九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

制作 : Stanley Ellin  小笠原 豊樹 
  • 早川書房
3.25
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本棚登録 : 79
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150719555

感想・レビュー・書評

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  • 前々からエリンやその他作家の作品を「ミステリ」とカテゴライズするのはなんか違和感を感じていて、怖いと感じる作品もあるけど、全てが怖いかというとそうでもないので、江戸川乱歩に習って「奇妙な味」というカテゴリを作ることにした(過去読んだのも分類しなおすつもり)。

    と前置きが長くなってしまったが、「特別料理」で有名な短編の名手エリン。かれこれ作品集読むのは3冊目だが、やっぱり面白い。なんとなくオチの予想がつく話もあったが、それでも面白い。語り口がうまいのだ。
    書き出しだけで42回も書き直したという逸話があるようで、作品としてはたかだか数ページなのだが、選び抜かれた言葉と巧妙な構成、見事なオチである。

    以下収録作品。
    「プレシットン計画」「神様の思し召し」「いつまでもねんねえじゃいられない」「ロバート」「不当な疑惑」「運命の日」「蚤をたずねて」「七つの大徳」「九時から五時までの男」「倅の質問」

    中でも唸ってしまったのは「不当な疑惑」と「九時~」。列車で近くに座った弁護士の強烈に残った過去の事件についての話に思わず耳を傾ける主人公。法律の盲点を突いて、伯父を殺しておきながら無罪放免で釈放される甥兄弟も凄いのだが…このオチ。主人公が思わず車窓を叩くのもわかる(笑「不当な疑惑」。「九時~」は良き夫であり父親である50代の男性。物販会社のセールスマンという表向きの仕事が実は…以前読んだ「贋金づくり」と似ているが、こちらの方がよりスタイリッシュ。これは確かに妻の甥っ子を物販会社に紹介してあげるのは無理だよなぁ(笑。

    とにかく「不当な疑惑」を読めただけでも私には価値ある1冊だった。その他の作品もラスト部分をよく読みなおすと、タイトルの意味がよくわかる。

  • 奇妙な味わいとまではいかない感じだけど、面白かったです。

  • 何だか普通の話といった印象。

    はっとさせられるような話がない

  • スタンリイ・エリンの短編集。
    ミステリ風味のある短編で、題材やとっかかりの謎がどれも魅力的。そして最終的にはキッチリとオチがついている。正直言うと最初の「ブレッシントン計画」は、はじめに読んだときはいまいちでこんなものかと思ったが、読んだ後に回想してみると良さがじわじわと伝わってくる。いわゆるスルメ的作品。
    「不当な疑惑」はここではなにも書けないけど傑作中の傑作。
    その他、自宅で暴行を受けた温室育ちの若妻にさらに降りかかる悲劇「いつまでもねんねえじゃいられない」や生き馬の眼を抜く社会で働く心構え(?)を書いた「七つの大徳」など。
    どれもこれもテーマの取り上げ方がおもしろくてうなる。
    しかし、どうも翻訳が古いかな。ねんねえって・・・(笑)

  • 短編小説を料理に例える事が良くありますが、「特別料理」という代表作(勿論未読)を持つエリンの短編はまさにシェフが技を凝らした奇妙な味の特別料理。洒落ていて、読んでいるだけでちょっとゆったりとした至福の時。日頃、吉牛や立ち喰いそばで済ませてしまう事の少なくない食生活を「これじゃいかんなぁ」と思えてきます。

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