- Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150736040
感想・レビュー・書評
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The Cask(1920年、英)。
クロフツの処女作で、代表作のひとつ。リアリティ及びフェアプレイを重要視し、アリバイ崩しという型を定着させた作家。
パリからロンドンへ運ばれた樽の中から、女性の死体が発見された。ドーバー海峡を挟んで、英仏の合同捜査が開始される。樽の搬送経路をはじめ、事件は混沌としていたが、捜査が進むにつれ事件の焦点は、ある男のアリバイの有無に集約されていく…。
小細工は一切ナシ、超硬派な本格推理小説。キャラや雰囲気で読ませるのではなく、とことんロジックで読者に挑戦している。細かい点まで、キッチリと理詰めで解決しているのが印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大昔、講談社文庫(たしか三浦朱門訳)で読もうとしたがもうほとんど序盤で挫折したままだったのだが、この訳ではけっこうすいすい読める。サスペンスもあって面白い。これは訳の違いなのか、それとも自分が成長したのか。
樽の中身がわかるまでが第一部、警察の地道な捜査で容疑者が逮捕されるまでが第二部、そしてもしかしたら罠にはめられたかもしれない被疑者のために弁護士/探偵による捜査が行われ劇的な結末に至るまでが第三部。それぞれ別の楽しみ方があって面白い。 -
アリバイを検証する過程がとても丁寧。
地味だが、少しづつ真相に近づいていく感動がある。 -
苦手なタイプかなと思ったけど案外読みやすく、そして面白かったです。地道な展開は私でも置いてきぼりにならなかったし、ジワジワ追い詰めていく感じがあって良かったな。
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長い。ひたすら長い3部構成。最後の3部、私立探偵に入ると物語が一気に転がりはじめるのがおもしろい。
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事件発生から終わりまでの全情報を提供しようという勢いの描写量に圧倒。そのぶん物語としては若干面白みに欠けますが、ある意味「職人技」であることは間違いないです。
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名作と名高いが、あまり楽しめなかった。アリバイ崩しの地味な作風は、自分には向いていないのかもしれない。
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これを読むまで『アリバイ崩し』に興味を持てなかったけど、考えが激変する面白さだった。傑作。
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有名なアリバイトリック作品のひとつ。黄金期を飾る一作。私としては、アリバイトリックものを初めて読んだのですが、犯人がわかりやすいアリバイトリックものはあまり好きじゃないかな。でも、アリバイトリックの名作ということもあり、好きでない私ですらも飲み込まれてきていたし、面白かったですし、やっぱり名作は違うなぁと思いました。