ちがった空 (ハヤカワ・ミステリ文庫 18-3)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150710538

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  • 大空を翔る男たちのロマンに彩られた航空冒険小説。1961年発表、しっかりとした骨格を持つライアルのデビュー作で、宝探しというオーソドックスなテーマに挑んでいることからも、新参者としての熱い意気込みが伝わってくる。
    第二次大戦が引き金となり英国領から分離独立したインド・パキスタン。その混乱期に失われたインド王室の財宝を巡り、エーゲ海を舞台に争奪戦が展開する。主人公は、雇われパイロットのジャック・クレイ。腕は確かながら、過去の非合法活動がもとで英国国籍を離れている。あとに行動を共にするのは、ライバルであり親友でもある敏腕飛行士ケン・キトソン。この二人の共闘を軸に、宝石を追い求めるアウトローらの姿を描くのだが、酸いも甘いも噛み分ける成熟した男、ライアルならではの筆致で、狡猾な「犯罪」ではなく、爽快な「冒険」としての世界/情景が拡がっていくのは、やはり創作者自身の資質によるものなのだろう。二人を待ち受ける苦いラストは、後の「深夜プラス1」へと繋がるものだが、結局はカネや名誉ではなく、男としての誇りが全てを決定付ける冒険小説本来のエッセンスを凝縮している。
    臨場感溢れる飛行シーンも多彩で、冒険小説ファン感涙の名機ダコタDC3や独特なスタイルが魅力のピアッジオは、空を飛ぶことの爽快さと厳しさまで追体験させてくれる。ライアルの初期作品には、紛れもなく芳醇な「浪漫」がある。

  • ダコタは最高にかっこいい飛行機だし出てくる女は最高に美しいし、言うことなし。でも主人公のパイロットは素寒貧でヨレヨレな感じ。古い仲間のケントは凄腕のパイロット。元インドの殿様の宝石を追って、エ-ゲ会に浮かぶ島々と北アフリカの砂漠を舞台に繰り広げられる大冒険。飛行機小説。ペ-パ-バック。

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