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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784150747015
感想・レビュー・書評
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杉江松恋さんおすすめ本。面白かった!妻を殺害し米国へ逃亡すべく豪華客船に乗り込んだ歯科医ウォルターと愛人。そこに事件発生、伝説のデュー警部を名乗ることに‥。登場人物達のコメディぷりと倒叙物かと思わせての二転三転に唸った。
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豪華客船での殺人ですが、物語が喜劇的というか若干のコメディー感があります。
数ページのみですが、冒頭にチャップリンが登場します。
訳者あとがきに書いてありましたが、各章の題にチャップリン映画の原題名がついています。
これはお洒落でユーモアだと感じました。
本書の魅力の1つは登場人物達です。
ヒロインのアルマは男性経験はないのに恋愛小説ばかり読んでいる夢想家です。
現代にもこういう人はいそうで、なかなか強烈なキャラクターです。
豪華客船は物語の半ばまでこないと出てこないので、全体的な流れは遅く感じるかもしれませんが、偽のデュー警部となったウォルターが事件を捜査しはじめてからは段々と面白く読ませる展開になっていきます。
最後には驚きもあって面白く読める作品です。 -
ひゃ~、この本、とても面白かった!
読んだことない人はみんな、読んだ方が良いと思う!
図書館で取り寄せてもらったんだけどね、
まぁ、この文庫のぼろくなってることと言ったら!
皆さんがせっせと読んだ証ね…と
なんだか嬉しくなってしまった!
お花屋さんに勤める、恋愛小説を読むのが大好きな
と言うか絵空事を指針にして生きている
夢見る夢子さんこと、アルマちゃん(28歳)は、
はじめて行った歯医者さんで、歯科医に一目ぼれ!
一方その歯科医バラノーフは腕も良く医院も繁盛しているが、
女優の妻には頭が上がらない。
その気の強い妻リディアは、
「自分がいま一つ活躍できないのは場所が悪い」と言う事で
イギリスにあるもの何もかもすてて、
昔の知り合いチャーリー・チャップリン(!)を頼り
アメリカに渡ることに。
バラノーフは自分の歯科医院を
患者もろとも勝手に売り払われ、
その他もろもろでもう我慢も限界、
アルマも愛するバラノーフと離れるのが辛い、
邪魔をする女(リディア)を亡き者にすれば…と
リディアがアメリカ行きの為乗り込む豪華客船の中で、
完全犯罪で殺す計画をたてる…
この三人のキャラクターの面白さはもちろん、
その他出てくる人出てくる人みな個性的で、
名前と中身がすぐに一致して、
急に出てきても「あれ?これ誰だっけ?」と
ほとんどならなかった。
最初しか出てこないけれど、アルマの勤める
お花屋さんの店長さん(ミセス・マックスウェル)
もなんだか面白い人だった。
(真珠の修理の話なんか最高)
ずーっと読んでいて
「でもなぁ…、そうなの?(違うといいのに)
でもだとしたらどうやって?」と
思ってたことがやっぱり違って、ホッ、
嬉しかったねー。
それにモーリタニア号、ルシタニア号と言えば、
ほれ、あの、ね、あの面白い本、あれのさ、って、
これを言うとネタバレになるから駄目なんだ!
ヒェ~危な~い!
この人がこうなると良いなあと思ってた通りに
大体なるけれど、一ひねり二ひねりあって
「フフフ、成程ね」と楽しい!
デュー警部と言うのは実在の人物で
なんでもクリッペン博士と言う殺人犯を
船の上で逮捕したことで有名で、
イギリスでは知らない人はいないような人みたい、
だから、詳しく知っている人は余計面白いだろうね。 -
P.ラブゼイの著書は『最後の刑事』から入りました。
図書館で借りて、面白いんじゃねと。
文庫本で『デュー警部』は読みましたが、普通に傑作だった
ようなそんな出来の良さでした。秀逸ですよ。 -
面白かった。
豪華客船で起こるミステリを期待して読み始めた。が、全体の3分の1は乗船する前の話。
いつ船が出てくるんだ、と思いつつも主要登場人物たちの群像劇がテンポよく進むので、退屈はしなかった。
序盤のアルマはいわゆる”痛い女”って感じで笑えるし、偽デューが聞き込み相手の軽い一言にギクッとする場面では、何が起きたか知っている読者はニヤッとできる。
残念だったのは、ウォルターのキャラクターがいまひとつ固まっていないように思えたことと、マージョリーの口調が大富豪のわりにハスッパだったこと。後者はわざとかもしれないけど。
ウォルターの読心術が出来るという設定がほとんど使われないのはもったいなかった。
30年前の本だから言葉遣いが古めかしいんだけど、それが妙に味がある。「〜でしてね」って言い回しは訳者さんのクセかな。 -
古き良き客船の旅。お話部分は、やっぱり昔っぽいけど。昔の豪華客船、乗ってみたい。
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感情的な人には共感はできない、
なんてうそぶきながら
ちゃんと他人の気持ちを尊重しようとする。
だからめろめろなんですよね、私たち読者は。
それに、他人と関わるのは煩わしいけれど素晴らしいことだ、と教えてくれるから。
遠洋航海という非日常で、退屈で停滞した毎日から自由になる。
忘れていた自分の本質に気づく。
旅の愉しさ危うさを含んだ清々しいミステリでした。
この本のせいかなんとなく紅の豚のサウンドトラックを聴いてしまう。
アドリア海じゃなくて大西洋なんだけど。
ヨーロッパからアメリカに行く、というのも自由の象徴。新大陸で新しくやり直すのだ。希望に満ちている。
アメリカとヨーロッパの人は全然違っていて、
アメリカ人は合理的で冷たいと、
ヨーロッパ人は感覚的すぎる変人だと、
お互い認識している気がする。
私はアメリカのシットコムはげらげら笑えるけれど、
ヨーロッパ的エスプリやユーモアには苦笑いです。なんなら少し引いている。
基本人に薦められた本は読まないけれど、森博嗣が引用する小説はセンス良すぎるのでいつも気になる。
Vシリーズで引用されていたので読んでみました。
保呂草さんも犀川先生もヨーロッパ的ユーモアセンスなのに、そこが好きなのだ。どうしようもなく。
ただの倒叙小説じゃなくてひねりが効いていて、何よりタイトルが秀逸。
The false inspector Dew
旅に出るみたいな気持ちを持っていれば、どこにいたって自由だ。
という解釈です。
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やや古いランキングには名前が挙がっていることが多い本作
期待が大きかっただけにちょっと残念なところもあった
プロットは非常に面白い
いわば倒叙形式からのひねりで、「犯人=探偵」が実現されている(←ネタバレではない)
犯人役があれよあれよという間に探偵役を務めることになってしまうプロットはすばらしい
しかし肝心の殺人事件の解決のほうは、お粗末で、「うーん」と唸ってしまう
これでトリックだとか動機だとかに少しでも新味があれば
あまりにもふつうの事件というか……そこでガックリしてしまった
画竜点睛を欠く、とはこのことかなあ -
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1983年 ゴールド・ダガー賞
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〇1905年
・アインシュタイン、特殊相対性理論発表。
●1910年
・(7月)【本物の】デュー警部、コーラ・クリッペン殺害容疑でその夫クリッペン博士を逮捕。カナダに到着する直前のモントローズ号船上のことであった。
・(11月)殺人罪でクリッペン博士に死刑執行。
〇1912年
・タイタニック号、氷山に接触、沈没。
●1915年
・チャップリン、アメリカへ。
・第一次世界大戦。ルシタニア号、アイルランド南部沖でUボートの魚雷によって撃沈される。
〇1918年
・スペイン風邪大流行、死者5,000万人~1億人。
●1921年
・(9月9日)モーリタニア号にて殺人事件発生。たまたま乗船していた【偽の】デュー警部が捜査に乗り出す。【偽の】デュー警部は自らが銃撃され負傷するも、快刀乱麻のごとき推理をひらめかせて洋上で事件を解決。
・(同日)チャップリン『キッド』を携え帰国。
〇1922年
・ジェイ・ギャツビー、ニューヨークで豪奢なパーティーを繰り返す。
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●1938年
・【本物の】デュー警部、『私がクリッペンを逮捕した』を上梓。……曰く、「切り裂きジャック事件のほかには私の担当した事件で迷宮入りとなったものはひとつもない。」
●1947年
・【本物の】デュー警部死去。
●1982年
・ピーター・ラブゼイ、ミステリーの傑作『偽のデュー警部』を発表。
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●2010年
・DNA鑑定により、コーラ・クリッペンのと思われていた死体が男のものと判明。そもそもクリッペン博士は冤罪で、【本物の】デュー警部は、【とんだ食わせ物の】デュー警部だった可能性が……。 -
素晴らしい! 鮮やか! 楽しいミステリでした。
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読んで損はなし。
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アメリカへと向かう客船から届いた電報。乗り合わせた高名な警部が船内で起きた殺人事件を捜査する、というけれど、その警部が客船に乗っているはずはなく…?
乗船までの描写が長く、これがどうなって冒頭の電報に繋がるのか、気にしているとあまり話にのめり込めません。変に勘ぐって、登場人物一覧に載っているチャップリンが大きな役割を果たすに違いない、きっと乗船するまでに出てきた人物のうちの誰かがチャップリンなんだ!とアルマなみに妄想大炸裂。残念ながらそこまでとんでも展開にはなりませんでしたが、殺人事件があまりにあっさりと解決してしまったからといってがっかりする必要もありません。最後の章は語り手同様にキツネにつままれた気分になれます。
ミステリではあるけれど、楽しむべきは登場人物たちの悲喜こもごも。虚を突かれたときの驚きは端から見るとなんとも間抜けでおかしいものです。 -
2016/06/20読了
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初ラヴゼイ。森先生に影響を与えた本、100冊に入っていたので読んだ本作。歯科医ウォルターと、その患者アルマとの出会い。また彼の妻で女優のリディアとの会話のシーンなど・・まるで映画を観ているようなシーンが此処彼処にあり、大変良かった^^ 森先生の言ってた通りだw ミステリィの部分なんて謂わばオマケみたいなものだ、と。こうゆう作風の作品は初めてでとても新鮮。本当ユーモアたっぷりで翻訳ミステリで初めて面白いっ!と思えた作品でした。訳も読みやすくオススメ♪
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どうもピーター・ラヴゼイは私はあまり合わないようだ。読みながらずっと登場人物たちに「知らんがな」と思ってしまった(笑)。すぐに舞い上がってしまい、かつ厚顔な登場人物たちについていけなかったようである。
鮮やかな伏線回収、最後の最後でつながる時代設定の妙には唸ったものの、肌に合わないものは合わない。ミステリーとしては綺麗な作品だと思ったのだけど。。
ピーター・ラヴゼイの作品
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