殺害者のK (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 4-11)

  • 早川書房
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本棚登録 : 73
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150763619

感想・レビュー・書評

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  • 自分にとって、このシリーズの魅力のひとつは主人公の私生活と、地道な捜査方法、特に聞き込みのシーンの多さだ。
    それに尽きる。
    サンタテレサという架空の街の魅力と言ってもいい。
    こう言ってよければ、犯人が誰なのかとか、事の真相などはオマケみたいなものなのである。

    今回はとてもシンプルな内容で、その分主人公の淡々と足で稼ぐ捜査流儀を十二分に堪能できる。
    憶測に頼りすぎず、とにかく事実のみ、データを蓄積していく。

    聞き込みを続けるうちに捜査対象の女性の生活、人物像が徐々に浮き彫りとなっていくという点では、何度も読み返したスカダーシリーズ「慈悲深い死」に少し似ているかもしれない。

    ダニエルに髪をカットしてもらうシーンが忘れられない。
    そして突然の死。
    願わくばスカダーとミッキーバルーのように、ダニエルとミルホーンの関係が続いてほしかった。

  • 探偵キンジー11作目。

    若く美しい娘が亡くなり、
    大人向けビデオの出演していたことを知った母親からの依頼。
    娘はちょっと変り者で人付き合いが悪かっただけではなく、
    きちんと稼いだお金を投資するような高級娼婦だったことがわかる。
    妹分のコールガールから話を聞き出し、
    自宅で一緒にピザを食べ、髪を切ってもらったキンジーだが…。

    事件そのものも面白かったが、
    ちらりちらりと挟まれる、キンジーの私生活(?)とのバランスが心憎い。
    大家ヘンリーとの出会いとか、
    長年のつきあいのドーラン警部の心臓発作とか。

    ビデオに出演していた男優ラッセルと一緒に住んでいた、
    「シェリー」が印象的だった。
    部屋にあがらせてくれて「ラッセル」に戻ったところが。

    それにしても、キンジー、さすがに髪形は何とかした方がいい。

  • 今作はあんまりキンジーのシニカル面が出てこなかった気がします。すっかり夜型になって、夜中に聞き込みやら電話やらしててちょっと違和感。犯人はやっぱり最後までわからなかった、全く違う人を考えてました。刑事のチーニーかとf^_^;それにしても被害者の姉、嫌なやつだった!性格悪くて不細工、世間知らず…ダメだな。とはいえ、強気なキンジーが大好きです☆シリーズ読み進めます☆

  • 珍しく調査が淡々と進み、キンジーも大怪我しないという展開。
    まあ毎回怪我する必要も無いしね...。

    あらすじとしてはほんの背表紙に出てきたとおりだったけど、キンジーの身に迫る卑劣な罠っていうのが何なのか今ひとつ何かわからなかった。
    シリーズを飛び飛びで読んでいるのでいとこがどう絡むのかもよくわからなかったし。

    後書きでも触れられていたけど、『幸せな家庭生活』の呪縛みたいなものから自由になった存在がキンジーなのだと思う。キンジーもいろいろ大変なことはあるけれど、自由の代償みたいなものなのか。そこを含めてあこがれる。
    高級娼婦の妹に対する姉二人の態度がいかにもそうなるだろうという感じでとても興味深かった。家族や兄弟姉妹の関係が美しいばかりじゃないのを、ちゃんと描いているところが、毎回毎回溜飲が下がる。
    胡散臭い美談が無いからいいなと思う。
    でも、人との触れ合いはちゃんとあるというか...。

    ローナの生活と人生に対して、それぞれが異なった見方をしている。
    危険に対するジャンキーだったという人、しっかり者だったという人、身勝手だったという人。
    いろいろいう人はいるけれど、誰もローナの人生に責任を持つわけではなかった。それはローナ自身もよくわかっていたように思える。
    他人にどう思われようと自分が信じたように行動するローナも、
    キンジーと同じくらい魅力的だ。

    いつもながら出てくる人の容貌やしぐさ、着ているものや行動がいかにもアメリカっぽくて、おもしろい。どんな人達をモデルにしているのかな。

  • 悪くはないのだけれども、
    盛り上がりには欠ける作品。
    最後のお楽しみ(?)の格闘の場面も
    やけにあっさりで中途半端に終わっています。

    珍しく新たな真実が出ても
    静かなまんま。
    それと割としつこいキンジーが
    受け入れられちゃってますし。

    らしくない作品ですね。
    落ち着いては読めるのですが。

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