アリバイのA (ハヤカワ・ミステリ文庫 124-1)

  • 早川書房
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本棚登録 : 206
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150763510

感想・レビュー・書評

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  • この主人公には派手な格闘や、明晰な推理力を発揮するようなスタイリッシュさは皆無である。
    丹念な聞き込みが持ち味の、いわゆる「足で稼ぐ」タイプの泥臭い捜査方法だ。
    それがたまらなく魅力的に感じるのは何故なのだろうか。
    リアルライフというワードが浮かぶ。サンタテレサという街が架空の街だとは思えなくなってくる。
    いつまでも読んでいたい欲求に駆られる。
    これだけシリーズが続くのも納得できる気がする。

  • 3回目の読了。若かりし頃、キンジーのようになりたいと思った気持ちは今も変わらないな。スー・グラフトンさんが亡くなり、作品もYまで。日本語訳は無いけれど、シリーズは最後まで読みたい。

  • 確か高校時代、に、読んだことがあるシリーズ(現在も刊行中)。
    ふと続きが読みたくなったんだけど、どこまで読んだのか忘れちゃって(苦笑)、じゃあ最初から読んでみましょう!
    ・・・ということでAから読み始めようかと。
     
    以前より、年とった今のほうが面白いです。
    推理小説としては勿論ですが、主人公がものすごく年上の独身オバサン、だった高校生の私より、
    主人公が10歳以上も年下になった今のほうが、彼女の弱さや格好良さがわかって、主人公のことがもっと好きになれます。

    Qくらいまで出版されているんですよね(Aからアルファベットで刊行中)。
    ガンガン読みますよー。

  •  今まで、読もう読もうと思いながら手を出さずにいたシリーズである。ハードボイルドで女性が主人公というと、僕の場合にはロバート・B・パーカーを思い出す。さわやかさにおいて、このシリーズの主人公キンジーのほうが上である。

     事件を依頼され、関係者の所を尋ね歩いているうちに、事件の方も少しずつ動き始め、やがて意外な結末がやってくる。まさに古典的なハードボイルド小説の流れで、ほとんどリュウ・アーチャーのようである。もっとも、物語そのものに「闇」の要素があまりなく、さっぱりとした印象である。

     主人公である探偵キンジーが、実にまっとうな女性である。言い友達になりたいと思うタイプだ。女性が主人公のハードボイルドシリーズの流れでは、第2世代くらいになるのだろうか。ごく自然に女性が探偵をやっているのが気持ちいい。それでいて、やっぱり男性が探偵だとこうはいかないだろう、というプロットが出てくるのもおもしろい。

     ハードボイルドのスタイルで、自立した女性(死語に近いけど)を描いていくとこういう風になるのだろう、って感じの小説。ミステリとしては必ずしも強い魅力を感じなかったけど、キンジーのライフスタイルには共感し、魅力を感じた。

  • うわ~~、すっごい懐かしいんですけど~~。
    アメリカではまだまだ売れ続けてる。
    これは再読。
    初めて読んだときは、なんか活字量が多くて読む気しなく、無理やり読んだ覚えがある。
    でも、ストーリーは覚えてない。

    で、読んでみて。。。。面白かった~。
    活字の量も多くて楽しかった~~。
    久しぶりの殺人事件小説で楽しめた~~。

    女が主人公の刑事ものや探偵ものって、ほんと最近多くって、そのキャラを好きになるのに時間がかかるんだけど、このキンジー好き。読み始めてすぐ好きになった。
    男に侮辱されるのがすっごく嫌いですぐ切れるバツ2.
    なんか、すっごく分かる。

    このシリーズは日本ではもう手に入らないので、古本屋で地道に探して読むか~、原本で読むかして制覇したいな~。

  • 1987年刊か… 本屋のバイト時代に新刊で入荷して、タイトルに惹かれて購入したと思う。ストイックな感じで好みだったから、そのあとも新刊が出るたびに買って読んだけど、途中で追いつけなくなり、それでもJかKぐらいまでは読んだのかなぁ。

  • 若竹七海の「葉村晶シリーズ」に似てると聞いて読み始めたんだけど……はまったっ! 主人公がかっこいい、の一言に尽きる。とはいえ「かっこつけて」るわけじゃないんだよねえ。そこがポイント。

  • 有名なアルファベットシリーズのはじまり。つめきりで髪を切る女探偵キンジー勇ましすぎないところも魅力の1つです。

  • タイトルにアルファベットがついていることで知られるアルファベットシリーズ。第1弾は『アリバイのA』。
    「わたしの名前はキンジー・ミルホーン。カリフォルニア州でのライセンスを持った私立探偵である」と始まる自己紹介文が「おとといある人物を殺害し、その事実がいまも胸に重くのしかかっている」と続く。私立探偵が殺人? 意表をつく語り出しに、のっけから強烈に引き込まれる。
    事件は、夫殺しの罪の刑期を終えて出所したばかりの妻ニッキ・ファイフの「真犯人を見つけてほしい」という依頼から始まる。殺されたローレンス・ファイフは女性関係が派手で女たちの恨みを買っていたという。すぐさまあぶり出されたのは、事件の裏に隠されていたもう1つの殺人事件。ローレンスの死の直後に1人の女が同じ手口で殺されていた。ローレンスと女は恋愛関係にあったのか。8年もの歳月に封印されていた事件の真相を追ってキンジーが動きだす。1つ1つ積み重ねられた証言をもとにキンジーの推理が真犯人を追い詰めていく。そこへ新たな殺人が…。
    「私立探偵業は、わたしの生活のすべて」と言い切るキンジーは32歳独身。2度の離婚歴あり。私立探偵という危険な職業にもかかわらず、彼女はあくまでもしなやかである。とりたてて才気走ったところもなく、むしろ淡々と仕事をこなし、いたって平凡な女性に見える。拳銃さばきも自然で、女性が私立探偵をしているということを物語は強調しすぎない。1982年の作品にして、女性の社会進出などという課題はすんなり乗り越えられてしまっているところが、かえって心強い。強固なキャラクターに縛られないつくりは読者を選ばず、誰もが違和感なく入り込める推理劇となっている。(木村朗子)

  •  スー・グラフトンの人気シリーズ、女性探偵キンジー・ミルホーンものの第1作。アメリカ西海岸のロサンゼルス郊外を舞台に、一匹狼のキンジーが8年前の冤罪事件の再捜査を依頼され、意外な真相を暴く。初作にしては達者な筆致で、登場人物の造型もしっかりしているし、テンポのいい展開から、意外な犯人に手に汗握るクライマックスまで、文句のつけようがない。が、悪く言えば教科書的、サスペンスドラマはこうあるべしという見本のようで、可もなく不可もなしともいえる。まるでテレビの2時間ドラマを見ているようだ。作者は脚本家出身だというからなるほどだ。これはドラマの脚本なんだ。タイトルのアリバイはあまり関係ないように思うが、シリーズはアルファベット順にすでにZまであるというから先が長い。安定の水準といっても、同じような内容なら3冊も読めば飽きそうな気もする。キンジーの魅力でどこまで引っ張れるか、もう少し読んでみよう。

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