絞首台までご一緒に (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 3-21)

  • 早川書房
3.09
  • (0)
  • (9)
  • (9)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 55
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150747213

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • はたして犯人は「例の3人組」なのか?(犬はさておき)。

    舞台は19世紀後半のイギリス。長閑なテムズ河で立て続けに水死体が発見される。よりによって目撃されたのは、ジェローム・K・ジェローム『ボートの3人男』そっくりの怪しげな「3人組」だった……。

    「クリップ部長刑事とサッカレイ巡査」シリーズの一冊とのことだが、そういうわりには、ふたりの存在感はひどく薄い。どちらかといえば、犯人らしき人影を目撃したがために事件の捜査に巻き込まれる妄想暴走お嬢様こそが「主役」のような印象(シリーズの他の巻は未読なのでよくわからない)。

    肩のこらない読書をご所望のみなさまに、ぜひラヴゼイ印のコミカルラブロマンスコージーミステリをどうぞ。

  • 舞台は19世紀末ロンドン。ヤードの刑事コンビのシリーズだそうですが初読み。
    小説「ボートの三人男」に沿って旅をしているらしい容疑者を追う刑事と巡査、そして証人として追跡に同行することになった世間知らずの女学生の珍道中。
    軽快でスラスラ読めます。ヒロインと刑事たちが、赤川次郎みたいなノリ。

    私は「ボートの三人男」は未読でしたが、同書のオマージュである「犬は勘定にいれません」を読んで面白かったので手に取りました。

  • 級友に唆され、校則を破ってテムズ河で泳いでいたハリエット。通りかかったボートに驚き流されてしまいます。地元の巡査に助けられ、ホッとしたのもつかの間、どうやら彼女がみかけた三人は殺人事件の容疑者らしく、彼らを目撃したハリエットは警察に協力することに。
    ボートの三人男を知っててよかった。「ボートの~」を真似してテムズ河を旅するのがブームになっているという設定。「ボートの~」に出てくる表現や小道具。元の小説の存在を知らなかったら面白さ半減だったでしょう。そしてもうひとつ主な面白さになっているのが登場人物たち。特に、頭は良いのに世間知らずなハリエットが可愛いです。推理面ではヤードの警部より一足も二足も先をいっているのに、恋に恋するお年頃なせいであっちへこっちへ気もそぞろ。彼女の特技、地図と人の顔形を連携させる表現には大笑いしました。クッションに力なく寄りかかる姿勢は日本地図。なるほど。
    事件は解決をみますが、腑に落ちない点や説明不足などアンフェアなところも多いです。それでも「スウィング・スウィング・トゥゲザー」の台詞で許せてしまう。何よりハリエットの企みのためにこんなところで仕掛けをしてたのかと笑っちゃいます。終わりよければすべてよし。楽しい一冊でした。

  • 激臭を放つチーズが登場しなかったのが残念。あのチーズは何チーズだったのだろう。

  • テムズ河を舞台にしたクリッブ部長刑事の事件。今回は女子大生を中心に据えた華やかで軽妙な装いのストーリーで、クリッブ&サッカレイのコンビに加えて、地元署の巡査ハーディーが良い味を出している。びっくりするようなトリックやどんでん返しは無いが、煙ったいロンドン市街を離れ、テムズ河沿いの陽光豊かな雰囲気を楽しめる肩の凝らない作品。邦題がいまひとつな気もするけど...

  • 2008/11
    ボートの三人男から

  • クリッブ部長刑事&サッカレイ巡査を探偵役とするシリーズのうちの一冊。
    ヴィクトリア朝を舞台にした歴史ミステリです。
    タイトルではブラックな短編集かと思いましたが、実はジェロームのユーモア小説「ボートの三人男」を題材にした作品。
    その点ではコニー・ウィリスのあの名作「犬は勘定に入れません」と同じ。
    ですが〜こちらは「ボートの三人男」が1889年に発表されて大人気を博した頃の話で、小説通りにボートでテムズ川を下るのが流行っていたというのが面白い。
    ヒロインはうら若き学生のハリエットで、その視点から入っていくために他の作品より若々しい雰囲気で、やや軽めの楽しい話になっています。
    大人しい優等生だった彼女が級友にそそのかされて、テムズ川で夜中に裸で泳ぐという企画に乗ったのが運の尽き?
    死体を発見してしまい、目撃者としてボートに乗って容疑者を追い続ける警察と行動を共にすることに…
    堅苦しい時代だったにもかかわらず、というか、だから余計やりたくなるものなのか?名門の淑女が川で泳ぐというのは大変なこと。
    もちろん退学ものなんですが〜。
    クリッブ部長刑事のことが名前は覚えがあるけどキャラクターがはっきりしないのでリストを調べたら、「マダム・タッソーがお待ちかね」が最終作に当たるとか…調べたら83年でした。

  • 短い章立てで読みやすいです。

  • 19世紀末ロンドンを舞台に、女子学生と刑事の珍道中を描く。
    スコットランド・ヤードのクリッブ部長刑事とサッカレイ巡査もののシリーズ全8作の7作目だそうだが、他の作品は未読。
    軽妙洒脱なユーモア・ミステリとの売りだが、さほど好みではなかったため。

全10件中 1 - 10件を表示

ピーター・ラヴゼイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
トム・ロブ スミ...
宮部みゆき
ドロシー・L・セ...
トム・ロブ スミ...
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×