赤い箱 (ハヤカワ・ミステリ文庫 35-4)

  • 早川書房
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本棚登録 : 39
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150719043

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず、美女には弱いアーチーですが、自覚しているので、許しましょう。

    実際に追い詰めてくる人物を眼で確認したわけではなく、そういう人物がいると思いはじめ、思いつめ、自らを追い込んでしまう。
    まぁ、事実追い詰められてはいたんだけれど、自ら恐怖を大きくしてしまい、逃げられなくなってしまうことってありますよね・・・
    本の内容と話ずれてるけど・・・・
    日常でも、ちっさい事なんだけど、後回しにしてたら、それが頭の片隅にずっといるもんだから、日に日に大きくなっていってしまって怖くなったりします。やってみるとたいしたことなかったりするんですけどね。恐怖心が強いと、人間不機嫌になったりするじゃないですか。
    喰わずキライみたいなのに近いんでしょうか。
    まぁ、よくあります。
    あれ?内容は?
    アーチーばっか追いかけてて・・・あれ?

  •  実にイメージしたとおりのネロ・ウルフで嬉しくなる。アーチー君の毒舌も期待通りで、この凸凹コンビ(主人と使用人ではあるのだけど)の、ほとんど掛け合い漫才と言っていいような雰囲気はとても楽しい。
     手がかりが秀逸で、これは本当にびっくりした。手がかりと言うよりも「モロ」なんだもの。それから、全編を通じて鍵となる「赤い箱」の正体というか「扱い」も素晴らしい。何となくシニカルな感じがする結末なのだけど、全体としてユーモラスな雰囲気で包んであるから、いい感じでバランスがとれるのだろう。
     人気のあるシリーズであるということは納得。もう少し読んでみたくなる。
    2009/11/7

  • 1937年の作品です。
    仕事では決して家を出ないと決めているネロ・ウルフだったが、蘭への偏愛をくすぐるリュー・フロストにのせられて、モデル殺人事件の調査に洋装店に出かけた。そこは超一流の洋装店で休憩中のモデルがほかのモデルとともにチョコレートを食べて、ただ一人毒死したのだ。イヤイヤ出かけて関係者に質問し、事務所に戻ったネロ・ウルフにリューは手を引いてくれと懇願し、拒絶されると、とてつもなくうるさいフロスト一族が現れた。どうやら、リューのいとこでモデルのヘレンに質問されたくなかったらしい。そして、このヘレンこそがフロスト一族の富と関心の源だったのだ。調査を継続するうち、とんでもない事件が勃発する。洋装店オーナーがウルフの自宅で毒殺された!自分が死んだら彼に「赤い箱」を遺贈すると言い残して。
    この殺人で、これはウルフにとって単なる事件ではなく、犯罪となった・・・・

    例によって、関係者とのさまざまな会話から事件の全貌を洞察し掴み取るネロ・ウルフですが、今回は証拠がなく解決に苦戦します。
    その様子がアーチーとの掛け合いを含めて実に面白い。初期の傑作、といわれるのも当然でしょうね〜。
    何より、登場人物が実にまざまざと描き出されているし、むかつくとビールを飲み過ぎるウルフが、空きビンは隠すのに栓は引き出しにしまっておくところなど、随所にユーモアが散りばめられていて、飽きさせません。アーチー君は相変わらずいじらしいほど可愛く、笑えます。一昔前の上質なミステリの代表でしょう。
    犯人とその動機もまずまず納得できました。一箇所ちょっと説明不足かなあと言うところは有りましたけど。

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著者プロフィール

本名レックス・トッドハンター・スタウト。1886年、アメリカ、インディアナ州ノーブルズヴィル生まれ。数多くの職を経て専業作家となり、58年にはアメリカ探偵作家クラブの会長を務めた。59年にアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞、69年には英国推理作家協会シルバー・ダガー賞を受賞している。1975年死去。

「2024年 『母親探し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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