漂う提督 (ハヤカワ・ミステリ文庫 73-1)

  • 早川書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150738013

感想・レビュー・書評

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  • 黄金時代にクリスティー、セイヤーズ、クロフツ、バークリー等の大物作家によって書かれた連作小説です。
    錚々たるメンバーの名前を見ているだけで期待感が高まります。
    事前の相談は一切なしで書かれたようですが、それでも面白く読めるものに仕上っています。
    内容はざっくり言うと川を漂っている提督の死体が発見され、ラッジ警部が事件を捜査をしていくというものです。
    各々の作家は自身の思惑で各章を書いたようなので、最後の章の解決編を担当したバークリーはさぞ大変だった事でしょうが、その手腕は素晴らしいものです。
    いろいろと出された謎や問題点に綺麗にスッキリとした答えを出しています。
    各章担当の作家がそれぞれで結末を予測した予想解決編が巻末にあるのも見所です。
    ただ、連作なので仕方ない事なのでしょうが、書く人によって登場人物の印象が若干違っていて、読んでいて少し違和感がありました。
    豪華なミステリ作家達の遊び心が楽しめる1冊です。

  • クリスティー、セイヤーズ、チェスタトンにクロフツ、バークリーと豪華な面々が揃ったリレー小説。
    まぁ、結末判らずに13名の方々がリレー小説書いていくので、冗長な感じは否めませんが、書き散らかされた割に、まぁまぁ綺麗に纏めてますね。さすがバークリー。
    クリスティーの描くお喋りおばさんが、クリスティーらしくて見事だったり、それまで誰もノータッチだった鉄道部分のネタに異様に食いつくクロフツ。ノックスに至っては、中国人を犯人にしてはいけない説を作者ノートで主張していたりと、各作家の色が出てて面白かった。

  • アガサクリスティをはじめとする「探偵倶楽部」に参加する推理小説家による連作。
    アガサクリスティの番に鳴ったら、途端に噂話の好きな人に話題がいき,アガサクリスティらしさが漂った。

    最初に訳者あとがきを読んだので、作者が変わることに対して、さほど違和感なく読み進むことができた。

    最後の方で,未整理な事もあるが,一人で書いた場合でもあることなので大目に見ると良いかも。

    新たに読む作家を知るのによい。

  • リレー小説集。
    豪華な面々がそろっています。

    事件はボートの上で
    一人の提督が殺されているところから
    はじまります。

    なぜボートに乗っけられているか…
    という不自然な状況が
    事件をさらに推理しにくいものにしています。

    ちなみにこの作品、
    完全な解決を見ません。
    そして物語が終わって
    その後を見ると、不自然にページが
    多いですね。

    実がそれがメインです。
    そう、いつもとは逆のことを
    しているのです。
    推理小説作家が事件を推理しているのですから。
    これは貴重ですよ。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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