深夜プラス1 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18‐1))

制作 : 菊池 光 
  • 早川書房
3.74
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本棚登録 : 960
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150710514

感想・レビュー・書評

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  • 良質なハードボイルドミステリー。矛盾した言い方だが大人向け少年漫画を読んでいるようだ。設定と登場人物が際立っている。元MI6のカントンことケイン、アルコール依存症の殺し屋ハーヴェイを中心とした個性豊かな登場人物。リヒテンシュタインでの株主総会という緊迫感を与える目的地と期日。モーゼル銃やシトロエンDS、ロールスロイスファントムⅡなど魅力的な小道具たち。そして息をもつかせぬ展開とどんでん返し。最後の締め括りもハーヴェイに対するケインの所作もクールだ。イギリス小説特有の品とハリウッド映画を観ているような興奮を兼ね備え、エンターテイメント小説として全く古臭さを感じない面白い小説だ。

  • 内藤陳の「読まずに死ねるか!」でこの本を知り読んだのはもう30年ほど昔のことだろうか。
    それまでは、かたくなに外国の本は読まなかったのが、内藤陳の勧めるままに海外のハードボイルド・冒険小説を読み出し、はまっていった。
    そこここに散見される言い回しが実にしびれる。

    内藤陳の言うとおり、まさに、これぞハードボイルドという本です。

    「モントルーで冬を過ごす連中は絶対に列車を利用しない。ロールス・ロイスが少し調子が悪ければ、恥を忍んでメルセデスを雇う。」

    こんなのばかり読まされたらもう、堪りません。
    確か再々読。
    という事は10年ごとに読みたくなる本なのです。

  • 海外物のハードボイルド・冒険小説の古典のひとつといわれる、1965年発表の英国の作品。日本では1967年にハヤカワ・ミステリとして発刊、1976年に文庫化された。同種の小説のランキングでは、ほぼ例外なくベスト10に入る傑作である。
    ストーリーは、第二次大戦時に諜報員だったビジネス・エージェント、ルイス・ケインが、欧州でナンバー3といわれたガンマン、ハーヴェイ・ロベルとともに、かつての仲間からの依頼を受けて、無実の罪で殺し屋と警察双方に追われる英国の実業家マガンハルト(と秘書ミス・ジャーマン)を、仏ブルターニュからリヒテンシュタインまで送り届けるというもの。
    移動を共にするケインとハーヴェイ、マガンハルト、ミス・ジャーマン、更に移動途中で様々な形で接する人物たちの心の綾、敵とのスリリングな闘い、そして予想もしなかった結末。。。
    発表後50年を経ても、陳腐さを感じることはなく、むしろ、大戦のヨーロッパ戦線の面影を一部に残し、携帯電話のような通信手段など存在しなかった時代であるが故の状況設定・ストーリー展開が、現代とはまた異なる面白さを与えているとさえ言える。
    (2015年5月了)

  • 読み返し。
    何冊か読んでみても、ハードボイルドというものの定義や面白さが未だによく分からないのですが…この作品のカントンやロヴェルの、プロフェッショナルな拘りは読んでいて心地いいです。食べているパンやコーヒーがおいしそうで羨ましい。ほんと、最後にくぎ付けになる。

  • 乾いたユーモアのある文章がハードボイルド。
    たとえば、

    「朝だが、一緒にシャンペンを飲んでいただけるかね?」
    「シャンペンは朝が一番です」
    「そのとおり。昼食時間をすぎると女の子の飲み物だ」

    もう少しで、いい酒ですな、と言うところであった。将軍たちの時代には、人に出すものは最良のものと決まっていたのだ。

    また、あえて一行削ったような、書きすぎない美学も、キマッてるし、劇的な緊張感を与えている。
    一流の文章家だ。

    物語も、紆余曲折、先を見通せない仕掛けがたくさん。
    読み終えてみれば、ヒントはあちこちにまかれていたことにきづかされる。
    なかなかに鮮やかで、名作と呼ばれるのも大いに納得。

  • 個人的にはマクシム少佐シリーズのほうが好きだが、代表作的な扱いをされるだけあって終始飽きさせない展開で面白かった。

  • ミステリ

  • 故日本冒険小説協会会長、内藤陳さんイチ推しのオモシロ本。何回読んでも面白い。マストリードでしょ!。

  • 「冒険小説」ベスト30の中で、第二位に輝いた作品。
    しかしながら、私にとっては、あまり心に残らなかった作品だ。その後、「新訳版」も出たので、そちらのほうがどうなのだろうか? 

  • 渋い話だ。淡々と引き込まれた。一気に引き込まれない、妙な味がある。
    ガンマンと送り屋。一番と思われてないのに、一番であることを腕で示した話。最後もハードボイルドだ。

    ・切り込みのある拳銃などというものは、素人の専用品だ。

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