- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150715564
感想・レビュー・書評
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一応これで邦訳されてる長編のマローンシリーズは全11作を読んだことになるのかな。
ライスの持ち味の「物語の冒頭から事件が起こって読者を鷲掴み」ってところは今回もバッチリですが、その後の話の展開のテンポがイマイチ。マローン自身に降りかかった災難ってネタでもあるので、前半はマローンが空回りぎみでなかなか話が進まず。
ジェークとヘレンが登場してきて、お互いの情報を提示し始めた段階になってようやく話が見えてきますが、シリーズ10作の長編を読んできている目から見ると、今までのパターン内に収まってしまっている印象。(まあ、ライスらしい話の展開なので、それはそれで『安定感』とも言えますが)
いつもの3人組が一緒に登場するシーンも少ないので軽妙洒脱な会話の応酬が少ないのも物足りない。
なんかマイナスな感想ばかりですが、他の作品に比べるとちょっと印象が薄いかなぁ、という評価です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2003年9月発行の新訳。
もとは1957年発行の本。
捜査がどこかのんびりしているが、古さは感じさせない面白さ。
エスタプール家の娘が誘拐され、身代金の仲介を酔いどれ弁護士マローンが依頼されると街の噂。
マローンが事務所に帰るとレナード・エスタプールの死体が。
レナードの妻カルミーナは大変な美人だが、誘拐された連れ子のアルバータはいたいけな少女ではなかった!?
陰謀に巻き込まれたまま帰らないヘレンを心配するジェーク。
フォン・フラナガン警部をごまかしながら、賭博場のボスであるマックス・フックとも持ちつ持たれつ、右往左往しつつ、事件解決にもっていく。
クレイグ・ライスは1908〜57年。ユーモアたっぷりのミステリが多数有り。 -
やはり、クレイグ・ライスのマローンシリーズは面白い。
このお話での可愛げのない子供からや、そういえば野良犬に好かれるマローンのキャラクターって、私たち読者にもとても魅力的です(笑) -
マローン、ヘレン、ジェイク、と言う言語に絶するようなお騒がせトリオが繰り広げる、てんやわんやの大騒ぎシリーズの一つです。
「何か不愉快なことがおきようとしている」と言う予感におののきながら馴染みのバーから帰ったマローンは、事務所の床に依頼人の死体を発見する。依頼人は、誘拐された娘を取り戻すための仲立ちをマローンに頼むはずだった。例によって、ありとあらゆる事件や秘密や謎が、マローンめがけて降ってきます。さっさと謎を解かないと、マローン自身が誘拐犯と殺人犯にされてしまう!
マローン最大の危機!
このシリーズのドタバタぶりと楽しさは相変わらず。いつもよりは、ヘレンとジェイクの見せ場が少ないけれど、その分、誘拐された、「青い目に金色の巻き毛」のコマンディと言う少女が、傑作。
殺人課のフォン・フラナガンをはじめ、いつもの楽しいメンバーも加わって、大騒ぎが繰り広げられます。
「マローンは何でも知っている〜♪」って、みんなが思ってるのに、今回ばかりはな〜んにも知らないマローンが、ほんまに、面白い。