- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150735043
感想・レビュー・書評
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感想は新訳版で
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価値の無いものを盗む。どの様に盗むか、何故盗むかのパターンの短編集その2。
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3+
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短編集第二弾。3姉妹が持っているかがり玉のどれに当たりが入っているのかをニックがロジックで推理する「木のたまご」が面白かった。
価値の無いものを盗み続けるところは1作目から変わらずですが、今回は舞台がイタリアに行ったりスイスに行ったりと、ちょっと国際色豊かになった…かな。 -
「それがおれの仕事だ」ニックが言った。まさにそのとおりだ。ニック・ヴェルヴェットは、並はずれたもの、変わったもの、価値のないものを盗む。現金や宝石や美術品は盗まない。「何を盗むんだ?」
(「シャーロック・ホームズのスリッパ」より)
《ニック・ヴェルヴェット》シリーズ第二短篇集。
またもや怪盗ニックが挑む十二の依頼。
今作は、プールの水、教会のオルガン、海軍提督の雪、シャーロック・ホームズのスリッパ、学校に貼ってある児童画……。そして、表題作「怪盗ニックを盗め」や「何も盗むな!」といった少し異色な依頼も収録されています。
前作でも述べましたが、依頼の報酬が二万ドルです。当時の日本円にしていくらか分かりませんが、金持ち(富豪や裏の人間など)でしか払えない値段設定なのは明白です。段々と読み進めているうちに、ニックの貯金はおいくらなのか気になりました。かなりの高額なのでは。……いや、野暮ですね。
場合によっては、二万ドル以上のお金を稼ぐこともしばしばあります。
また、一銭も稼げない依頼もありました。失敗はニックには似合わないですが、あれはどうしようもなかったでしょう。まさしく、ハイリスク・ハイリターンな世界だということが認識できました。ニックだって生身の人間だもの。
また、全作にも共通しますが、ニックはただ盗むだけではなく、自分自身の危機を回避するために「推理」もします。(運任せやあてずっぽうの時もなかったといえば嘘になると思いますが。)
その「推理」は、依頼人に出し抜かれないため、出し抜かれたとしても最小限に留めるため、依頼人や危険人物に対しての駆け引きに使うため、と用途は様々です。まさしく、ニックの強力な「武器」でしょう。
それらを含め、ニックにはさらなる盗みを働いてほしいです。まだまだニックへの奇想天外な依頼に興味を覚えます。今度は何を盗むのでしょうか。気になります。
(百石) -
短編集です。
高価なもの、価値のあるものは盗まないという泥棒の話。ちなみに報酬は一律2万ドル!かなり高そうですが、なかなか繁盛しているようです。
さて、この本に収録されているもので、ニックに盗んで欲しいと依頼されたものを列挙してみると・・・“プールの水”・“雪”・“木のたまご”・“シャーロック・ホームズのスリッパ”・“児童画”等々・・・。更には“何も盗むな”という依頼もありました。
どうやって盗んだらいいねん、とか、なんじゃこりゃ?!という依頼ばっかりですが、それぞれに深い理由や事情があり、背後には大きな事件が隠れていたりして、怪盗ニックは盗むだけじゃなく謎解きもするハメになるのです。意外なストーリー展開で、面白い作品でした。
ところでこの作者、1000編近い短篇を書いているそうです。スゴイです。尊敬します。普通のショートショートより難しそうなのに・・・!発想力が豊かなんですね。羨ましい~・・・。 -
金銭的価値のないものしか盗まない怪盗・ニック・ヴェルヴェットを主人公とした連作短編集。
ニックの盗むものは金銭的価値のないものに限られるので、筋の面白さはニックが依頼品をどうやって盗むのか、また何故依頼人はそれを欲しがるのか、にかかってくる。
あまり色々考えず気軽に読めた作品だ。個人的に気に入ったのは「プールの水を盗め」と「聖なる音楽」。
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2
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短編集ってことでなんとなく買った本。
2万ドルの報酬でどんなものでも盗んでみせる、ただし無価値なものしか盗まない主人公がいろんなものを盗む話。
なぜ依頼人は無価値なものを盗んで欲しがるのか、の背景はそれぞれ結構面白かったけどニック、ピンチにならなさすぎです。拳銃つきつけられても冷静そのものなもんだから盛り上がりにかけがち。
どうなのかなあそれ…。