- Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150730031
感想・レビュー・書評
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世界ミステリ作家事典 本格派篇では、ブランドのほかの作品より若干落ちると紹介されているが、そんなことはない!確かに実現性という意味ではどうかと思う部分があるが、そんなの分かってのこのタイトルがつけられているのだろうし。他の作品に比べてサスペンス性が優れており、野球場で試合が始まったのも気にせずに一気に読んでしまった作品です。
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コックリル警部が休暇でイタリアを旅行中に同じグループの旅行者が殺された事件。登場人物は限られており、コックリル警部自身がビーチで全員を監視できる立場にいて、全員のアリバイを証明するという異例の事件。まさに「はなれわざ」の殺人で、誰が、どうやってやったのかという謎。使われているトリックは二重の錯誤を使った巧妙なものだが、そのうちの1つの錯誤の方にはかなり無理があり、「普通、誰かが気づくでしょう」と感じる。実際に、コックリル警部ともう1人が気づいたわけだが、すぐに気づきそうなもの。
真相を二転三転させており、事件の見せ方にも工夫が見られる。
ただ、1つしか殺人事件が起こらないのに(傷害事件がもう1件起こるが)長々と引っ張って中弛みと感じることや、ルーヴァンとヴァンダの容貌が瓜二つであることが読者には随分遅くなってから明らかになること、コックリル警部から見られずに犯行を行いうる人物が実際にはいたことが後で明らかになるなど、不満点もあった。 -
話しはまずまず面白いけど、そんなすごいトリックとは思えない。
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過去の既読本
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休暇をすごすため、イタリア周遊ツアーに参加したスコットランド・ヤードの名警部コックリル。だが、事件が彼を放っておかなかった。景勝で知られる孤島で一行のひとりが何者かに殺された。地元警察の捜査に不安を感じたコックリルは自ら調査に乗り出すが、容疑者であるツアーの面々は、女性推理作家やデザイナー、隻腕の元ピアニストなど一癖ある連中ばかり…ミステリ史上に輝く大胆なトリックで名高い、著者の代表作。
このミスディレクションは効いた。解説にもあったが作者の厚かましさといったらもう。不可能犯罪、推理合戦、自白合戦、犯人の狡猾さ…今まで読んだ名作のいいとこどりしたような、素晴らしい作品だった。
作者の計算高さには恐れいってしまう。ぜひとも皆様も騙されてほしい。
挿絵がまたいい味をだしています。絶対不可能犯罪じゃんと保証してくれるのである。 -
「意外な結末」「どんでんがえし」のキーワードで良く紹介されるミステリ古典。
気になってたので読んでみたけど・・・あれれ、全然意外じゃないよ・・・。
1955年当時であれば斬新だったんだろうなぁ。
そういう意味では、すっかりスレてしまった自分の感性が残念。
でも、このトリックなら1/5の厚さで良いんじゃないかと率直に思う。