キャッツキルの鷲 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 1-12 スペンサー・シリーズ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150756628

感想・レビュー・書評

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  • スペンサー・シリーズの12作目。

    いつもホークに助けられてばかりのスペンサーが、
    ホークを助けるところからはじまる。
    といっても、スーザンがスペンサーに助けを求める代わりに、
    ホークに連絡したせいなので、
    スペンサーが乗り出すのは当然だが。

    サンフランシスコでスーザンが付き合っていた男は、
    マフィアというか、武器商人でかつ傭兵要請を生業とする男の息子だった。
    スーザンを救い出すために次々と人を殺すスペンサー。
    途中でFBIがしゃしゃり出てきて、
    核兵器を持ち出してスペンサーとホークに悪党を殺す免罪符をあたえるあたりは、
    あまりにもご都合主義で笑えた。

    レイチェル・ウォレスも元気そうだったし、
    「ユダの山羊」に登場していた大富豪が再登場していて良かったし、
    スペンサーが酔っ払いのふりをして、
    わざと留置場にぶちこまれ、ホークと騒いで留置場から脱出したのは面白かった。

  • 33953

  • 8章:マリファナ所持。
    ・この前に「Driving while impaired.」あり。
    10章:トミイズ・ジョイント:Tommy's Joynt。現在も営業中。1101 Geary Blvd, San Francisco。バッファロー・スチューも,健在。サワードー・ロールは,サンフランシスコ名物のブレッド。アンカー・スティームは,サンフランシスコのビール会社。ウォーナー・アンダスンとトム・タリイは,俳優。Tom received an Academy Award nomination for the role of the first commander of the Caine in 1954's The Caine Mutiny, with Humphrey Bogart. From 1954 through 1960, he played the role of Police Inspector Matt Grebb on the CBS television series, The Lineup, with co-star Warner Anderson, a gripping police drama. In repeats, The Lineup was known as San Francisco Beat.
    (Wiki.)
    11章:ベヴァリ・ファームズ。
    ・Beverly Farms。ボストンの北方約20マイル。ベヴァリ・ヒルズの名前は,ここにちなむ。
    11章:スティルトン (Stilton) は、イギリス(イングランド)原産のチーズの一つ。アオカビで熟成されるブルーチーズタイプのもの(ブルー・スティルトン)がよく知られており、単に「スティルトン」といえば通常ブルー・スティルトンを指す。/ブルー・スティルトンはしばしばセロリや洋ナシとともに食べられる。伝統的に、ポートワインはブルー・スティルトンを肴に飲まれる。(Wiki)
    13章:バタフライ・マクィーン
    ・女優。『風と共に去りぬ』で,スカーレット・オハラのメイド役。
    13章:ジェマイマおばさん Aunt Jemima
    ・ Quaker Oats Companyが販売しているパンケーキなどのトレードマーク。
    13章:中に女性がいるか?あるいはトラがいるか?
    ・The Lady, or the Tiger?『女か虎か?』
    13章:ドゥジイ・ドゥ
    ・is a basic dance step in such dances as square dance, contra dance, polka, various historical dances, and some reels.
    15章:ドクター,私,どうもレズらしいんです。
    ・原文:Doctor I'm afraid I'm gay.
    16章:クマのスモーキー
    ・山火事防止のマスコット。
    バーブラ・カートランド
    ・イギリスの作家。多作で知られ、20世紀で商業的な成功を収めた作家の1人。19世紀のヴィクトリア朝の純愛ロマンスが得意。wiki.
    17章:二人とも立ち止まって空気を嗅ぎ,耳をすませた。
    ・原文,このあとに以下の文あり。「There was no human sound, only the bird sounds and the light wind moving in the wood.」
    18章:トレイル・ミックス
    ・ナッツやドライフルーツなどをミックスしたアウトドアの携帯食。軽量で,栄養価が高い。
    20章:スポケインに空港がある:
    ・スポケインに一番近い空港は,Kenmore Air Harbor Seaplane Baseだけれども,水上飛行機でシアトル周辺しか飛ばないようだ。メジャーな空港は,シアトルの南にあるKing County International Airportだが,「スポケイン空港」とはいえまい。この空港は,著者による創作か?
    "She a stewardess,"Hawk said./ "Cabin attendant," I said. "Have you no sensitivity to minority nomenclature, you ……"
    21章:ファントム
    ・ザ・ファントム (The Phantom)は、米国の作家リー・フォーク(英語版)が制作したアメリカ合衆国の冒険コミックストリップのタイトルおよびその主人公。 アフリカのジャングルから来た、コスチュームを着て悪人を成敗する人物(wiki)。
    22章:バディ・ホリー,ビッグ・ボッパー
    ・バディ・ホリーBuddy Hollyが表舞台で活躍した期間は1950年代末期から死去するまでの実質2年間あまりだったが、そのわずかな期間にもザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズを始めとする60年代のロックバンドに極めて多大な影響を与え、70年代以降のミュージシャンにも影響を見出すことができる。1959年、アイオワ州でのツアー後搭乗したチャーター機が、吹雪のために墜落し、パイロットとホリー、同乗していたリッチー・ヴァレンス、ザ・ビッグ・ボッパーの4人全員が死亡した。ホリーは22歳、ビッグ・ボッパーは28歳で没した。後に「音楽が死んだ日」と呼ばれるようになった。(wikipediaより抜粋)
    29章:メリイ・パームと五人の娘たちとデイトする
    原文: dating Mary Palm and her five daughters.
    類似表現:meeting Mary Palm and her five sisters/date Mother Palm and her five daughters :Jocular coinage for male masturbation .てのひらとそのfive……
    30章:若きロキンヴァ
    Young Lochinvar (1923) is a British silent historical drama film./In Scotland, a young man, Lochinvar insists on marrying Ellen, the woman he loves in spite of the fact that she is betrothed to another.
    31章:The March of Folly : From Troy to Vietnam
    バーバラ・W・タックマン『愚行の世界史 トロイアからヴェトナムまで』
    One Writer's Beginnings
    ユードラ・ウェルティー『ハーヴァード講演 一作家の生いたち』
    The Road Less Traveled
    M・スコット・ペック『愛すること、生きること(全訳『愛と心理療法』』
    38章:朝は美の母。(文庫版。ハードカバー未見)
    ・原文:「Death is the mother of Beauty,」 「朝」は,前の行にひきづられた誤植か誤訳であろう。この詩の一節が思い浮かんだのは,ウォレス・スティヴンズが,コネチカット・ハートフォードにある保険会社の重役だったからというより,スペンサーが"Anecdote of the Jar" などを愛読していたからであろう。
    45章:「秘密に包まれた謎の存在なの」「いい表現だ」「あなた方もよく知っているように,私が考え出した表現じゃないわ」
    ウィンストン・チャーチル"I cannot forecast to you the action of Russia. It is a riddle, wrapped in a mystery, inside an enigma; but perhaps there is a key. That key is Russian national interest."
    49章:アイダナ・ホテル Idanha Hotel
    1901年開業。三件の殺人事件があり,地下に女性が埋められていたり,射殺された従業員の幽霊がエレベータを操作したり,ドアがひとりでに開閉したり,うめき声が聞こえたり,寝ているとベッドから引きづり下ろされたり……。現在はアパートメントに改装。

  • 作品中にも揶揄的な台詞として出てくるけれど、世が世なら「塔の中の捕らわれの美女」を王子か騎士が救い出す、そんなお話です。強くて優しい、ただ愛のために闘うスペンサーが素敵でした。シリーズ既出作品の登場人物も何人か登場し、スペンサーとホークに助力し華を添える、さしずめシリーズ映画のスペシャル版のような、特別編のような、そんな面白さもありました。ジャンルは探偵物ですが、やっぱりスペンサーシリーズは愛と友情の人間ドラマだなと改めて思わせてくれた作品でした。

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