- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150756574
感想・レビュー・書評
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家出から1週間、行方知れずの息子を探してほしい。
依頼を受けたスペンサーが捜査をする、ハードボイルド小説。
私立探偵スペンサーシリーズ第2弾。
几帳面な少年が、モルモットだけを連れて行ったこととか。
身代金を要求する脅迫文が、漫画形式だとか。
めずらしくて、興味を引く謎。
理由はやや拍子抜け。
スーザン・シルヴァマン初登場の回。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スペンサーシリーズ第二弾。スーザンが何かエロい感じ。ハードボイルドとしては、ど真ん中なストーリー展開
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これもスペンサー・シリーズ初期の作品だったかと。
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スペンサーシリーズ第2弾 スーザン登場
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スペンサー37歳、スーザンと出会う。
この出会いの瞬間! -
何年かぶりでの再読。
スペンサー・シリーズの第二作目。
運命の女性、スーザンと知り合います。
「スーザン・シルバーマンは美人ではないが、肌に感知するもの、肉体的な実態感があって(略)。黒い髪が肩まで垂れ、肉が薄く浅黒いユダヤ人の顔の頬骨が高い。背が高く、5フィート7インチくらいで、目が黒い。年は見当をつけにくいが、知的に成熟した感じから30は過ぎているようだ。」(P.43)
ホークは未だ出てきません。
ボストン警察のマーティン・クワーク殺人課の警部補、フランク・ベルソン部長刑事、州警の警部補ヒーリーとは前作と本作で面識を得ます。
残念なのは後半期に於いては、男女差別(スペンサーは我慢している節もある)は勿論、あらゆるマイノリティーに理解を含め、人に依っては信頼・敬愛を示すスペンサーですが、本作に於いては未だ・・
「四角いドーナツみたいに、気味の悪いホモだよ」
・・なんて様なセリフが散見されています。
前作はYMCAのジムでしたが、ヘンリー・シモリのハーバード・ヘルス・クラブが登場します。(~P.186)
シリーズの中の人気作は、「初秋」が、ほぼ断トツで人気を集めています。
勿論わたしも「初秋」、それに続く「晩秋」ともに好きですが、もっとも好きな一冊をあげろと言われたら、躊躇わずにこの「誘拐」をあげるでしょう。
・スペンサーとスーザンが出逢い理解を深めていく。
・人が一人しか死なない。
・最後に分かる息子ケヴィンと両親の愛。
・悪党ヴィックを憎みきれぬように書かれている著者の優しさ。
・ドアを開けたたまま去る、ラストのスペンサー。
所謂、ツボを捉える挿話がテンコ盛りの一作です。
スペンサー・シリーズを未読の方、前作【ゴッドウルフの行方】、本作【誘拐】を読んでみてください。
巧く嵌ることができれば、その後三十数冊の愉しみが得られますょ。 -
★粗筋★
ヘタレな両親の元から消えた息子を探し出せ!
行方不明になった子供を見つけることになったスペンサー。常識の欠片もない両親に呆れながらも事件の真相を究明する。ウィットに富んだ会話と抜群の行動力で犯人を捕まえる!
落ちが微妙すぎるというか、下手すぎる(笑)落ちがもっとマシな物語やったら★4つやったんやけど…
ちなみにスーザンが初めて登場する物語。
個人的には、自信セミナーの行が抜群に面白かった! -
誘拐された少年を捜す話。犯人からの要求が愉快犯的になっていくあたりが興味深く、ある意味現代風である。映画によくあるパターンと言えば 言えると思う。また少年の家庭がぐずぐずであるのは、ハードボイルドミステリにはよくある話で、この小説のように、露骨にこの母が悪いんだ なあと思えてしまうのは、どちらかといえば陳腐といってもいい。この作品が書かれた時代を考えるべきだろうけど、それでも単純すぎる。物語 としてはこれといって見るべきところがないが、ポイントは次の2点かな。
ひとつは結末近く、探偵のスペンサーがある男と「決闘」をするところ。いかにもパーカーっぽい文体でいいシーンだけど、事件の解決という面 では完全に蛇足だ。ただ事件の背景にある少年の心の問題を考えるなら、何らかの偶像破壊が必要なのは理解できる。でも、そんな精神療法的な ことは、特にこんな荒っぽい形では誰も求めていなかったわけで、つまりこれは、スペンサーのサービス、もしくは出しゃばりである。この出 しゃばりが、今後シリーズの大きな特色となっていく。 この作品においては、少年のためというより、スペンサーの満足感を満たすために戦ったという匂いが強すぎて、もうひとつ感動的にならないの が残念。
もうひとつは、やっぱりスーザンの初登場。シリーズのほぼ全作に登場するスペンサーの恋人である。誘拐された少年の学校のスクールカウンセ ラーとして登場するので、事件解決を目指すスパンサーに協力するのはよくわかる。そういう意味で彼女が魅力的なヒロインであるだけでなく、 いわば捜査チームの一員として最初から登場していることに改めて驚いた。ただし、守秘義務という観点からみると、ちょっと不安になる。特権 的な専門家通しの会話だからいいのかな。
シリーズを特徴付ける幾つかの要素が現れているという点では興味深い作品。単体では、特に目立った良さもないように感じる。