳とくれば、読まない理由には行きません。
    シリーズ屈指の変わり種という事で、本作の主役は、87分署の刑事達でなく、2組の夫婦です。1組目は、タイトルにもなっているダグとダイアンのキング夫婦。ダグは、製靴会社の重役で高級住宅街の豪邸に住んでいます。もう1組は、相棒と誘拐事件を起こすエディとキャシーのフォーサム夫妻です。エディは、強盗を繰り返して生活しているチンピラです。金持ちの子供を誘拐して身代金をせしめて、メキシコで心機一転の生活をしようとしています。しかし、彼らが誘拐したのはキング夫婦の息子ボビーでなく、キング家の運転手の息子ジェフでした。彼らは、誘拐の取り違いに気が付きますが、構わずにキング夫婦に身代金を要求するというのが、本作の面白い所です。自分のでない子供に多額の身代金を払えるのかという事ですが、ダグは社内において権力闘争中でも有り、株の買占めの為に多額の金を必要としていました。身代金を払ってしまえば、逆に、会社から自分が追い出され破滅してしまいます。ダグのジレンマとその決断が、最大の読みどころと言えるでしょう。2組の夫婦を通して格差社会の問題を炙り出してもいます。脇役に回った刑事達の会話も申し分ないです。堂場瞬一氏の訳もいかにも作家らしい翻訳だと思います。
    ☆4.6シリーズの他の新訳を期待します。

  • 2024/08/16読了

  • 87分署シリーズはだいぶ昔に何冊か読んだことはありましたが、本作「キングの身代金」は未読でした(黒澤明監督の「天国と地獄」も含め)。今回、堂場瞬一の新訳版ということで改めて手にとってみました。
    感想として、87分署の刑事たちの活躍を期待して読み始めるとやや肩透かし感があるかも。前半は企業内の抗争がメインで、中盤から後半にかけても、命と金の葛藤を中心に描かれ、合間に捜査シーンが挿入される感じです。ラストも少しもやもやする結末でした。
    ただ全体的には面白かったので、ぜひ堂場瞬一版「87分署シリーズ」の続きを期待します。

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